3. 降水の時間集中度モデル
図-3は降水の時間集中度Cの定義を説明するDD分布図である。Cは図-3から明らかなように[0~1]の範囲にあり,代表時間T×⊿tと代表時間降雨量RTを固定して考えると,単位時間降雨強度r1の発生範囲が決まる。一定のRTのデ-タからCを集めると,Cは正規分布に近似したある種の分布を示す。
図-3 豪雨の時間集中度モデル(豪雨の時間集中度Cの定義を説明するDD分布の単位時間降雨強度r1の発生範囲(j=t/⊿t)
図-4はCの頻度分布の例である。四国の豪雨資料を対象(高松地方気象台,~1982)としている。図-4に示したCの頻度分布は,デ-タ数が多くないので滑らかな分布となっていないが,多くの豪雨デ-タを集めれば,滑らかな分布となるはずである。
どの程度の地域のCを一つの集団として解析できるかは,この方法の成立条件にもかかわる重要な問題である。日本ではおおむね一つの集団(雨と雪を意識する必要があると考える場合には二つの集団に分ける方がよいかもしれない)でよいと考えて解析している。Cはある種の確率分布を示す水文特性量である。
図-4 Cの頻度分布の例(四国の豪雨)