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day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

新月の彼女 ~5~クラスメイトの彼女

2011-11-16 | オリジナル。
 彼女だけ、スカートが膝より長かった。
 とびぬけて成績が良かったわけでも、クラスや生徒会の役員などを進んでやっていたわけでも、部活動で活躍していたわけでも、そして他の多くの娘たちがそうしていたようにおおぜいの友達と甲高い声でさえずっていたわけでもない。地味で目立たない、だからこそ一部の者にとってはかえって目立った存在。彼女はそのひとりだった。

 紗莉の通う女子高は、海辺の街に古くからある幼稚園から大学まで一貫教育、という私立校である。世間ではお嬢さま校というイメージで見られるが、他の私立校と比較して特に富裕層の子女が集まっているというわけでもない。ただ、生徒たち自身にもこの制服に対するプレッシャーは若干あると見えて、校外では少しおとなしく振舞うという傾向があるようだ。
 一年生のクラスの五十音順の名簿で彼女と並びだったから、多分紗莉がこの学校で最初に彼女と会話したのだと思う。
 クラスの大半は系列の幼稚園や小学校や中学校からエスカレーター式で上がってきた者である。彼女は高校からの外部入学でまったくの新顔だった。だから誰も、彼女を知るクラスメイトはいなかった。
 話しかけると、彼女はふんわりとやわらかい微笑みを浮かべて質問に対しては最低限の言葉で返事をした。
 おとなしそうな、感じの良い子。でも、なんだか壁のありそうな子。
 そんな第一印象だった。

 入学して一年が過ぎ、進級しても彼女の壁は取り払われることはなかったらしい。クラスの中、もしくはクラスをこえて形成されてゆく様々なグループのいずれにも彼女は属していなかった。彼女はいつもひとりで本を読んでいた。
 幸い、えげつないいじめなどを仕掛けるクラスメイトがいなかったので彼女がいじめにあっていたとかそういうことはないと思う。ただ、孤立しているという意味では軽いいじめにあっていたようにも見える。もっとも、周囲が能動的に彼女を仲間はずれにしていたというよりは彼女自身がひとりでいることを好んでいたことは明らかで、結果的に誰からも誘われなくなったというのが実のところではないか。もしかしたらあまりに異質だから不気味に思っているクラスメイトもいたかもしれない。

 紗莉はどちらかといえば友達の多い方だ。誰とでもすぐにある程度仲良くなる自信はある。
 だから、あえて彼女にチャレンジしたのかもしれない。
 お弁当を一緒に食べようと誘うととりあえず同席はするけれど会話に進んで参加することはなかった。放課後にドーナツ・ショップで友達とお喋りして帰る時に誘ってみたり、休日にショッピングに行こうと誘ってみたり、色んな手を使ってみたけれど、彼女の壁を取り払うことは出来なかった。
 あの娘、おとなしそうな顔をしているけど内心私たちを見下してバカにしてるんじゃないか。
 ふと、そんな風に感じたこともある。しかしもしそうだとしても、一糸ほどにもそれを表に見せないのが彼女なのだ。

 何故あの娘はあんな風でいられるんだろう。
 彼女の孤立は、気高くさえ見えた。
 学校には他に、力んでつっぱって孤立している娘だっている。彼女はそのどれとも違って、あくまで自然で、やわらかい。
 何色にでも染まるただの白ではなく、何色も寄せ付けない黒でもなく、どんな色にも混じらない不思議な純白のような。

 そもそも、彼女は学校以外の場所でもいつもああなんだろうか。

 気になりだしたら止まらない。ある日、いつもの友達が今日もどこかのカフェでお茶して帰ろうと相談している中用事があるからと慌てて抜け出した。紗莉は放課後学校を出た彼女をひとりで尾行し始める。気分は探偵である。
 学校の前のバス停からバスに乗る。同じ制服の少女たちに紛れて少し離れて乗ったので、バスに乗るなり本を開いて読み始めた彼女は紗莉に気付くことはなかった。
 いつもなら紗莉がこのバスを降りるのはこの先の鉄道駅で、そこから電車で2駅行くのが紗莉の通学ルートである。が、彼女は駅前の停留所よりもひとつ前でバスを降りた。慌ててそれを追う。ここで降りる生徒はさほどいなくて、尾行がばれてしまうのではないかと思ったけれど彼女の眼はまっすぐ目的地に向かっているらしく、やはり紗莉は気付かれることはなかった。
 彼女の目的地は、市立図書館だった。
 なるほど、彼女はいつもいつも本を携えている。しかし学校の図書室は──紗莉は利用したことは実のところ無かったのだが──たいした蔵書は無いのだという。多分物足りなくて、この街で一番大きな図書館に通っているのだろう。
 意外性の無い行く先に少し失望したけれど、彼女を追って図書館へ入ってゆく。
 彼女はカウンターで借りていた本を返却し、書架の並んだインクくさいホールへ向かって行った。
 距離を置きながら、見失わないようにそれを追う。
 彼女は一時間ほど、迷路のような書架の合間をくるくると縫って並んだ本の背表紙を眺めては一冊抜き出してぱらぱらと何ページか目を通してから戻す、を繰り返していた。
 時折自分も全く興味のない本を抜き出しては同じように内容を確認しているふりをして彼女の様子を伺う。
 本を選んでいる彼女の横顔は、絵画のようだ。
 よっぽど本が好きなんだな。
 学校にいて、どの授業もどの委員や係の仕事も、彼女が嫌々やっているような素振りは見たことがない。その代わり、何かを嬉々としてやっているところも見たことがなかった。確かにずっと何かの本を読んではいたけれど、ここまで本好きだったとは。
 今まで学校では見ることの出来なかった彼女の内面のごく一部がちらりと垣間見えた気がする。

 やがて彼女は文学作品の書架から一冊の本を選び取り、カウンターへ向かった。
 通学の途中で寄れるからか借りる時は一冊ずつ借りてゆくのだろう。もっとも、もし紗莉がその厚さの本を借りたとしたらたった一冊であれ返却期限までに読み終える自信はない。同じ厚みでも漫画なら一晩で読んでしまうのに。

 カウンターで彼女は借りる本とは別に何かの用紙を渡されてそれに記入をし始めた。
 記入しながら、カウンターの中にいる眼鏡の男と何か会話している。合間に時折顔をあげ、くすくすと声を立てて笑った。
───あの娘、あんな笑い方するんだ。
 何故か、胸がどきどきした。
 学校での彼女とは違う少女がそこにいる。

 書類を書き終えると彼女はそれをカウンターの上で滑らせて、司書に渡した。男はそれをつまみあげて点検するように目を通し、カウンター越しにそっと彼女の顔に自分の顔を近づける。
 まるで、突然ラブシーンでも見せられているようにどぎまぎして紗莉は息を止めてしまった。
 男が、彼女にキスを───するわけはなく、何事か耳打ちしている。
 けれどそれはまるでデートの約束でもしているように楽しげだった。

「───丸山さん?」

 彼女が紗理の方を振り返り、少し驚いたように声を上げた。細くて綺麗な声。
 カウンターでの彼女と男のやりとりを見ていてうっかり姿を隠すことを忘れていた。とうとう、尾行は気付かれてしまったのだ。彼女は学校での彼女と同じやわらかい微笑みで小さく手を振った。

 あ、また仮面被っちゃった。

 何故かがっかりしながら、カウンターの彼女へ近づく。
「何か借りるの?」
 にっこりと微笑みながら首を傾げる。紗莉の手にはなにもない。まるで、本を選ぶ目的でここへ来たわけではないことを見透かされたような気がして背中に冷や汗が滲んだ。
「うん、もう受験のこととか考えなきゃいけないでしょ。何か本でも読んだ方がいいかなと思ったんだけどほらあたし、本とか全然わかんなくてさ。多すぎてどれ読めばいいかぐっちゃぐちゃ」
 適当に言ったわりにはうまい言い訳だと思った。
「だったら、木崎さんに相談すればいいわ。何を読んだらいいかすごくいいアドバイスを下さるから」
 彼女はそう言ってカウンターの中の眼鏡の男にいたずらっぽい視線を投げた。
「同じクラスの丸山さん。とても活発で明るくて親切なの」
 あ、それ、あたしのこと?
 紗莉は彼女が木崎と呼ばれた男に自分を紹介しているのだと気付くのに数秒要した。彼女は自分をそういう風に思っていたのか。
 木崎はへえ、と小さく言うと微笑んでよろしく、何でも聞いてくださいと続けた。
 あれ、この人、よく見たらけっこうかっこいい。若いし。
 彼女を尾行してきたというのに、そっちに目が行ってしまった自分が何故か恥ずかしくなって紗莉は少し口を尖らせ、小さく頭を頷かせた。どうも、の代わりである。
「あ、いけない。わたし帰らなきゃ。丸山さん、ごゆっくり。木崎さん、あの本のこと、よろしくお願いします」
 彼女は腕時計を見ると慌てて借りた本を鞄にしまうと何度か会釈をして図書館を駆け出していった。あんな風に慌てている彼女もあまり学校で見ることはない。
 
「──彼女、ほんと本好きだよね」
 木崎の声に我に帰った。
「そうみたいですね。そんなにここ通ってるんですか、穂積さん」
「うん、ほぼ毎日ね。毎日一冊ずつ借りて一日で読んで返しに来るみたいな感じ。ここでそんなに雑談は出来ないけど、読んだ本の話とかし始めるともう止まらないみたいだ。まあ僕も人のこと言えないけどね」
 木崎は彼女の出ていった自動扉を、まだその姿が見えるかのように見つめた。その木崎の眼鏡の奥の瞳を見つめる。

 このひと、彼女のことを好きなのかな。

 でも彼女が彼氏を作るとか、なんというか恋愛するとか、そういう想像が出来ない。
 そういう、あたしたちくらいの女の子があたりまえにやっている恋の話とか、そういうのに絶対乗らなそうだもん。
 もったいない。このひと、すごくかっこいいのに。眼鏡も似合ってるし。あたしなら──
「あの、あたしほんとにろくに本とか読んだこと無いんです。初心者向けで面白い本とかあったら教えて下さい」
 本を読む気などさらさら無かったけれど、紗莉は自分の作る表情の中で一番可愛いと思っている顔を作って、笑った。


「『ゆうりちゃん』、今日帰りにカラオケ行かない?」
 彼女はびっくりしたように肩を震わせて振り返った。紗莉はこれまで一度も彼女を下の名前で呼んだことなどない。
「いえ、あの、わたし」
 戸惑っているらしい彼女の肩を掴んで引き寄せ、耳元でひそひそ話をする。
「今日、キザッキー休館日でお休みなんだって。たまにはカラオケでも行こうよって昨日盛り上がっちゃってさ。ゆうりちゃんも誘おうよってことになったの」
 あの図書館への尾行から一週間。
 紗莉は彼女と時間をずらして図書館に通っていた。アドバイスされた本が毎日読めたわけではない。ちょっと読んでは、これはどういう意味なのか、どういうつもりで作者は書いているのかなど、正直言ってどうでもいい質問を木崎にぶつけるためにである。
 おかげで、たった一週間で本以外の雑談も出来るようになった。もっとも、あのカウンターで延々と雑談なんかしていては紗莉どころか木崎もお目玉を食らってしまう。相談するふりをして、座談室に連れ込むのである。
 最初の印象では木崎は彼女のことを好きなのかしらと思ったが、こう話してみると別にそうでもなく、思ったほどオタクっぽくもなく、馬鹿な話にも乗ってくれる。少し年上だが、話が合わないほどでもない。
「きざっきー…って…」
「ああ、木崎さん。木崎『さん』とか堅苦しいじゃん。まだ若いんだし。本人もそれでいいよって言ってたよ」
 ほんの少し、彼女の表情が曇った気がした。

 思った通りだ。
 木崎が彼女を好きなのではない。
 彼女が木崎を好きなのだ。
 彼女が恋をしているというのはまだどことなくしっくりこないが、そうだとしたら。
 好きな人を、クラスの友達に取られたら、彼女はどうするんだろう。
 決して汚れない純白に、嫉妬の染みを作ったりするんだろうか。

「誘ってくれてありがとう。でもわたし、帰らなきゃ。楽しんできて」
 寂しそうに微笑んで、彼女はそのまま手元の鞄に視線を落とした。一瞬、頭にかっと血がのぼる。
「なんなの帰る帰るって、そんなに家が厳しいの?まさか門限6時とか言わないよね?どんなお嬢さまよ」
「……」
「ゆうりちゃん、キザッキーのこと好きなんじゃないの」
 ずばり言ってやった。
 彼女は、目をまるくして息を吸い込んで、一瞬で真っ赤になった。ほら、図星じゃん。
「来なかったら、あたしが取っちゃうよ?いいの?」
「……丸山さん、木崎さんのこと、好きなの?」
 細い声をさらにか細くして彼女は言った。なんだろう、なんで腹が立つんだろう。
「悪い?キザッキー、イケてるじゃん。優しいし、面白いし」
 彼女は唇を噛むと小さく何度も頷くようにして、それから顔を上げた。
「わたし、やっぱり行けないから。木崎さんと仲良くね」
「ちょっと……!」

 なんなの、この娘。
 好きな人が、たった一週間前に知り合った同級生に取られそうなんだよ?
 何が仲良くね、よ。
 悔しくないの?
 たまには───
 ちょっとぐらい、怒ってみせたりしなよ。
 ムカつくでしょ?あたしのこと、頭にくる女だって思うでしょ?

 彼女が小走りで教室を出ていくのを、紗莉はそれ以上追うことが出来なかった。

「──穂積さん、来なかったね」
 木崎が残念そうに言う。残念そうに聴こえるのは、紗莉のフィルターのせいなのかもしれない。カラオケボックスのプラスチックのコップになみなみと注いだアイスティーをストローで一気に吸い込むと紗莉は派手に溜息をついた。
「知らない、あんな娘」
「ケンカでもしたの?」
 ケンカできたらいくらかマシだったのに。 
「あの娘がケンカするように見える?」
「見えないよねえ」
「もういいじゃん。歌おうよ」
 何曲も予約を入れたけれど、どうにもノリきれなかった。
 1時間過ぎて予約が途切れたところで、カラオケ会社の番組が流れる。会話も途切れた。
 なんだろう、この気まずさは。
「……キザッキー、キスしようか」
「紗莉ちゃん」
 木崎が少し呆れたように苦笑した。
「いいじゃん、キスくらい。それともゆうりに悪いとか思ってんの?」
 返事に困っている。
「ゆうりもゆうりだよ。自分もキザッキー好きなくせに、なんであたしとキザッキーがふたりでカラオケ行くってのに平気な顔してられんの?おかしいじゃん。あたしだったら絶対ひっぱたいてやるのに」
 頭が揺れた。木崎が手を伸ばして、紗莉の頭を撫でている。
「紗莉ちゃん、穂積さんと友達になりたいんだろ」

 え。

 ひどく意外な事を言われた気がして、紗莉は木崎の顔をまじまじと見つめた。
「『ゆうりちゃん』が本音を見せてくれなくて寂しいんだ。だから一生懸命怒らせようとしてるみたいに見えるよ」
「そんなんじゃない。あたし、キザッキーが好きなの」
「嘘だね」
 ひどい。そんな風に断定するんだ。
 本当に好きだったらどうすんの。ズタズタじゃん。
「紗莉ちゃんが好きなのは、俺じゃなくてゆうりちゃんだろ。ゆうりちゃんと本当の友達になりたいって思ってるんだ。だったら」
 木崎は立ち上がって、紗莉の鞄を手に取り、紗莉の膝に投げ落とした。
「こんなとこで俺とつまんないカラオケやってる場合じゃないだろ。行っといで」

 何よ、行っといでって。
 あたし、ゆうりの家なんて知らないもん。
 あの娘ケータイも持ってないんだよ。
 そう言うと木崎は魔法使いのように自分の手帳からメモを取り出した。
「本当はこれ絶対やっちゃダメなんだけど、彼女の住所教えて欲しい?俺が教えたってバラすなよ」
 何故木崎がゆうりの住所を知っているか、今は追及している余裕はない。
 住所の書いたメモに木崎はさらさらと簡単な地図を書いた。このカラオケボックスから近い海沿いの、ファミレスのある並び。あのファミレスなら行ったことがある。多分徒歩10分くらいで行けるはずだ。
「もう暗いし、送ろうか?」
「……いい。まだ夕方だから平気」 

 おかしいな。
 確かあたし、今日はキザッキーを落とす気で来たはずなのに。
 なんでそのキザッキーを置いて、カラオケボックス飛び出して、彼女の家に走って行こうとしてるんだろう。
 あたしが突然行ったら彼女、どんな顔をするんだろう。
 行ったって、会えたって、彼女が本音を見せてくれるとは限らないのに。



 波の音がする。
「紗莉ちゃん、ワインの追加です。お待たせしました」
 細い綺麗な声に振り返った。
 海に面したバルコニーは鉢植えの花であふれている。デッキテーブルの上に、ワインのデキャンタと、チーズとクラッカーを乗せた小皿が並ぶ。
「ねえ見なよ、もうすぐ月が海に沈みそう」
「もうそんな時間?疲れてるんでしょ、もう寝たら?」
「いいの、どうせ時差ボケだし。それともゆうりが眠い?」
 ゆうりは大丈夫よ、とくすくすと笑って腰を下ろした。
「作家は夜行性動物だもんね。夜は強いよね」
 海沿いのゆうりの家は今はゆうりがひとりで住んでいる。二年ばかり前までは祖母と二人暮らしだったが、祖母は本人の希望もあり介護老人ホームへ移った。
 紗莉が初めてここを訪ねたあの夜からかれこれ10年。今では海外でばりばり仕事している紗莉は帰国するとこの家に滞在することが多い。
「で、キザッキーとは結婚しないの?」
 ワインでほろ酔いの紗莉はからかうように言った。
 結局、あのあと何年かしてからゆうりは木崎と付き合うようになっていた筈だ。ただし、その顛末は決して話してくれない。本音を見せないのではなく、ゆうりはそういう話をするのが恥ずかしくて苦手なだけだ。今なら紗莉にもそれがよく判っている。別れたという話は聞かないが、結婚するという話も一度も聞いたことがない。
「さあ、どうかしら。彼は時々糸の切れた凧みたいにどこかへ行ってしまうから、夫にするには向いていないかもしれないわね」

 ゆうりは海の向こうの月に視線を投げた。

「よしよし。もうあんなの放っといちゃえ。いざとなったらあたしが面倒みてやる。ゆうりはあたしの嫁になればいいよ」
 グラスのワインを呷るとテーブルに両腕をだらりと伸ばし、つっぷす。酔っ払う境界線を越えたようだ。途端に眠気が襲う。
「あのね」
 月を見つめていたゆうりがなあに、と振り返る。

「ゆうり、大好き」

 そのまま目を閉じると、気持ちいい眠りが訪れた。
 ゆうりがどんな顔をしたか、確認することは出来なかった。




禁無断複製・転載 (c)Senka.Yamashina

これは「恋愛お題ったー」で出題されたキーワードを元に即興で創作したお話です。
テーマ:ヤマシナセンカさんは、「深夜の海辺」で登場人物が「嘘をつく」、「瞳」という単語を使ったお話を考えて下さい。

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