紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
について語ります        

お三輪の玉三郎

2015-12-24 11:12:15 | 観劇
12月の歌舞伎座
上京してきた姉と久しぶりに1F席、今月でなくなる花篭弁当、で堪能しました。

夜の部は何と言っても
玉三郎のお三輪です。

はっきり言って、妹背山婦女庭訓は
あまり好きになれない演目です。
とくに後半のお三輪の、三笠山御殿、
藤原淡海(不比等)はお三輪と橘姫の二股で契り、両方とも自分の本懐を遂げるために利用しているわけで、
いくらイケメンもてもてでも、あんまりでは。
橘姫のほうは、兄を裏切ってめでたく淡海と添い遂げ、
不比等の第一夫人曽我娼子がモデルとしたら、藤原氏北家房前を産んだ母、という未来があったわけです。

それに引き替え、
好きな人が身分のかけ離れた貴公子とわかり、
好きな人のおために死ねるなら本望、
と言って死んでゆく、お三輪は、
お芝居とはいえ、あんまりな結末…

三輪山伝説との関連で見れば、
伝説の活玉依(いくたまより)姫はお三輪のように、決して悲恋に終わるわけではない。

とはいえ、
玉三郎のお三輪は、
いじめられても、絶望しても、無情な刃を受けても、気品を失わない
それでいて哀しい、
こころに滲みる、お三輪でした。

【2015/12/24 観劇 歌舞伎座】★配役⇒2015観劇日誌

最新の画像もっと見る

コメントを投稿