水文統計解析では降水データを扱う。いわゆる統計学の理論を用いるが、年最大値あるいは最小値などの極値を扱う点に特徴がある。極値を扱うので、様々な問題が生じる。例えば、年最大値を選ぶのであるが、ある年の最大値より大きい値が複数発生している年もある。データの選び方の問題である。また、観測値が定時データであるという問題もある。しかし、最大の問題は、理論の前提である変数の独立性が成立しないことである。にもかかわらず、これまで独立変数として理論を展開している。理路整然とした理論展開であっても、前提が成り立たなければ役に立たない空論である。
それを避ける唯一の方法は、解析のためのモデルをつくり、実用に耐えるモデル係数を求めることであると考える。例えば、「時間集中度モデル」である。
C=log(r1/rT)/log(T)
ここで、Cは降水の時間集中度、r1は単位時間最大降水強度、rTは代表時間降水強度、Tは代表時間。代表時間は単位時間に対して、Cを正規化するのに最適な長さが望ましい。しかし、例えば単位時間を1時間とする時、24時間を選ぶこともできる。r1=R1/1、rT=RT/T。ここで、1=1×⊿t/⊿t、⊿tは単位時間、R1は単位時間の降水量、RTはT時間降水量、ただし、Tは無次元時間。
例えば、T時間に100mmの降水があったとき、100mmの降水が単位時間に集中して降ったとき、C=1となる。T時間均等に降ったときC=0となる。すなわち、降水の時間集中度Cは【0,1】の範囲にある。日本の1時間最大降水量は、公式ではないが、1987年7月の長崎豪雨における長与町の187mmと言われているので、災害が起こる程度に降水量が多くなればC<1であり、T時間均等に降水が発生するということも実用的には起こりにくいので、年最大降水量を考える場合のCは(0,1)分布と考えた方がよいと思われる。
Cは下上限値をもつ係数であるから、Cの正規変換にはSladeⅢ型正規変換式を用いる。
ξ=α×log((C/C0)×((g-C0)/(g-C)))
ここに、ξは正規変数、α、g、C0はCを正規変換するための係数である。
SladeⅢ型正規変換式には3つの係数が含まれているが、降水量の解析において、幸いにも3つの係数はいずれも実数あるいはRTの簡単な実用式で表示できることが分かっている。
すなわち、R1はξとRTの関数に変形できる。単位時間降水量R1はRTに従属しており、R1の極値解析における独立仮定は成立しないのである。
水文統計解析の重要性は、その解析結果が水工計画の基準値として使われることにある。温暖化に伴う最近の豪雨の頻発とそれに伴う水害の頻発は、まさに従来の水文統計解析の問題点を浮き彫りにしている。
それを避ける唯一の方法は、解析のためのモデルをつくり、実用に耐えるモデル係数を求めることであると考える。例えば、「時間集中度モデル」である。
C=log(r1/rT)/log(T)
ここで、Cは降水の時間集中度、r1は単位時間最大降水強度、rTは代表時間降水強度、Tは代表時間。代表時間は単位時間に対して、Cを正規化するのに最適な長さが望ましい。しかし、例えば単位時間を1時間とする時、24時間を選ぶこともできる。r1=R1/1、rT=RT/T。ここで、1=1×⊿t/⊿t、⊿tは単位時間、R1は単位時間の降水量、RTはT時間降水量、ただし、Tは無次元時間。
例えば、T時間に100mmの降水があったとき、100mmの降水が単位時間に集中して降ったとき、C=1となる。T時間均等に降ったときC=0となる。すなわち、降水の時間集中度Cは【0,1】の範囲にある。日本の1時間最大降水量は、公式ではないが、1987年7月の長崎豪雨における長与町の187mmと言われているので、災害が起こる程度に降水量が多くなればC<1であり、T時間均等に降水が発生するということも実用的には起こりにくいので、年最大降水量を考える場合のCは(0,1)分布と考えた方がよいと思われる。
Cは下上限値をもつ係数であるから、Cの正規変換にはSladeⅢ型正規変換式を用いる。
ξ=α×log((C/C0)×((g-C0)/(g-C)))
ここに、ξは正規変数、α、g、C0はCを正規変換するための係数である。
SladeⅢ型正規変換式には3つの係数が含まれているが、降水量の解析において、幸いにも3つの係数はいずれも実数あるいはRTの簡単な実用式で表示できることが分かっている。
すなわち、R1はξとRTの関数に変形できる。単位時間降水量R1はRTに従属しており、R1の極値解析における独立仮定は成立しないのである。
水文統計解析の重要性は、その解析結果が水工計画の基準値として使われることにある。温暖化に伴う最近の豪雨の頻発とそれに伴う水害の頻発は、まさに従来の水文統計解析の問題点を浮き彫りにしている。
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