まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

香港のSOHOでの朝食

2012-01-30 01:42:00 | 香港

香港での楽しみの一つは朝食です。
香港に住んでいた頃から、香港島のSOHO
によく朝食を食べに行ったものでした。
今回、久々に、Lifeというオーガニックの
お店に行ってみました。

ヒルサイド・エスカレーターで上に登って
いく途中のエルギン・ストリートの手前に
あるお店です。入ってすぐは、食材などを
売っているお店ですが、階段を上がると
レストランになっています。以前行った時
は屋上に行けたのですが、この日は屋上は
閉まっていました。



レストランには数人いるだけで空いていま
した。隣のテーブルに女性がいたのですが、
どうやら待ち合わせのようでした。間もなく
別の女性が来たのですが、二人は日本人で
した。

私は一人で、ホテルでもらった英語の
Sunday Morning Postを読むでもなく広げ
ていたので私のことを日本人とは認識して
いないようでした。リュックの中には、
日経新聞も入っていたのですが、そっちは
決して見られてはいけないと思って、
奥深くしまっていました。

夏のニュージーランドで少し日焼けして
いるので、ひょっとしたら、私のことを
インドネシア人かフィリピン人かと思って
いるのかなと思いながらも、二人の会話が
いやおうなしに耳の中に入ってくるのでした。

年の頃は30前後(でも年齢の推定は全然
自信がありません)、どうやら二人とも
帰国子女のようです。ところどころ流暢な
英語になったりしますが、すぐに日本語に
戻ります。



この写真に写っていませんが、右の窓際に
その二人が座っています。

私はポーチドエッグとアップルジュースを
注文しました。とてもヘルシーな朝食だっ
たのですが、その時の私はそれどころでは
ありません。私は思いました。絶対に、
日本人ということがバレてはいけない、と。
まるでスパイが身分を隠して国境の尋問を
くぐり抜けるかのような心境でした。

二人の女性は、会話に熱中していき、隣に
座っているインドネシア人(かどうかわか
らないアジア人)のことなどすっかり意識
外になっているようでした。レストランの
隅に置かれている置物と同程度の存在感
になっていたのかもしれません。

二人ともオムレツのセットを食べていまし
たが、一人の女性は妊娠しているようでした。
話しはどんどんエスカレートしていき、
ちょっとここで書くのもはばかられるような
内容になっていきました。「子宮」とか
「避妊対策」とかの言葉が聞こえてきて、
その内容に赤面してしまったのですが、幸い
にも夏のニュージーランドで日焼けしていた
ので、赤面してもほとんど認識できなかった
と思われます。

最後の最後で日本人であるとわかったら
タダでは済まないと思い、お店の人に
お勘定をお願いました。へんに言葉で
頼むと、日本人であることがバレる危険
があるので、ウェイトレスに指先でサイン
をする素振りだけで、会計を指示。
テーブルでお金を払い、速やかにお店から
出て、外でゆっくり深呼吸をしたのでした。



外からそのお店の看板を見上げると、
マハトマ・ガンジーの言葉が書いてありました。
“Be the change you want to see in the world”
(この世で見てみたい変化にあなた自信がなれ)
私自身は、日本人以外の存在になったの
だからガンジーの言う”change”であったのか
と思いながら、気まずい時間を振り返りながら
複雑な思いで、坂道を下っていったのでした。

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