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紫苑の部屋      

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團十郎の歌舞伎案内

2008-04-30 17:30:07 | 観劇
近頃の團十郎の歌舞伎、
どれを観てもうれしいなー、と思います。
医学の進歩もあって、お父様と違って生還できて本当によかった!
再び舞台にもどって、それまでとはひと味ちがう、
芸一筋に生きてきた人だけが到達する、
なにか独特の境地というものを感じるのです。
(ちなみに、それ以前で團十郎すっごくいいなー、と思ったのは、新之助*光源氏のときの明石の入道、でした。)

そんな團十郎が本を書きました。
発売前から新聞書評に、ラジオに(NHKFM日曜喫茶室に出演)話題となりました。
彼は、大名跡を次へ継承していく責務は、もちろんのこと、
地方の歌舞伎を指導したり、出身校の青学で教鞭をとったり、
広く活躍しています。
歌舞伎のこと、日本の伝統のこと、世界のこと、もっといえば宇宙のこと、
大きなところを見つめています。
天文がお好きだったとみえて、
歌舞伎の天文学的構想?! この本で語っているんですよー

歌舞伎案内、というのがメインなので、
現役の團十郎しか語れない裏話が面白いのですが、
わたしはお父様の11代目のエピソードに興味を覚えました。
以前、テレビ番組で(BS未来の君たちへ、とかいうトーク番組でしたが)
二枚目の11代目のコンプレックスを明かしたことがありました。
倅に言うのです、これからの役者は学問が必要だ、
学がないのは、切ない…。
ーーーだから、12代目は学士さまになったのね。
あの海老さまと騒がれ、女性たちのあこがれだった人も、人の子、
この本では、癇癪持ちだけど、子煩悩だったと言ってます。

12代目は、若くして父を失うことになってしまうのですが、
そのことが、歌舞伎役者にとってどういうことか、
しかも大名跡を継承していく、その重責たるや、想像に難くないですね。
苦労をなさっただけ、現海老蔵へ伝えたいことにも、温かいお人柄が滲みます。
ずーとお元気で舞台に、後継者教育に活躍してほしい、
読後の心情です。

「團十郎の歌舞伎案内」
12代目市川團十郎著 PHP新書 2008.4.30発行

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