紫苑の部屋      

観劇・絵画と音楽・源氏物語      
について語ります        

仁左玉の睦まじい「神田祭」ー三月大歌舞伎

2018-03-23 17:24:03 | 観劇
神田祭
当初「お祭り」とありましたので、
例の、大向うの待ってました!に応えた「待っていたとはありがてぇ」の
清元の歌舞伎舞踊「申酉」とばかり思って、鳶頭はともかく芸者は出てきたかなー?
はてな?でしたが、
よかった良かった、神田祭で、仁左玉コンビでたっぷり堪能できました。
神田祭、って、こんなにイチャイチャしてましたっけ!
踊りとしても、双方それぞれ見せ場があり、絡みもありで、
仲良く花道へ道行、ふたりはほほを寄せ、手を取り合い
少し照れて幕入りしたのでした。
こんな当てられ方、往年のおふたりを思い起こさせます。

ところで、鳶頭と芸者、好い仲のふたり、と思っていたら、
歌詞を見たら夫婦なのね。
粋でいなせな鳶頭を夫に持つ女房の嫉妬で、痴話げんか、
そして仲直り、というたわいもないお話し、
このお二人での初役のときの振りで踊っているそうです。
道理で、若い時の孝玉コンビを思い出させるのですね。

そして、清元には、先日襲名された斎寿さんが出ておられました。
この清元の神田祭には、木遣り唄も挿入されていてそれがまた粋なのです。
  〽ヤァやんれ引けゝゝよい声かけてエンヤラサ…


3月の歌舞伎座、夜の部はほかに、

世鶴屋南北 作
於染久松色読販
土手のお六/玉三郎&鬼門の喜兵衛/仁左衛門
これも久しぶりのコンビです。

泉 鏡花作 坂東玉三郎演出
滝の白糸
滝の白糸/壱太郎&村越欣弥/松也
玉三郎の薫陶を受けただけあって、
明治の話し言葉の独得の言い回し・粋なしぐさなど玉三郎らしさがいっぱい、
だからこそ、玉さんで見たかった!に尽きます。

この演目で一番の見どころ、聞きどころは、
卯辰橋の場の、御簾で唄われる山中節、
ではないでしょうか。
  〽ハァー忘れしゃんすな 山中道を
民謡調とはまた違って、哀愁を帯びていて、
なぜか、涙ぐんでしまいます。
物語の一部になっているのですね。

3月の演目全体で特筆しておきたいのは、
彦三郎&坂東亀蔵兄弟のこと、
特にお兄さん、亀三郎の頃より脇を支えてきた功績、
よく通る声、口跡のよさ、もっと評価されてよいといつも思います。
今回は演目にないですが、弟の亀蔵さん、踊りが抜群いいですよね。


2018/3/19 観劇 
三月大歌舞伎 配役↓




最新の画像もっと見る

コメントを投稿