奈良の最低気温は9.9℃、そして黄砂と花粉が大気中に舞い霞んでいるが、日中
の最高気温は午後3時前頃に24.5℃迄上がっている。

NHKラジオ深夜便・今日の誕生日の花は「レンギョウ・連翹」
英語でゴールデンベルと呼ばれ、春になると葉の展開前に、前年い伸びた枝葉
の脇一面に鈴のような黄色い花を鮮やかに咲かせ、春の到来を知らせる。
原産は中国、朝鮮半島と日本、現在レンギョウの大部分は移入種、日本在来種
は2種のみで花は少ない。ヤマトレンギョウも絶滅危惧種となる。
モクセイ科の落葉低木、中国から薬用植物として 平安時代初期あるいは江戸
時代1682年前後に渡来したと考えられている。
中国では実から煎じた生薬名として「連翹や黄寿丹」と呼ばれる。
古名は「イタチグサ・鼬草」、「イ」は置き字「タチグサ」は真直ぐ伸びる意
またの古名「イタチハゼ・鼬黄櫨 」は樹皮が黄櫨に似ているためでという。
奈良時代733年の編纂『出雲国風土記』に2郡の産物「連翹(いたちぐさ)」
の名が記され、また平安初期の『延喜式』にも雑薬として宮廷に献上された
記載がある。
標準和名はトモエソウの漢名「連翹」が誤用され、音読みしレンギョウと。
別名は茎枝が中空のことで「レンギョウウツギ・連翹空木」というらしい。
3月23日は蕾だったのが、連日の暖かさで、翌24日にはもう咲いていた。

3.24遊歩道にて
花は直径3㎝迄で、4枚の花弁があるように見えるが、根元は筒状になって
合体し、内側はオレンジ色を帯びる。
雌雄異株で雌蕊(花柱)と雄蕊の長さはほぼ同じ、
花言葉は、春に枝一杯に黄色い花を咲かせることから「達せられた希望」や
「情け深い」

昨日はコロナ禍で、人混みを避け奈良市内の遺跡巡りに勤しんでいた以来、
久しぶりに奈良県と京都府県境にある「石のカラト古墳」に。

京都側・北西から眺める
標高112mの丘陵東斜面の棚状斜面に築造された八世紀初頭の「上円下方墳」、
数少ない終末期古墳として1996年に国の史跡名勝天然記念物に指定された。
「カラト」の古墳名は、石室が唐櫃に似ることに由来し、別名カザハヒ古墳と
現在築造当時の姿を復原し、公園として整備されている。

奈良市側・南側から
盗掘されているが、1979年に平城・相楽ニュータウン建設に先立つ発掘調査
を奈良国立文化財研究所にて行われた。
下の方形部は一辺13.8m・高さ1.36m、上の円形部は、径9.2m・高さ1.55m、
高松塚古墳石室と同じ横口式石室で、間口11.15m、奥行2.6m、高さ1.2m、15枚の凝灰岩の切り石で出来る。
漆塗りの棺が納めた漆の痕跡と、金・銀の号かな副葬品の一部が出土する。
立地等から平城京遷都に関係する皇族の墓ではないかといわれている。
下段の表面に30㎝大の葺石で葺かれていたが、上段の葺石は殆ど失われていた

東側斜面から見る
近くの京都側の住宅の庭では、薄紅色のサクラの花がチラホラ咲いていた。
25日現在、福岡、大分、佐賀、松山で開花したと気象庁が発表している。

奈良では開花は28日ですので、4月2日頃は見頃になっていると思われるが、
この4月2日は彫刻家・詩人「高村光太郎」の忌日で「光太郎忌」で、別名
「連翹忌」とも呼ばれている。
光太郎はレンギョウの花をたいそう好まれたことから、告別式では柩の上に
レンギョウが一枝置かれていたほどで、そのため「連翹忌」とも呼ばれる。