在日外国人のための法律 1日1条

留学・ビジネス・結婚・永住・帰化、日本で生活していく上で必要になる法律を1日1条づつ分かりやすく解説していく法律講座です

国籍法 第18条(法定代理人がする届出等)

2006年08月31日 | 国籍法
第18条
 第3条第1項若しくは前条第1項の規定による国籍取得の届出、帰化の許可の申請、選択の宣言又は国籍離脱の届出は、国籍の取得、選択又は離脱をしようとする者が15歳未満であるときは、法定代理人が代わつてする。


国籍に関する申請・届出は本人が行うのが原則ですが、本人が15歳未満のときは、法定代理人が代わりにおこないます。

国籍法 第17条(国籍の再取得)

2006年08月30日 | 国籍法
一旦日本国籍を失っても、届出によって日本国籍の再取得ができる場合があります。

第17条
 第12条の規定により日本の国籍を失つた者で20歳未満のものは、日本に住所を有するときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。

外国で生まれるなどして外国籍を取得、日本国籍に関して「国籍留保届」を出していなかった場合です。20歳になる前に一旦は外国人として日本に入り、日本に住所を有していれば、届出で国籍を再取得できます。

2  第15条第2項の規定による催告を受けて同条第3項の規定により日本の国籍を失つた者は、第5条第1項第5号に掲げる条件を備えるときは、日本の国籍を失つたことを知つた時から1年以内に法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。ただし、天災その他その者の責めに帰することができない事由によつてその期間内に届け出ることができないときは、その期間は、これをすることができるに至つた時から一月とする。

法務大臣の国籍選択の催告にも関わらず、国籍選択をせず、日本国籍を失った場合です。第5条第1項第5号に掲げる条件、すなわち帰化の条件を満たしていれば、帰化申請ではなく、届出によって日本国籍を得ることができます。

3  前二項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

国籍法 第16条

2006年08月29日 | 国籍法
第16条
 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。

日本は二重国籍を認めていませんので、他国の国籍を選択した場合は同時に日本国籍を喪失します。しかし、国よっては二重国籍を認めている国もあれば、国籍の離脱を認めていない国もあります。そういう国の場合、日本国籍を選択しても、その国の国籍を離脱しません。実質的には二重国籍の状態が継続することになります。ただし、その場合も、「離脱の努力」はしなさいよ、ということです。

2  法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失つていないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であつても就任することができる職を除く。)に就任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、その者に対し日本の国籍の喪失の宣告をすることができる。

日本国籍を選択しながら、相手国の公務員になるということは、「離脱の努力」をしているとは言えませんから、それなら、日本国籍を捨てて、相手国籍を選んでください、ということです。

3  前項の宣告に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

4  第二項の宣告は、官報に告示してしなければならない。

5  第二項の宣告を受けた者は、前項の告示の日に日本の国籍を失う

国籍法 第15条

2006年08月28日 | 国籍法
第15条
 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第1項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。

2  前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。

3  前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から2週間以内にこれをしたときは、この限りでない。


前条に書いた通り、日本は二重国籍を認めていないので、二重国籍になった場合は、一定の期日までに国籍を選択しなければなりません。選択をしない場合は、法務大臣は選択するように催告することができ、この催告に応えなかった場合は、もう一つの国籍を選択したものとし、日本国籍を喪失します。

国籍法 第14条(国籍の選択)

2006年08月27日 | 国籍法
第14条
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

2  日本の国籍の選択は、
外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言、(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

日本は二重国籍を認めていませんので、二重国籍となった場合は、どちらかを選択しなければなりません。

国籍法 第13条

2006年08月27日 | 国籍法
第13条
外国の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を離脱することができる

2  前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を失う。


二重国籍の人が日本国籍を離脱することはできますが、日本国籍しか持たない者が日本国籍を離脱して無国籍になることはできません。

国籍法 第12条

2006年08月26日 | 国籍法
第12条
出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法 (昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより
日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。


アメリカのような出生地主義を取る国で出生した場合、両親が日本人であったとしても、出生と同時にアメリカ国籍を取得します。この場合、在外日本公館等に「国籍留保届」をしないと、その子は日本国籍を失ってしまいます。
「国籍留保届」は出生届にその旨記入すれば足ります。

国籍法 第11条(国籍の喪失)

2006年08月25日 | 国籍法
日本は二重国籍を認めていませんので、外国の国籍を取得すれば、同時に日本国籍を喪失します。

第11条  日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

アメリカのような生地主義の国で出生し、アメリカ国籍を取得したような場合は、「自己の志望によつて外国の国籍を取得」したわけではないので、国籍は喪失しません。

2  外国の国籍を有する日本国民は、その
外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。


二重国籍になった者は一定の時期までに、国籍選択をしなければなりません。この際、外国の国籍を選択すると自動的に日本国籍を喪失します。

国籍法 第10条

2006年08月24日 | 国籍法
第10条  法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2  帰化は、前項の
告示の日から効力を生ずる。


帰化が許可されると官報に告示されます。その告示の日から日本人となります。
もし、帰化許可された人が告示の日に出産したとすると、その子は「日本人の子」となりますので、日本国籍を取得します。

国籍法第9条

2006年08月23日 | 国籍法
第9条
日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第5条第1項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。


「大帰化」と言われているものですが、これまで実際に適用された例はありません。

国籍法第8条

2006年08月22日 | 国籍法
帰化の条件のうち、住所要件「引き続き5年以上日本に住所を有する」、能力要件「20歳以上で本国法によつて行為能力を有する」、生計要件「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができる」が軽減あるいは免除される者についての規定です。

第8条  次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第5条第1項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの

日本国民の養子引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの

日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの

国籍法 第7条

2006年08月21日 | 国籍法
第7条は日本人の配偶者の場合の住居要件・能力要件の緩和条項です。日本人の配偶者の場合、日本との結びつきが強く、帰化の必要性も高いと考えられるので、条件がかなり緩和されています。

第7条
日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第5条第1項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。

通常、帰化の住居要件は5年ですが、日本人の配偶者の場合は3年でよく、また、結婚後、海外に住んでいて結婚後3年が経過している場合は、日本に住み始めて1年で良いということです。

国籍法 第6条

2006年08月20日 | 国籍法
第6条には帰化条件の一つ「住所要件」(引き続き5年以上日本に住所を有すること)の例外が定められています。

第6条
次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

一  日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの


「日本国民であった者」というのは外国籍の国籍を取得するなどして日本国籍を失った者です。親は外国へ帰化して日本国籍を失ったけれども、その子が日本に来て、日本への帰化を希望するなら期間も短くなりますし、住所でなく居所でも良いということです。

二  日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

例えば、外国人夫婦が日本で子どもを出産。その子が大人になって来日。この場合、日本に地縁があるといえるので、住所要件が3年に短縮されます。

三  引き続き10年以上日本に居所を有する者

「住所」はなかったけれども「居所」としてはずっと日本にいたという場合も10年いれば帰化できます。ただし、申請時点では「住所」を有していることが必要です。

国籍法 第5条

2006年08月19日 | 国籍法
第5条
法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。


条件を満たしていないならば帰化の許可をしてはいけないだけで、条件を満たしていれば許可をするというわけではありません。条件を満たす者から許可する者を選ぶのです。

一  引き続き5年以上日本に住所を有すること。

再入国許可を得て短期間出国したのは「引き続き住所を有する」とみなされます。また生活の本拠としての「住所」が必要であり、単なる「居所」ではだめです。

二  20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

例えば18歳が成年とみなされる国の19歳の人でも「20歳以上」ではありませんから、帰化は許可されません。逆に22歳で成年とみなされる国の21歳の人も「本国法によって行為能力」を有しませんから、帰化はできません。

三  素行が善良であること。

道路交通法違反等の法令違反、納税義務違反などがあると帰化できません。

四  自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

生活保護を受ける等、公共の負担となる虞のある者は帰化できません。

五  国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

日本は国籍唯一の原則を取っています。

六  日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

これは、まあ、言うまでもないですね。

2  法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

前述のとおり、日本は重国籍を認めていません。しかし、国によっては国籍の離脱を認めていない国もあり、そういう国の出身で日本人と結婚し、日本で生活しているにも関わらず、絶対に帰化できないというのは問題があるので作られた例外です。