全国カミキリファンの皆さん こんばんわ!(^^)
2週連続の台風上陸は正直 参りました(+_+)
先々週末の香川帰省は台風18号の接近で、1日早く岐阜に帰ってくるハメになりました。
鳴門、明石海峡大橋が通行止めにされたら、戻ってこれなくなって
しまいますからね・・・。
帰省中はそれなりに探策しましたが、成果はイマイチでした。
これはまた後日、記事にてアップしますね。
そして今回の台風19号。
最初は風速50メートル、最大瞬間風速は70メートル
と、猛烈な勢力でとても心配でしたが、本土に近づくに
つれ、勢力も徐々に弱まり、こちらに来るころには
風速30メートル、スピードも時速50キロで、アッと
いう間に通り過ぎていきました。
実家のある香川も心配でしたが、避難指示はでたものの、
大きな被害もなく、少しホッとしています。
皆さんの地域は大丈夫でしたか?
今年はもう台風はいらんですね!
コブシーズンも終わり、これからは
また材採を中心に活動します。
少々長くなりましたが、放浪記をどうぞ!
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これはあくまで、僕個人の価値観の話・・・
サブタイトルの「DRAGON & TIGER」・・・直訳すると「龍と虎」。
本土には数多のカミキリたちを押さえて頂点に君臨する2種のカミキリが存在する。
1つは頭部、前胸が黄金の微毛に縁どられ、長くスレンダーなボディ、その姿は正に「龍」。
もう1つは太くガッシリしたボディを持ち、上翅には黄色と黒の縞模様、その姿は正に「虎」。
両種ともそれぞれの族の中では「大きさ・格調・存在感」は群を抜き他の追随を許さない
正に「王」の風格!
とまぁ、少々オ-バー(いや だいぶオーバーかな笑)に書いてしまったが、
その両種とはズバリ!
「ギガン(オニホソコバネカミキリ)」と
「オオトラカミキリ」
「オニホソコバネはその学名からカミキリ屋の間では通称ギガンとかギガンティアと呼ばれる」
要するに、「龍虎」・・・互角の力を持つ両雄の例え・・・をカミキリにあてはめて
遊んでるってことですね(笑
そのトップということで「龍王」と「虎王」というワケ。
この両種、カミキリ屋なら一生に一度は出会いたい憧れのカミキリだろう。
いや、カミキリ屋ならいずれこの両種に行着くに違いない。
分布も局地的で、期間限定、おまけに一生に一度出会えるかどうか・・・となればなおさらこの手
で採ってみたい!
いろいろ調べてみると、オニホソコバネの出現時期は地域にも
よるが、だいたい6月下旬~7月中旬だそうだ。
あとは標高差などで、多少は前後するのだろうが・・・。
そして 遂にその時はきた!
今回のポイントは、事前情報で多くの採集実績のある関西の有名産地に行くことにした。
「実は去年、僕は一度ここのポイントに訪れている。当然 ギガンにはカスリもしなかった(+_+)」
「そして去年、岐阜の知り合いのムシ屋さん2人がここのポイントで2頭づつ計4頭のギガンを採集されていた!」
中部にも有名産地はあるのだが、ここは標高も高く、発生は7月中旬ごろ、それに狭いエリアに
採集者がメチャ集まるので今年はパスして、今回に賭けてみようと思う。
そして今回のギガン採集には2人のムシ屋さんが駈け付けてくださった。
1人はカミキリ屋の大先輩eichanさん、そしてもう1人は去年、アカムネハナポイント
で有名なA山で知り合ったTさんだ。
実はTさんとはナンキセダカ採集を予定していたのだが、連日の雨で危険と
判断しギガン採集に変更させていただいた。
eichanさんは過去に♀を採集済みということで、今回でペアにしたいところ、
Tさんと僕は未採集なのでどちらでもいいからとにかく生きたギガンを拝みたい!
オオトラ降臨まで約2ヶ月、その前になんとしてもギガンを押さえておきたいところ。
さて!運命の女神は誰に微笑むのか・・・では ガンバってきます!
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28日から現地入りされているTさんにお会いするべく、前日20時過ぎに岐阜を出る。
Tさんは共通の知り合いのムシ屋さんにここのポイントをいろいろ案内してもらったそうだが、
ギガンはこの日は現れなかったようだ。
そして日付が変わって深夜1時ごろ無事にTさんと合流。
ムシの話であれこれ談笑し、2時ごろ車中にて就寝・・・ZZZ
夜が明けて、早朝6時頃から探策を始める。
やはりムシ採りは先手必勝(笑、それとギガンは早朝に飛翔する個体が
多いそうだ。
ポイントはこんな感じ。
照葉樹が主体で,クスノキ科のイヌガシ、カシ類、シイ類が多く生えている。
エゴノキ、ケヤキもポツポツ見られた。
それと、ギガンは「洞ムシ」のイメージがあり、本州中部では主にクワやケヤキの洞の有無が重要になってくるが
ここでは洞の有無はあまり関係ないようで、広葉樹生木の裂け目、部分枯れがポイントとなる。
う~ん、場所が変われば、生態も多少は変わるのかな?
しばらく探策していると、eichanさんから連絡が入る。
どうやら最寄駅に着かれたようだ。そして無事に合流。
挨拶もそこそこに、それぞれ思い思いに探策。
ここのポイントはおおまかに2カ所あり、1つは林内の飛翔個体や、産卵にきた個体を
狙うポイント、もう1つは林をぬけた広場の林縁を飛翔する、ちょっとした吹上げポイントだ。
eichanさんと僕は林内ポイントに残り、Tさんは吹上げポイントで狙うとのこと。
実績のある裂けたイヌガシの御神木。
一見 立ち枯れに見えるが、これでもしっかり生きている。
この裂け目にギガンが産卵にくるらしい。
ここを拠点に辺りに飛翔個体がいないか注意して探策する。
時間を追うごとにムシ屋さんの数も増えていき、最終的に12~3人ほどはいただろうか・・・
さすが有名産地、平日でも人が多いね(汗 「土、日なら20~30人は来ているという。ギガンの魔力 恐ろしや!」
ここで若いムシ屋さん2人と知り合う。
2人とも大学生で、先輩がS君、後輩がO君といった。
なんでも連日、ギガンを採るためにこのポイントに通っているらしい。
と、その時! 吹上げポイントにいたTさんから連絡がはいる・・・
携帯に出てみると、その第一声が! 「採れましたよ~!」
え!?エ!? マジですか~!?
eichanさんも僕も急いで現場に行ってみると・・・

PHOTO & 採集 BY Tさん
「こちらは後日、すでに綺麗に展足された写真をTさんから送っていただきました(^^)」
おぉ~!! それは30ミリを優に超える立派なギガンの♂。
なんでも林縁の高い所を飛翔中をネットインしたそうだ。
う~ん、それにしてもこのオーラ、前胸を縁どる黄金の毛並、実に素晴らしい!
こうしちゃいられない! 自分も早くゲットしないと~!
2頭目が飛んでいないか林縁を見ていく・・・と、その時!
ここでeichanさんから連絡がはいる・・・
あれ?さっきまでここにいたんだけどな~、どこに行ったんだろ?
まさかね・・・こんな短時間で・・・と思いつつ恐るおそる携帯にでてみるとその第一声が・・・
「採れたよ~」
え!?エ!?え!? またまた~・・・ってマジすか!!?
どうやらeichanさんは、知らないうちに林内のポイントに戻っていたようだ。
急いで現場に戻ってみると・・・

PHOTO & 採集 BY eichanさん
例の裂けた御神木下の葉に止まっていた個体をゲットされたようだ。
これがまたデカかった! これ35ミリ 超えてるんじゃ!?
回りにいたムシ屋さんたちも集まってきて口々に「デカッ!」と驚ろいていた。
しかも♂でこのデカさはほぼマックスとのことだった。
これでeichanさんは見事にペアを揃え、Tさんもサクっと採ってしまった・・・
アッという間の出来事と、お二人の余裕とも取れる満面の笑顔に羨ましいやら悔しいやらで、
頭の中はもう真っ白・・・
ホント!こうしちゃいられない! こうなったら「鬼」になってやる!
お二人さん、待っててくださいね~、僕もサクっと採って
すぐにお二人に追いつきやすから!
ところが「鬼」になってどれだけ探しても見つからないものは見つからない(T_T)
時間だけが刻々と過ぎていき、昼過ぎには冷たい風が吹くようになり、とてもギガンが
現れる状況ではなくなってしまった。
そしてとうとうタイムアップに!
あぁ~神様は不公平だ!イジワルだ!(泣
そしてこの日を境に僕の頭の中はギガンに毒されていくことになる(怖
「この日はなんと!あれだけのムシ屋さんがいながら、ギガンを無事にゲットされたのはこのお二人だけという快挙!」
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数日後、頭のイカれた僕は気付くとギガンのポイントに立っていた・・・
ここまできたら採れるまで引き下がるわけにはいかない!
先ずは早朝勝負ということで、例の裂けた御神木の前に陣取る。
8時を過ぎたころには、ポツポツとムシ屋さんたちも増えてきた。
前回とほとんど同じ顔ぶれの方たちだが、大阪からIさん、兵庫からM君
が来ていた。
例の大学生のS君、O君も来ていたが、連日がんばっているがまだギガンは採っていないとのこと。
名古屋から親子で来られていたムシ屋さんがいたが、これまで7連敗とのことだった。
「この日、見事に5頭採集されたそうだ。7連敗が報われましたね!」
その後、昼まで誰一人も採れず、今回もダメかと思った時の事、
昼過ぎから急に汗ばむほど蒸し暑くなり、ギガンが産卵にくるには申し分ない条件となった。
それから勝どきの声があちこちで聞かれるようになってきた!
林内を徘徊していると、向こうから年配のムシ屋さんの呼ぶ声が・・・
「ここにおるんやけど割れ目におって網が入らんのや」・・・
行ってみると、高さ3メートルほどの木の割れ目にデカいギガンが止まっているではないか!
瞬時に足場を計算して木によじ登り、ギガンをつかみ、下からネットを延ばしてもらい
中に放り込んだ。
その方は何度も僕にお礼を言って嬉しそうに毒ビンに入れていた・・・
ふぅ~人助けしてる場合じゃないんだけどね~、イイことしたんだから まぁ いっか・・・
ところが・・・今度はその立場が逆となる。
今度は僕がようやく見つけたギガンを例の学生さんたちが採ってくれたのだ!
「これは○○さんが見つけたギガンだから遠慮なくどうぞ」と快く譲ってくれたが・・・
その時は無我夢中でもらってしまったが、後で冷静になってみるとS君、O君にはとても申し訳ない気持ちになった。
100%自力採集ではないし、なによりも、S君、O君だって採りたかっただろうに・・・
その後、二人が無事にギガンを採集できたか気になって仕方がない。
それからしばらくしてS君から連絡が入り、なんと!あれからギガンペアと♀1、O君も無事に採集できた
と報告が入りホッと胸をなでおろす。
本当に2人とも採れて良かった!

オニホソコバネカミキリ
Necydalis(Necydalis) gigantea gigantea Kano,1933
これがその時のギガン♀。
体長約37.5ミリの立派な♀だが〆たら1ミリ縮んでしまった(+_+)
話によると、ここのギガンの♀はデカく幅も広く、体色も他地域より黒化傾向にあるらしい。
なので37,5ミリはまぁまぁの大きさなのだそうだ。
他地域産を採ったことがないので比べようもないけど。
今回ほど集中して採集したことなかったぁ~ ふぅ~メチャ疲れたけど無事に採れて?
本当に良かった!
僕のようなショボいムシ屋は何度も現地に行かないと採れないんだよね、やっぱり・・・
来年は♂を採らねば!
長かったギガン放浪記はこれにておしまい(^^)
eichanさん、Tさん 現地では本当にお世話になりました!
お二人とも見事にギガンをゲットされ、本当に良かったですね!
そしてS君、O君 いろいろ本当にありがとう!
現地でお会いしたムシ屋の方々、大変お世話になりました!
m(__)mm(__)mm(__)m