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紫苑の部屋      

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映画「はちみつ色の秘密」

2009-04-21 23:41:22 | 映画
本題はThe Secret Life of Bees
邦題「リリィ、はちみつ色の秘密」って
なんだか、ほんわかとした淡いパルテルカラーになってしまうのね。
この秘密はとっても重すぎるのに、はちみつがそれを溶かしてしまう、
あたたかい映画に仕上げてしまうね。

昨今、みつばち不足で、いちごやスイカが不作になり、農作物の高騰が騒がれているとか、
日本ではミツバチの主な役割が農産物の受粉だったとは、知りませんでした。
日本のハチミツの歴史はどうなんでしょう。
(砂糖も近世に近いし、砂糖以前の甘味はなにかしら?)
ヨーロッパでは蜂蜜の歴史は人類の歴史、といわれるように、
原始の壁画にも描かれているらしく、
彼らにとっての蜂蜜文化は、畏敬の対象なのですね。
映画のなかで
主人公リリィが初めてみる女王蜂に、淑女のご挨拶をする場面がでてきます。
また、壁に投げつけられた蜂蜜がだらりと垂れていく様子をカメラが追っている、
その感覚的なもの、日本人には馴染みの薄いものです。
愛するひとをハニーといいますものね。

さて、映画のなかみです。
女性監督らしく、映画のつくりがとってもきめ細やか!
冒頭(映画の冒頭の映像、とても重要)
ビー玉が床に転がっていきます、
それを手でつかむ、カメラワークは床すれすれになります。
その視線の位置から、
隣室が見えて父と母が争いもみ合う姿、
拳銃が床に落ちます…、そして悲劇が起きます、
スリリング、です。
場面変わって、10年後、リリィは14歳の多感な少女になっています…
という具合に、
起承転結、2時間半の枠の中に、きれいに物語りをおさめていくの。
さりげないセリフにも人生の重みがずっしり、
ベテラン黒人女優陣の存在感、生きています。
なにより、爽やかなあと味、終わり方がいい!

2008年10月、この映画、本場アメリカでは絶賛された、
舞台は1960年代のアメリカ南部、公民権運動の成果で黒人にも選挙権が与えられた、
とはいえ、選挙登録しようとすれば、半殺しの目に遭ってしまう、そういう時代、
なぜそういう小説が、その映画化がアメリカ社会にいま?
そう、大統領選、とタイアップだったのねー。

キャストがすごいのね!(名前あまり覚えられないので公式サイトからコピーペースト!)
リリィの出会えた三姉妹の長女、
なんだか見たことのある黒人女優たち、と思っていたら…
「シカゴ」の看守ママ、「ヘアスプレー」(2006)のキャスターだった、クィーン・ラティファ
次女は、バッパの無伴奏チェロ独奏(かな?)を弾く、美貌の歌姫だそうですし、
リリィと一緒に旅に出たメイドは、
あのドリームガールズでアカデミー賞助演女優賞のジェニファー・ハドソン、
という顔ぶれ。
そしてリリィ演じるのは天才子役といわれていたそうで、
9人の女性たちのオムニバス映画「美しい人」の最終話のあの天使のような幼い娘を演じたあの子、
ダコタ・ファニングだったのね。

2009/4/15 日比谷 TOHOシネマシャンテ


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