
前田真三の写真だよ。おれのじゃないよ。プロのだよ、プロの。
富良野がなぜ有名かっていうと、やっぱり、倉本聰の「北の国から」の舞台になったから。
「北の国から」を知らない人からしたら、なんでこんな何もないところに人が集まるのか・・・わけわかんないっすよね?ってことになる。
確かに、北の国からの舞台が夕張だったら・・・夕張は破綻しなかったかもしれない、とも思えなくもない。北の国からの舞台が歌志内だったら・・・歌志内の人口が市なのに8000人なんて事態にはなっていないのかもしれない。
僕は富良野ファンなので、北の国からがなくても、富良野って素晴らしい!とか思っちゃったりするのだけれど・・・実際北の国からファンだし、倉本聰ファンだし、富良野の名所って北の国から繋がりの所が多いし、北の国から関連で人が集まるから出来た施設が多いわけで・・・。そうなるともう、北の国からがなければ云々っていうのは、否定しようがない事実なわけで・・・。
「父さん・・・僕は富良野否定派の人たちに負けてしまいそうで・・・ドキドキしていた・・・」になってしまうのです。
富良野と美瑛は隣町。
富良野市と美瑛町。美瑛は富良野よりだいぶ小さな町だ。富良野と美瑛の観光はセットになっていることが多い。隣町だから。
美瑛が観光で栄えているのも、北の国から効果で富良野に人が集まるから・・・そのついでに、と言えなくもない、と思えなくもない。
考えてみると・・・富良野って・・・何もない。なさすぎる。その、何もなさが良かったりする。いや、その何もなさがいいのだ。
対して美瑛。美瑛には・・・丘がある。唯一無二の・・・丘があるのだ。
あっちに行っても、こっちに行っても、丘がある。丘しかない。どこへ行っても丘だ。
丘に花が咲き、丘に作物が成り、丘に樹が生え、丘が景色を作る。そして、そこに四季がある。
がしかし、言っても普通っちゃ普通の風景だ。作物が成る丘なんて、日常の風景以外の何ものでもない。言ってみれば、普通の場所なのだ。10万円も20万円も出して観光に来る場所とも思えない。何しろ、北海道の真ん真ん中の不便な場所なのだ。
そのなんてことのない日常の風景を、なんてことのない普通である不便な場所の名を全国に轟かせたのが、写真家前田真三。前田真三の写真・・・なのであると言っても過言ではない、のである。
続く。