長月に入っても25.2℃と熱帯夜の奈良、湿度がやや改善したようで、吹く風に
秋に訪れを感じさせるが・・・空模様はまだまだ夏?
お昼過ぎには34.6℃と猛暑日一歩手前。

こう暑いと、マスクをしての散歩も大変で、出不精が頭をもたげて・・・
見かねた連れ合いに、夕方なのに33度台と暑い中、連れ出されてしまった。
実は魂胆があり、庭に咲く花が乏しく、活ける野草花を求め山に入るので
用心棒代わり、お目当ては『葛の花』でした。
山の中に入ると、生い茂り伸びているクズの葉ばかり、夕日に照らされる
蜘蛛を一枚撮ると、ピンボケ

突然連れ合いの声「あった」と・・・二茎だけ咲いています。

『クズ・葛』はマメ科クズ属のつる性の多年草で、東アジアからニューギ
ニアに自生する。荒れ地や人手の入った薮に繁茂し、種子と根茎から増殖し
、根元から刈り取っても、残った根茎からつるが再生する雑草で、除草剤に
強く根絶が難しい。
アメリカでも繁殖力の強さから侵略的外来種、世界でも侵略的外来種ワース
ト100 に指定されている。
『クズ・葛』の名前の由来は奈良県の 国栖(くず)・和紙の産地でもあるが
、葛粉の産地であったことからの命名とされ、葛の根から澱粉を取り出し、
寒晒しされた吉野葛は高級食材になる。(写真は吉野本葛・井上天極堂)

なお現在のクズの根茎の最大の産地は鹿児島県です。
またクズは香りの良い花を咲かせ、花を乾燥させて「葛花茶」として利用
される。現在脂肪を燃焼させるイソフラボンが含まれることからダイエット
用のサプリメントにも用いられているが、消費者庁は科学的根拠がないと
して警告を出している。
花言葉は、『恋の溜息』『思慮深い』のほかに
荒れた土地で育つことから『芯の強さ』『活力』『根気』『努力』
漢方薬として『治癒』
クズの花で思い出す万葉集の歌(山上憶良)、秋の七草ですね。
『萩が花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花』
*最後の朝顔は木槿(むくげ)、旋花(ひるがお)、桔梗などと説かれ
るが、「新撰字鏡」では「桔梗」を「阿佐加保」と訓むことや
他の六花は野花ばかりでキキョウと考えられる説が有力と。

帰るや否や、連れ合いはクズの花を難しいと言い時間をかけ活けていた。
