ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ソウゾウヲコエテ。

2013-10-02 23:18:32 | Weblog

僕らは・・・特に僕は、つい自分の想像力を過信してしまう。それが短所だ。
僕らは・・・特に僕は、つい自分の判断力を過信してしまう。それも短所だ。

自分の目で見るまでは、何も分かるはずもないのに・・・自分の目で見たモノのことしか分からないはずなのに。

僕らは・・・特に僕は、なんでも分かっている振りをするのが得意なんだ。それこそが短所だ。

二十歳の頃よりは、少しモノを知ったような気がするが・・・。二十歳の頃よりは遥かに、自分の想像力と判断力を頼りに生きてしまっているような気がする。

この足は、この目は、この耳は・・・この心は。
自分の想像を超えるモノに出会うために。

行きたかった場所がある。

白い道は、ただの白い道で。想像を超える、ただの白い道だった。

僕はただ、それが嬉しい。

ホラネ。

2013-10-02 23:04:00 | Weblog

白い貝殻を敷き詰めたダート。ほらね、貝殻はホタテ。ほらね。想像した通りだ。

あのね、想像した通りだったよ。あのね、想像した通りだったんだよ。

でもね、僕はここに来たかったんだ。
どうしてか?

僕の想像した通りの場所には、いつだって僕の想像を超えた景色が広がっているはずだからさ。

ユウビンキョクガメジルシ。

2013-10-02 22:27:41 | Weblog

郵便局が目印だ。郵便局を左へ曲がる。それをいつも見逃す。見逃した上に、白い道へ行きたかった事も忘れている。気づいた時は、もう何十キロも後方・・・そんなことの繰り返しだ。

つまり、五年越しの白い道。

郵便局を探しながらゆっくりと進む。交通量は少ない。集中して郵便局を探す。
郵便局なんてない。あったのは、郵便局左へという小さな標識。こりゃあ見逃すわ。
左へ曲がると、郵便局があった。あったあった。

郵便局の先が三つ又に別れている。一番右を行く。すぐに気づいた。この道じゃない。戻る。
三つ又に戻ってまた考える。・・・真ん中の道に、微かに白いモノが。怪しい。これは怪しい。この道だろ?

急坂を登る。しばらく行くと・・・舗装が切れた。その先は・・・

白い道だ。

イキタイバショ。

2013-10-02 22:21:18 | Weblog

行きたい場所があった。
だから・・・来た。

最北の地へは、何度か来ている。宗谷岬もノシャップ岬も稚内の街を歩く牡鹿も、宗谷丘陵のウィンドファームも最北のガソリンスタンドでくれる給油証明書とミニホタテのストラップも、稚内空港も憎きレッドバロンのライダーハウスも・・・まぁ、何度も見てる。

行きたい場所があった。
いつも、忘れて通り過ぎる場所が・・・。

「白い道」。

想像はつく。
恐らく、貝殻を敷き詰めたダート道だ。恐らく、その貝殻は始末に困ったホタテだろう。想像はつく。

だが、僕は白い道に行きたい。
だから、こんな端っこまで来たんだよ。

ヒゲンジツトシテ。

2013-10-02 20:24:33 | Weblog

今僕が、縁もゆかりも無いこの国の最北端の地にほど近い公園のベンチに寝転んでいるということを、僕はいかにも非現実的だと想っているわけだ。

こんなものは、僕の旅の一ページとしては、極々普通のことなわけで、きっと昨日も一昨日もその前の日も、こんな感じだったのかもしれない。ややもすると、当たり前の日常の中の一コマだと思いかねない。

がしかし、これは、完全に、完璧に、ウルトラスーパースペシャルな非現実世界なのである。非日常なのである。

だって今僕は、稚内にいるのだよ?稚内のベンチで寝転んでいるのだよ?
一瞬自分に問うてしまうよ。なんで?って。なんで稚内のベンチ?って。

いや、いいんだ。何を言いたいのか?なんて聞かないでくれ。
ただ僕は、非現実が好きって話をしたいのかもしれないし、いや、もっと深い話をしたいのかもしれない。
現実にしばしのサヨナラをしてさすらう吟遊詩人を気取っているのかもしれないし、ただホームレスに憧れている廃屋マニアなのかもしれない。
いや、どれも違う気がするな。・・・。

あぁ、きっと、君に、「元気ですか?」って問いかけたかったんだ。
一番遠く離れた場所から、「元気ですか?」って、問いかけたかったんだ。

稚内のベンチより。
非現実と現実が混在する僕の世界には・・・少し冷たい風が吹いているよ。

イヤニナッタヨ。

2013-10-02 20:12:43 | Weblog

お風呂の準備をして、荷物を持って、チャップスを履いて、エンジンをかけて、走り始めて、キャンプ場の山を下り始めて、鹿と遭遇して・・・

面倒になって止めた。

別に三日くらい風呂に入らなくても死にはしないじゃないか。ねぇ?
だって、往復17キロもあるんだもん。
だって、面倒になっちゃったんだもん。

戻って、革ジャンを枕に、ベンチに寝転んで「祈りの花」を聴く。
暗闇を流れる雲を眺める。雲の隙間に星が見える。眼下には稚内の街の夜景が見える。
いいじゃないか、これで。温泉のために生きているわけじゃない。僕は、寝転ぶために生きているのだ。

祈りの花を聴きながら、先日届いたメールのことを思い出した。抜粋してここに載せさせていただく。なぜなら、嬉しかったから。


『カンタ!ティモール観ました!とても面白かったです!
この平和な世界で本当にこんなに残酷な事が行われているのか、とゆー生々しい現実を突き付けられて、しかも日本が虐殺側に加担していたとゆー事を知り、申し訳ない気持ちになりへこみましたが、そんな状況にも負けないで笑って唄う心の豊かな東ティモールの人達に感動するドキュメント映画でした。
映画に出てくるアレックスはとてもいい顔して唄っていてシングさんのようでしたよ。
新宿の上映会を逃してしまったので調べて日比谷に行って来ました。
面白い映画を教えて下さりありがとうございました。』


この世界は、ちゃんと繋がってるじゃないか。
まだまだ捨てたもんじゃないじゃないか、この世界は。

あぁ、星が綺麗だな。

シンリンコウエン。

2013-10-02 17:03:00 | Weblog

稚内森林公園キャンプ場。
ノシャップ岬で買い物をして、早々とチェックイン。チェックインとは、キャンプ場に来て、誰かしらに「こんにちは」と言うこと。

今晩は雨になるようなので、用意周到、テントの上にタープを被せた。これで、明日の撤収も楽々。の、はず。

さぁ、ご飯の準備をしよう。ご飯を食べたらお風呂へ行こう。

今日は、そんな感じ。

ノシャップ。

2013-10-02 15:13:42 | Weblog

ノシャップ岬。稚内の街中を抜けて。

うん、いつ来ても、なんてことない場所なんだ。
人、居ないし。最北端でもないし。なんてことないし。

でもきっと、夕陽はとてつもなく綺麗なんだろうなぁ、ここ。

ノースオブモースト。

2013-10-02 13:21:29 | Weblog

最北端、宗谷岬到着。
始めて来た時の感激は、今でもしっかり覚えている。
今?
もう何度も来たから、ニヤッとするくらいかな。
お土産屋で最北端ステッカーを買った。ジムニーに貼ろう。

それはそうと、開陽台で買ったステッカーをどこにしまったか忘れた。見つからない。あぁぁ、どこへいっちゃったのかなぁ。
最北端にて、そんなことを想う僕なのである。

ちなみに、今日は曇り空なので、サハリンは見えないよ。

クッチャロノメイゲン。

2013-10-02 09:10:28 | Weblog

穏やかな朝。雲間から薄日が射すような、射さないような。暖かい。

クッチャロ湖の湖面は風にさざめくことなく空を映している。

キャンピングカーのおじさんと話をしていたら、出発が遅くなった。
遅くなったからといって、なんてことはない。
なかなか強者のおじさんだった。北海道の隅から隅まで走りたいのだと言う。ダートから何から、道という道を走っているのだという。・・・そんな人、会ったことない。五月から半年間。

北海道にあるすべてのキャンプ場を泊まったり見て回ったりしたと言う。400カ所以上のキャンプ場すべてを。そんな人会ったことない。

おじさんは言う。

「若い時にやらなきゃダメだ。歳取って、目も悪くなって、足腰も言うこと聞かなくなってからやったって仕方ないんだよ。なんでも、若い時にやらなきゃダメなんだよ。出来る時にやらなきゃダメなんだよ」

さぁ、出発だ。若い時にやらなきゃダメなんだよ。