サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

『エコで地方創生』は成り立つか?

2015年12月19日 | 環境と経済・ビジネス

横浜環境ビジネスネットワーク メールマガジン【12月18日配信】

 

『エコで地方創生』は成り立つか?


 今年もエコプロダクツ展に行ってきた(12月10日~12日、国際展示場)。日本最大規模の環境の展示会として、大企業から中小企業、大学生、NPOと出展範囲が広がっており、その多様性が魅力である。地域毎の環境ビジネスのコーナーの出展者が増えており、全国の都道府県や政令市の出展が賑わっていた。

 筆者は、地域発環境ビジネスに関するステージでの講演を行う機会を得た。「『エコで地方創生』は成り立つか? ~再生可能エネルギーによる地域づくりを中心に~」と題した講演では、環境ビジネスは環境に貢献する企業であるが、地域に貢献しない場合もあるという懸念を示し、地域に貢献する環境ビジネスの事例として、長野県飯田市を紹介した。

 飯田市の解説は別の機会に記すが、特に話したかったことは、「地方創生はそもそも何を目指すのか」ということである。地場の経済活性化だけではなく、地域内外の主体のつながりの強まりや地域住民の幸福等が重要である。また、これまでの社会経済のやり方を変える価値規範や生き方の転換を目指すことも必要なのではないか。この目指すべき地域の姿を共有したうえで、それへの地域の環境ビジネスの貢献度が評価されるべきである。

 こうした地域社会の変革目標を“めがね”にして、それへの貢献度から地域の環境ビジネスをみたとき、様々な改善点が見えてくる。例えば、地域外の大資本による大規模なメガソーラーの設置は、国全体の二酸化炭素の排出は減らすけれど、地域経済への貢献は小さい。また、地域資源(地域にあるもの)を使わない環境ビジネスは、地域の土地や労働力は使っているかも知れないけれど、もの足りない。


 また、地域で消費されない環境に配慮した商品・サービスは、国際的に販路を開拓しているが、地域とのつながりをもっとつくれないだろうか、等々である。エコであるだけでなく、地域に貢献するエコであることを目指してほしいと考えている。

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