まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

Contrarian’s Strategy for Ad Business (English Version)

2020-11-13 18:12:54 | 広告

Requested by a Japanese corporation in Singapore, I have been making a research on advertising media trends by country in Asia. I have completed the reporting of the Singapore part already. After combining various data, statistics and researches from various sources, I found the PowerPoint presentation got over 130 pages for only the Singapore section.

The client was very happy with the report, saying such a comprehensive information covering all the range of advertising trends, newspaper, magazine, TV, radio, OOH, and digital advertising. This has been resulted from the full use of networks and all kinds of usable information sources.

This report even covers the costing of one full-page full-color ad on the newspaper, Straits Times, for example, a TV spot price of Channel NewsAsia, buss advertising, taxi advertising, etc.

There was one thing that I found while I was making this report. That is, even though the digital advertising is growing in the advertising industry, this does not mean that digital advertising is almighty. The traditional advertising media must have a value that cannot be achieved by digital advertising and so it is not good to discard traditional advertising simply because they are outdated.

I have been in the advertising industry for a couple of decades, witnessing the constant growth of digital advertising. Traditional advertising has become old fashioned. Most emerging agencies were focusing on digital businesses and the digital experts looked like they represent the entire advertising industry. I felt that those people who were doing traditional advertising are becoming obsolete as time goes by.

Digital advertising can clearly focus on the target audience precisely, the results can be easily predicted, the efficiency can be calculated scientifically. The budget can be utilized without lots of wastage and the cost performance is very good. Unlimited number of benefits! This is why both clients and agency people get attracted to digital advertising.

According to the worldwide ad industry data in 2019 by Dentsu Aegis Group, the average percentage of digital advertising in the whole advertising expenses in Asia Pacific is 45.9%. China has the highest percentage in the region, which is 59.8%, followed by Australia: 50.5%; New Zealand: 45.4%; Hong Kong: 41.2%; Taiwan: 39.8%; South Korea: 39.3%; Japan: 34.9%. It is 28.4% in Singapore and other countries in the region has more shares on traditional advertising. The USA has 34% and the UK has 61.3%.

Newspapers and magazines have decreased their circulations and some magazines stopped their business. Televisions are also suffering from the decrease of audience. Traditional advertising media look like endangered species.
Working in the advertising industry for a long time, I always had a uncomfortable feeling against the trend of digital advertising. Maybe just crying sour grapes, but I had a feeling that digital people could not understand the essence of advertising. I myself was trained in the industry, originally as creative director. Since the agency was small, I had a chance to do everything related to advertising including media planning and production. Thanks to that background, I can now have the bird’s-eye view of the advertising industry.

While doing the research, I thought that there might be someone who had the same kind of doubt against digital advertising and I tried to find any hint of data or comments. Finally I found Nielsen’s research titled “Global Trust in Advertising 2015”. It is a global research by asking which type of adverting media the audience feel the trust most. I was impressed to find the graph that the traditional advertising was more trusted than digital advertising. The trend is more obvious in the Asia Pacific but the more or less the similar results in most of the countries. This trend is common throughout the whole age groups. I was interested to find that millennials trust any type of advertising more than other generations.

Also I found another research data conducted by an organization named MarketingSherpa in the USA in 2017. According to this research, the print ad is the most trusted, followed by TV, radio and OOH. Digital advertising was in the lower rank.

If it is only one research data, the credibility may be low but there are a couple of researches that show the same trends equally, which means that this may be true.

I am now in Singapore, doing advertising business for the Asia Pacific region. The number of professionals who have the know-how of traditional advertising is getting fewer. It needs some knowledge and experience to handle newspaper and TV advertising. Since young advertising people may not be interested in such old media, the traditional media look like fading out eventually.

If the theory of trust as in the research I found is verified and traditional advertising regains its importance, then the professional like me may be revaluated as a scarcity value. The area once discarded may become “blue ocean” some day. I felt so during preparing the report.

If you are interested in more details about the data, please contact the address in the website below:
http://www.wings2fly.co
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

逆張りの広告ビジネス

2020-11-13 10:40:01 | 広告

シンガポールにある某日本企業の依頼で、アジアの広告メディアの状況を調査し、国別のレポートを作成しています。シンガポールのレポートは完成し、クライアントへの報告はすでに終了。様々なデータや調査資料を組み合わせて、まとめていたら、シンガポールだけでパワーポイントで130ページ以上になりました。

広告ビジネスの傾向から、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、屋外広告、デジタルまで全体を網羅してある資料は類をみない、とクライアントに評価されました。かつて繋がりのあったネットワークをフル活用し、様々な情報ソースをあたって情報を集めた結果です。

20年くらい前にインドの広告事情を日本語でまとめたことがあったので、その時の経験が役にたちました。シンガポールで、例えばストレーツ・タイムズという新聞にフルページ・フルカラーで広告を一回出したらいくらくらいになるのか、Channel NewsAsiaというチャンネルで30秒スポットを入れたらいくらくらいになるのか、バス広告はいくらくらいでできるのか、タクシーはどうかなど、最新の具体的な金額まで調べたので、貴重な資料になったと思います。

この資料を作成している中で、一つの新たな発見がありました。このブログでは、そのことについて書いてみたいと思います。それは、デジタル広告の広告費が年々増えているのですが、だからと言って、デジタル広告を万能と思うのは違うんじゃないかということです。新聞、雑誌、テレビなど、従来の広告媒体には、デジタルでは敵わない価値があるのではないかということ。従って、従来の媒体を簡単に切り捨ててはいけないということでした。

私は、広告業界で数十年仕事をしてきました。年々、デジタル広告が増えていくに従って、従来の広告は、古く、時代遅れだという風潮が強くなっていきました。急成長してきた広告代理店は、どこもデジタル広告を主力として、デジタルに精通した人間ばかりが、肩で風を切って歩くようになり、従来広告に携わっていた人間は時代に淘汰されていくような寂しさを感じていました。

デジタル広告は、ターゲットを明確に特定でき、結果が把握しやすいので、広告効果をきちんと検証できる。予算投下の無駄が少なく、予算を効率的に使用できる。費用対効果が非常によい。メリットをあげていけばキリがありません。だから、クライアントも、広告代理店もデジタル広告に魅力を感じるのです。

電通イージスグループの2019年の調査資料で、全広告費に対するデジタル広告の比率を国別に計算してあるデータがあります。アジアパシフィックの2018年度の平均は45.9%。アジアパシフィックの中で一番デジタル広告比率が高いのは中国で、59.8%。オーストラリアが50.5%、ニュージーランドが45.4%、香港が41.2%、台湾が39.8%、韓国が39.3%、日本が34.9%です。シンガポールは28.4%ですが、他のアジア諸国はまだ従来メディアの比率が高くなっています。ちなみにアメリカ合衆国は34%、英国は61.3%です。

新聞や雑誌の印刷媒体は部数を減らし、雑誌などは廃刊したりするところも多く、テレビは視聴者のテレビ離れが進行しています。統計を見ていると、従来メディアは滅びるだけのように見えてしまいます。

しかし、そんな中で、私はずっと違和感を感じていました。負け惜しみなのかもしれないとも思ったのですが、デジタル広告の仕事もやりながら、何か気持ちの整理ができないでいました。同時に、デジタルしかわからない人間に広告ビジネスの本質が理解できるのだろうかという疑念もありました。私は、もともとはクリエイティブ出身で、媒体の専門ではなかったのですが、小さな会社だったので、何でもやらなければならなかったのです。そんな境遇のおかげで、広告ビジネスを俯瞰的な視点で眺められるようになりました。

今回、このレポートを作成するにあたって、ひょっとして、デジタル広告に対しての疑念を示している資料もあるのではないかと思い、ネットを探し回ってみました。そうしたら、そういうデータが出てきたのです。

2015年のニールセンの調査データが見つかりました。”Global Trust in Advertising 2015”という調査です。どの広告媒体の広告を信頼するかという世界数カ国での調査ですが、これによると、従来メディアに掲載された広告の信頼度が、デジタル広告のそれを凌いでいるという結果が出ています。アジアではさらにその数値が高く、年齢別に見ても、ほぼ全年齢層で同じような傾向が出ています。意外なことに、ミレニアル世代が他の世代よりも広告に対しての信頼が高いということも出ていました。

さらに、2017年にMarketingSherpaという団体が北米で行なった調査資料も出てきました。それによるとプリント広告の信頼度が最も高く、テレビ、ラジオ、屋外広告と続き、デジタル広告は下位になっていました。

広告する商品のジャンルにもよるでしょうが、従来タイプの広告媒体を使った広告のほうが、デジタル広告よりも信頼性という意味では評価が高いというのがわかります。この調査自体に対する評価はわかりませんが、複数の調査が同じような傾向を示しているので、無視するわけにはいかないのではないかと思います。

私は今、シンガポールを拠点に、アジア各国を対象にした広告代理店をしています。デジタル全盛の世の中で、新聞や雑誌、テレビなど従来型の広告のノウハウを持った人材は、ほとんどいなくなってしまいました。新聞やテレビなどは、それなりの知識と経験を必要とします。若手広告マンが、あえてそのような旧媒体を志向することもないので、今後は業界のノウハウとしてフェイドアウトしていくことでしょう。

そうすると、もし広告の信頼性に関する調査の正しさが立証され、従来型の広告の復権があるのだとしたら、私のような存在は希少価値となる可能性があります。一見時代遅れの分野が、ある日、気がついたらブルーオーシャンになっているかもしれない。そんなことをレポートを準備する中で感じたのでした。

この記事の中でご紹介した調査データ等、興味のある方は、以下のウェブサイトにある連絡先にメールください。
www.wings2fly.co
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2020年のディワリのコマーシャル

2020-11-11 18:31:57 | インド

インド人にとって最も大切なお祭りであるディワリがやってきます。シンガポールではディパバリと言っていますが、同じものですね。ヒンドゥー暦の中の特定の新月がディワリになるので、毎年日にちが異なり、2020年は11月14日の土曜日になります。光のフェスティバルとも言われ、ディヤという陶器のオイルランプに明かりを灯し、花火をあげたりして祝います。クリスマスと同じように、プレゼント交換をしたりもするのですが、年間で最も耐久消費財が売れるのがこの時期です。通常、この時期に合わせて多くのコマーシャルが作られるのですが、今年はコロナもあり、時代を反映した表現も多くみられます。そんな今年のディワリに向けたコマーシャルをいくつかご紹介したいと思います。

まずはスマホのVIVOのコマーシャル。働き詰めのお父さんが家に帰ってきますが、息子が楽しみにしていたディワリのプレゼントがありません。プレゼントをもらえなかったことで、息子は落ち込み、友達とも会おうとしません。しかし友達は、動画で、みんなが揃うことの大切さをアピールする動画を作り、スマホで送ります。そして気をとりなおした息子は、友情を取り戻し、父親からのプレゼントももらうというストーリー。

VIVO


ディワリのプレゼントというのはそれほどまでに大切なものなんですね。

次はスマホのOPPO。これは山岳地区のお話ですが、貧しい家の少年が、たまたま拾った花火を大切に鉛筆ケースに入れて隠し持っています。それをなくしてしまうことでショックを受けるのですが、先生が彼に贈ったプレゼントが鉛筆ケースいっぱいの花火。みんなで楽しくディワリを花火で祝うという話です。

OPPO
Be the light to spread the light



光を広めるための光であれ、というキャッチフレーズがいいですね。先生がもらったスマホの箱にも書いてあります。


次はJKセメントという会社のコマーシャルですが、病院勤務で、家に帰って家族と一緒にディワリを祝えない女性医師の話です。その日、一人の患者の男性が、病気を克服して退院していきます。たまたま、女性医師の家庭の状況を知り、男性は、その女性医師の娘からのビデオメッセージを流してディワリを祝うという作品。

JK Cement


セメントの会社なのですが、医療従事者に感謝を捧げというメッセージになっています。

次の作品も病院の女医のお話。病院に泊まり込みで、家に帰れない女性医師。家に電話しますが心配しなくていいという返事。iD’s Fresh Foodsの製品があるから、食事には全く困らないので、安心して仕事をしてという家族からのメッセージ。こちらも医療従事者に感謝をするというコマーシャルになっています。

iD’s Fresh Foods


つぎはサムスンの家電のコマーシャル。エアコンから、冷蔵庫から、調理器具からオンパレードで白物家電が出てくるのですが、典型的なディワリの風景が登場します。

Samsung Home Festival Home


子供が食べている丸いお菓子はラドゥーというやつですね。

そして最後は、センソダインという歯磨きのコマーシャル。ベテランの婦人が、お菓子の作り方をオンラインでレクチャーしています。甘そうなお菓子なのですが、この歯磨きで磨けば、知覚過敏などの問題も防げるというメッセージですね。

Sensodyne


ここに登場している丸い揚げ菓子ですが、これもジャレビーというお菓子なんですかね?ジャレビーとは薄力粉を水でこねてラードで渦巻き状に揚げたものなのですが、こういう円盤状のものもあるんですかね?

ということで、ディワリの雰囲気を味わっていただけましたでしょうか?
Happy Diwali!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする