昨日の北西風で紅葉が散り始めたようで、寒々しい風景に。
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奈良町の稀豪・吉村長慶が残した石造物、最後は還暦記念で大正12年
(1923年)に建立された『佐保山普門院長慶寺』(徳融寺の末寺、
融通念仏宗)に向います。しかし拝観は一切不可で、門前にある
説教めいた言葉が刻まれた石や像を拝見することに。なお長慶は
昭和17年(1942年)享年80歳で亡くなられ、お墓はこの寺にある。
さあ一条通りから奈良総合庁舎西端からの道を北へ行くと、小さな
クランクにぶつかり、中央に昭和8年作の「長慶寺道標教示石」がある。
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その次の角に『差し指道標』があり、「長慶寺ここ北へ石段上る」と
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150mほどで石段にぶつかる。中央に石柱がたち、彫られた文章は
『是より境内地 死んだ宗教を活かす長慶寺 神佛となるは生きた人間にかぎる』
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その両脇に、狛犬阿形一対あり、山門に向って右がオス、左がメスだそうで、
東大寺南大門の中国宗代の狛犬を模されて制作され、どちらも阿形に。
写真はなく、借用しました。
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なお参道?脇に「佐保山サロン」の脇に万葉歌碑(巻19 4291 大伴家持)が。
「わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも」
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20m程先に長慶寺の石碑があり、大正12年に建立されたが、実は
天理二階堂の荒れ寺「徳稱寺」を移転し改称されている。
本堂六坪、山門と裏門、石蔵・正蔵閣、石祠があり、
破損や撤去されたのは、庫裡と客間16坪、木造祠、茶亭とされる。
現在は非公開で、辰巳旭氏の写真集「流れのなかに」?が唯一と
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こんな過激な言葉も刻まれた石碑も
『病人や信仰狂、遊山の参拝は勿論厭世迷信陋習の人も門前に
近寄る事お断り。病気は病院、遊びは公園、信仰狂いは脳病院へ』
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昭和16年、長慶さん最後の自像石碑が
寺の門前に、でもツタに囲まれて不明瞭
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門は堅く閉まったまま。手を合わせた。
『不許樂生不遜死者外入門内』
(のうのうと気楽に生きている人間、
思いあがった人間や死者は門内に入るを許さず)
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辰巳旭氏の撮影された長慶寺の写真集が発刊されている。
奈良新聞に掲載された十一尊仏と岩穴入口・信仰石を示す。
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付記)主要石造物年代目録を再度記す。
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