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娘さんの側湾症状をどうするべきなのか? ②

2011-08-26 00:10:16 | 側湾のお話
娘さんの側湾症状をどうするべきなのか?①からの続きです。



結局、そこまでで5月になりました。


すぐ名古屋へ行きたかったのですが、
ちょうどパパの会社の移転の時期と重なり、
パパが仕事を休めない状態になる事がわかりのした。
6~7月は東京から離れられなくなったので、
夏休みの8月22日に予約を入れました。


名古屋名城病院は、脊椎脊髄センターを設けた、
整形外科のスタッフ全員が脊椎疾患を専門として脊椎・脊髄疾患を中心に治療している病院です。

セカンドオピニオンなので、レントゲンなどはせず
身長、体重を測ってからお話を聞きました。


「手術するかしないかは、親御さんしだい」と、
慶應の側湾外来の主治医と同じ答えを頂きました。


理由は
手術をしても、寝たきり(または死亡)になるのを先に伸ばせるかどうか?
ハッキリ判断出来ぬくらい肺機能状態も悪くなっている事と、
リスクが半端なく高いオペであり、
命の先伸ばしのためにオペにトライする価値はあるけれど、
オペ後に天音ちゃんが絶えられるか解りませんし、
寝たきりになった場合の環境を受け入れる親御さんの心構え次第なので、
医者から「オペをした方が良いとの促しは出来ない」との事でした。


手術をしたとして、
その手術は治療ではなく、現状をなんとか維持するだけの処置であり、
症状を悪化させないためになるかはわからない手術であるとのお話でした。
仮にオペをしたとしても、オペ後入院中に命を落とす確率。
そして、いまの天音の生活クオリティーに戻れなくなる確率はとても高い事。


手術の技法としては、慶應で出した技法と同じ。、
「背骨をだるま落としのように1つ取り除き固定する技法である事」と
「今の日本で、天音の状態でオペにトライ出来る技量がある病院は名城と慶応しかないであろう事」
「慶應と名城で違いが出るとすれば、
慶應で提示された、ビスで固定かワイヤーで吊って固定するか?と言う「道具」が、
名城では、他に何かないか?考える事が出来る」と言う事が解りました。


ビスで固定しようが、ワイヤーにしようが、
もろい骨が耐えられなければ、骨が粉砕して脊髄に傷をつける二次障害が起きるリスクは高いのです。


どちらの病院にしても大きな手術になります。
歯を1本抜くにも、中耳炎のチュービング処置をするにしても全身麻酔が必要で、
でも全身麻酔をする事で、2週間くらいは入院してしまいます。

肺高血圧が診られ、夜間在宅酸素療法中で、
睡眠時無呼吸症候群がみられ、寝ている間に体の中の酸素(SpO2)が70%しかない時もあります。
ずいぶん落ち着きましたが、喉頭軟化症もみられます。
麻酔が命取りになる呼吸状態です。
こんな大きな手術、麻酔をかけるだけでもハイリスクです。

娘さんは
多発性奇形(先天性股関節脱臼、関節萎縮、巨大大槽、小顎症)と、
生まれつきの骨、筋肉周りのなにかしらのトラブルが出ています。
股関節脱臼の骨切り回転オペの時は固定したビスが飛び出てしまい、
通常3ヶ月の入院が9ヵ月に伸びてしまったくらいです。

そんな骨回りにトラブルの多い身体に
脊髄にはまだ問題はないものの、
頂椎付近の椎弓根がかなりの低形成の状態で、後湾が顕著で、何度も麻酔をかける事が困難であると知らされて、
「手術するかしないかは、親御さんしだい」と言われても、
怖くて怖くてオペをするなんて考えられなくなりました。


その場でオペするかしないかを決める場所ではなかったので、
先生の話してくださる事を聞いていましたら、
先生は
「天音が亡くなった時に、手術をするかしないか? どちらを選択しておけば自分が後悔しないか。」

「動けなくなるその時が早く来た時に、家族で暮らせるか?(家、仕事、学校の事など)」

「例えば天音が50才の時に自分達はどうなるか。どうするべきか?」

親のエゴも、親の自分の人生だから、
自分の人生も考えて、オペをするかしないかを考えるように教えられました。


どれも、天音を授かり、障害を持っているのだと解った日から
薄らぼんやりではありますが、
来る日も来る日も考えてきた事でしたが、
こうハッキリ考えておきましょうねと言われると、
いつも考えてきた事が揺らぐほど心が痛くなりました。

「その時にならなければ解らない気持ちや思考」だと思っていた事です。
それらを「今」よく考えて判断せねばならなくなりました。


先生は主人に
「仮に早くに亡くなったとしたら、父親は仕事などで変化があるが、
子供だけを見てきて注いできた母親は逃げ場がなくなってしまう心理を理解して支えてあげられますか?」と
話してくださいました。

「治せると、チャレンジして全力を尽くす事は大切だけれども
その大切なものが無くなった後の自分達も考えなければならないのですよ」と。
「今の日本の福祉では、老人福祉と子どもの頃からの障害の福祉に違いがあり、
それらも勉強しながら、いつどんな風になっても自分達が倒れないでいないとならない」とのお話もありました。

そして
「色々出来てきた事が出来なくなる天音ちゃんをどう支えられるか?」
これは、薄らぼんやりと考えてきた事にはない、新しい問題でした。
余命2才の宣告の時には考えなかった事です。

今の娘さんは感情も豊かになり、人生の楽しさを知っています。
明るく快活な子どもに育ちました。
人が好きで、人と関わる事が大好きです。
動けなくなり、人と関わる機会も減り、
大好きな外食も、散歩も、学校も、デイケアも行けなくなったら・・・

それでも生きる事。

ある命。

命ってなんだろう?と、先生の話を聞きながら考えていました。

娘さんの命。
自分の命。
人生ってなんだろう? どうしたら良いのだろう?


いつか必ず生活クオリティーが下がる体になる事は間違いく・・・
高いリスクを解っても、
チャレンジすれば少しでも長く一緒にいられる可能性は少しでもあるわけで、
その道を選ぶために、
今ある機能を壊す確率があってもチャレンジするか?


チャレンジしたとしたら
それは、私の思い。エゴではないのか?
それでも、一緒に生きてゆくのに、
育てる私の気持ちを考えて入れて判断して良いのか?


それとも、期間は短くなるかもしれないけれど、今ある機能を止める事なく、
今の生活を続けながら、いつかやって来るその時を、その時その時で受け止められるか?

家族の生活を維持するための準備はどこからすれば良いのだろ?

娘を先に見送ったら・・・
主人と2人、どうやって残りの人生を過ごすのだろう?



ゆっくり考えている時間がありません。
それが今とても辛いのですが、逃げるわけにも行きません。

長く一緒にいたいから・・・
その気持ちはありますが、、、、
麻酔科的には、麻酔をかけたくない患者です。
手術にトライする事が命取りに考えられます。


でも、長く一緒にいたいです。

こんなに色んな事が解ったのに
まだ判断付かず、私は悩んでいます。



From ikusuke



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