ふぅ~! 夏の採集シーズンが終わって、気付けば早や9月も下旬・・・
記事も遅れ遅れになってしまい、ずいぶんたまってしまった(汗
今年は8月に入ってからは雨天ばかりが続き、成果はイマイチ(T_T)
9月に入ってからは急に涼しくなり、夜はちょっと肌寒く感じられ
ましたが、ここしばらくはまた残暑が戻ってきたようですね。
今年は「晩夏のモミ林の大物」が不調のようですが僕もその「大物」を狙って出撃しました・・・
で、その結果はまた後日(^^)
では 放浪記をどうぞ!
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ふむふむ、いろいろ調べてみると、岐阜県には2種類の「カツラの妖精」がいるらしい。
1つは岐阜県を西限?とし、裏御岳から本州中部、そして関東の亜高山帯に分布する「チャイロヒメコブカミキリ」。
もう1つがこれまた岐阜県を東限とし岐阜県北西部の亜高山帯から西に分布する 「シコクヒメコブカミキリ」。
さらに両種を調べてみると、シコクヒメコブの発生時期はチャイロヒメコブの発生時期より約1ヶ月早いらしく、
6月頃から発生し、発生末期の6月下旬~7月上旬から入れ代るようにチャイロヒメコブが発生し始めるらしい・・・。
それじゃ、シコクヒメコブ発生末期とチャイロヒメコブ発生初期はちょうど真ん中の岐阜県北中部なんかじゃ混生地とか
あるのかな??
まぁ、余計なこと考えると頭がゴチャゴチャになるので、今回はちょうど6月ということで手始めにシコクヒメコブの記録があり
、同じ地元のムシ屋Hさんも過去に採集したという岐阜県北西部、H山の麓にあるO高原に行くことにした。
ここは、ソリダ「オオホソコバネ」、エゾトラなんかも割と多産しているようなのでこちらもついでに?ゲットしたいところ。
では 行ってみましょう!
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先輩ムシ屋さんの話では、ヒメコブ系はカツラのヒコバエに集まり、特に早朝と夕方に数多く集まって
くるそうだ。
なので遅くても6時には現地に着きたいので、山道をビューンと軽快に飛ばすも
時折遅いトラックなんかにつかまって現地に着いたのは7時過ぎ・・・
とりあえずパッパと支度をして、Hさんに大まかに教えてもらったカツラのポイントを目指す。
え~!? ここから入って行くの?
そこはササや下草がうっそうと生い茂り、とても入ろう・・・なんて気にならないけど・・・
それにしてもよくこんなトコ入ろうなんて思ったもんだね~、Hさん 恐るべし!
クマちゃんとマダニ君の恐怖にビビリながらゆっくりヤブ漕ぎしていく。
100メートルほど進んだところで、ようやくカツラの大木が見えてきた。

おぉ~ヒコバエが生い茂っているじゃないの!
ヒコバエに触らないのようにゆっくり集中して見ていくが・・・
ルッキングでは見つからないので、今度はビーティングしてみるも
結局シコクヒメコブは落ちず(+_+)
う~ん、もう時期が遅いのか、それともまだ発生していないのか?
仕方ないので、シコクヒメコブは諦めて今度はソリダ、エゾトラ採集に切り替える。

林道を延々と進み、事前情報でHさんがソリダを採ったというブナの立ち枯れを目指す。
こちらも大まかに教えてもらっただけなので、注意深く両脇の木々を見ていく。

すると林縁の葉の上に何かとまっているのが目に入った。

ヒゲナガシラホシカミキリ Eumecocera argyrosticta (Bates,1884)
うれしい初採集! 漆黒の上翅に白い紋がなんともオシャレ(^^)
さらに進むと右側に大きなゴトウズルの株が見えた。

花もちょうど満開! こりゃエゾトラいるかも!
6、5メートルの竿では最上部までは届かないが、掬える範囲はとにかく掬ってみる。
が予想に反して、入るのは大量のカメムシ、ハチ、アブに混じってチャイロヒメハナ、セスジヒメハナなどの
普通種のピドニアばかり・・・
その中で1頭 雰囲気の違うピドニアが入った。

なんだ これ?ヨコモン?、ニセヨコモン? ミワヒメハナ?、それともトサヒメハナとか? う~ん、分からん(+_+)
ピドニアはそれなりの知識がないと同定は難しい。
とりあえず持ち帰って調べてみることにしよう。
さらに奥へ進んでいくと、ちょうどハルニレ?生木の枝が折れて垂れ下がりそこにカミキリが3頭ほどくっついている。
ん!? なんだ、ゴマダラモモブトか・・・
最初はそのままスルーしようとしたが、まぁせっかくなので記念に2頭を採集して1頭はリリース。
「これが後で思いもよらないカミキリに化けることは、まだこの時は知る由もない」
林道を進むこと約1時間、ほぼ行き止まりまで来てしまったが結局ブナの立ち枯れは見つけられず・・・

石橋の上に座り、川を見ながら遅めの昼食を摂ってここでタイムアップ!
もう1度リベンジに訪れることにして帰路についた。
帰宅後、例の折れ枝にいたカミキリをよく見てみるとなんかゴマダラモモブトと雰囲気が違うような・・・
最初は2頭ともゴマダラモモブトと思っていたが、どうもこの2頭、それぞれ種類が違うような気がしてきた。
どちらもズングリしており幅広く、触角は短く触角付け根は大きく膨れ、ゴマダラモモブト♀に見られる腹端の長い
産卵管も見られない。
なんだろう これ?
お恥ずかしい限りだが、この2頭の種名が分からない(*_*)
とりあえずこの両種に「カミキリA」、「カミキリB」と仮称してeichanさんに画像を送り
同定していただくことにした。

こちらがその「カミキリA」の画像。

そして「カミキリB」。
どちらも体型はとてもよく似ているが、斑紋や黒い帯の出かたなどがかなり違って見える。
体長は両種とも約10ミリほど。
そしてしばらくして eichanさんから返事が届いた。 その結果・・・
「カミキリA」の正体は・・・エゾトゲムネカミキリ Oplosia fennica suvorovi Pic,1914
「カミキリB」の正体は・・・ゴイシモモブトカミキリ Callapoecus guttatus Bates,1884
さらにeichanさんから、両種とも「モモブトカミリ族」ではなく、「ヤマナラシモモブトカミキリ族」の
仲間であることも教えていただいた。
この仲間は日本では3種しかいないらしい。
う~ん、僕の同定力はまだまだ未熟と痛感! もっと精進せねば!
ということはあの時リリースしたカミキリはこの2種のどちらかということか~! あ~もったいない!(T_T)
同定していただいたうえにさらに多くのことを御教示していただいたeichanさんには本当に感謝です!
ありがとうございましたm(__)m
ゴイシいいですね、ぼくはまだ採集したことがなかったようなきがします。
エゾトゲムネ2回だけですね。
おめでとうございますo(^-^)o
だんちょうさん こんばんわ!(^^)
ありがとうございます!
ただ自分で同定できなかったのが
ちょっとお恥ずかしいです。
エゾトゲムネはこちらでは、かなり珍しい
カミキリだと聞きました。
シコクヒメコブはダメだったですが、思わね
カミキリが採れて良かったです!(^_^)