見出し「計画雨量の見直し」が急務
2015年9月には鬼怒川で、2016年8月には岩手や北海道で甚大な水害が発生した。九州・四国・近畿など西日本での水害は珍しくないが、東日本でも最近水害が多いように感じる。温暖化で台風の進路が変化しているのか。2016年9月10日高知新聞朝刊23ページに「東アジアの台風15%強く」の見出し」記事。「2013年までの37年間で、日本を含む東アジアの国々に上陸する台風のピーク時の風速が15%増したことが分かったと、米カリフォルニア大サンディエゴ校などのチームがこのほど、英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。」と報じた。
水害に対処するための基準となる計画雨量は、1時間雨量、24時間雨量などに対してその発生確率を計算し、2級河川では30~50年確率、1級河川では100~200年確率なでが検討さている。
ところで、これらの雨量の確率計算において、それぞれに対して確率過程が前提とされている。すなわち、雨量の確率計算においても確率過程が成立すると仮定されている。しかし、雨量の発生過程がランダム的である点については問題ないと考えられるが、独立性は全面的には成立しない。つまり確率過程に疑問がある。
著者が提案している「降雨の集中度モデル」によると、短時間の雨量は長時間雨量に対して独立の部分と従属の部分があり、たとえば、1時間雨量の確率計算において、年最大1時間雨量を用いた統計的方法で求めることは適当でない。
著者は、240時間雨量(10日雨量)に含まれる最大24時間雨量、24時間雨量に含まれる最大1時間雨量の資料を用いて、最大24時間雨量と最大1時間雨量の結合確率を計算する係数を提案している。計画雨量の確率として、24時間雨量と1時間雨量の結合確率が適当かどうかは分からない。8時間あるいは12時間雨量と1時間雨量、あるいはもっと他の時間の結合確率が適当かもしれない。ただし、現状ではこれを実用的に計算するための係数は求められていない。
著者が日頃見ている河川堤防から見て、東日本の河川堤防は大丈夫かという印象があった。特に北海道の河川は、詳細に調べた結果ではないが、築堤されていない河川も多いのではないかと感じていた。「計画雨量の見直し」が急務であろう。
2015年9月には鬼怒川で、2016年8月には岩手や北海道で甚大な水害が発生した。九州・四国・近畿など西日本での水害は珍しくないが、東日本でも最近水害が多いように感じる。温暖化で台風の進路が変化しているのか。2016年9月10日高知新聞朝刊23ページに「東アジアの台風15%強く」の見出し」記事。「2013年までの37年間で、日本を含む東アジアの国々に上陸する台風のピーク時の風速が15%増したことが分かったと、米カリフォルニア大サンディエゴ校などのチームがこのほど、英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。」と報じた。
水害に対処するための基準となる計画雨量は、1時間雨量、24時間雨量などに対してその発生確率を計算し、2級河川では30~50年確率、1級河川では100~200年確率なでが検討さている。
ところで、これらの雨量の確率計算において、それぞれに対して確率過程が前提とされている。すなわち、雨量の確率計算においても確率過程が成立すると仮定されている。しかし、雨量の発生過程がランダム的である点については問題ないと考えられるが、独立性は全面的には成立しない。つまり確率過程に疑問がある。
著者が提案している「降雨の集中度モデル」によると、短時間の雨量は長時間雨量に対して独立の部分と従属の部分があり、たとえば、1時間雨量の確率計算において、年最大1時間雨量を用いた統計的方法で求めることは適当でない。
著者は、240時間雨量(10日雨量)に含まれる最大24時間雨量、24時間雨量に含まれる最大1時間雨量の資料を用いて、最大24時間雨量と最大1時間雨量の結合確率を計算する係数を提案している。計画雨量の確率として、24時間雨量と1時間雨量の結合確率が適当かどうかは分からない。8時間あるいは12時間雨量と1時間雨量、あるいはもっと他の時間の結合確率が適当かもしれない。ただし、現状ではこれを実用的に計算するための係数は求められていない。
著者が日頃見ている河川堤防から見て、東日本の河川堤防は大丈夫かという印象があった。特に北海道の河川は、詳細に調べた結果ではないが、築堤されていない河川も多いのではないかと感じていた。「計画雨量の見直し」が急務であろう。