korou's Column

2024.5.1 音楽ブログとして再スタート。

グルーヴするバンドメンバー

2018-02-03 | 松浦亜弥

以前、孫右衛門さんからだったか

「グルーヴとは?」と訊かれて

回答に窮したことがあった。

定義すればするほど

この”多義的”な言葉から真実が抜け落ちていく。

 

それでも、実際の演奏を聴けば

自分なりの「グルーヴ感」の基準で

グルーヴしているかそうでないかを判断することはできる。

グルーヴという語感から

その演奏会場に居合わせていたほうが

より実感できるようにも思われがちだが

案外、CDとかで聴いたほうが

きっちり感じることができるようだ。

実際にその演奏を生で聴いた場合

視覚による情報に惑わされたり

演出の効果で気分が高揚したりするのを

グルーヴと錯覚しがちだが

それはグルーヴという限定された興奮というより

まさにライブならではの盛り上がりと認識すべきなのだろうと

思っている。

その点、CDなどでは

音だけがすべてであり

音だけで「ノリ」とか「興奮」を感じて

それが音楽に内在する流れと連動しているのなら

それをグルーヴと称していいのだろうと思う。

 

松浦亜弥クリスマスディナーショー(2007.12.25 名古屋)の音源を聴いていて

まさに、そういう”グルーヴな瞬間”を聴くことができた。

あくまでも私の基準による”グルーヴ”ではあるが。

 

HAPPY TO GO~トロピカ〜ル恋して〜る

 

この歌唱、演奏がグルーヴィーになったのは

バックのバンドメンバーによるところが大きいだろう。

この年に行われたクリスマスディナーショーでは

バックメンバーは

いわゆる高尾さん、櫻井さん、梶やん、菊ちゃんというメンバーではなくて

ギターが早乙女としやという人であったり

キーボードが杉山卓夫という人であったりした。

この名古屋でのディナーショーでは

ドラムが山内さん(何回聴き直しても正しく聞き取れないのだが、多分)

ベースが千ヶ崎学さんという面々で

この山内&千ヶ崎コンビのグルーヴ感たるや凄いのである。

高尾さんと梶やんでは出せないノリノリの感覚に満ちていて

亜弥ちゃんもその前のめりの感じに乗せられて

いつもとはやや違う歌唱になっているように感じられる。

パーカッションは、もともとノリの良い福ちゃん(福長雅夫)で

キーボードは相沢公夫さん。

相沢さんは万能型のベテランミュージシャンなので

こういうグルーヴィーなフィーリングになれば

それに合わせた絶妙のキータッチを見せるわけで

実に素晴らしい。

なお、ギターは菊ちゃんではなくて上記の早乙女さん。

かくして、ドラムとベースががんがん鳴って

常に加速していくような勢いのある音が生まれた。

 

蛇足を書けば

その後の亜弥さんは

こういうグルーヴィーな男性的ともいえる活気のある伴奏よりも

かっちりとしたタイプで、なおかつ細部まで繊細で

しっとりとした音を聞かせる伴奏を好むようになったのだと思う(勝手な想像だが)。

逆に言えば

この名古屋でのメンバーには

そういった音を期待することは難しい。

どちらが良いかは

まさに好みの問題だが

私は(もしそういう好みの変化が真実であれば、亜弥さんには悪いが)

こういう名古屋での音のほうが好きだったりする。

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6 コメント

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Unknown (アヤまる)
2018-02-04 15:30:07
松浦亜弥と聞きつけてノコノコと出てまいりました。

2007年といえばあの美しい「松浦亜弥コンサートツアー2007秋 〜ダブル レインボウ〜」の年ですね。

ツアーの余韻たっぷりにクリスマスだというのに「トロピカ〜ル恋して〜る」と季節はずれの曲を熱唱し、会場がどこかはわかりませんがディナーショーにはにつかわしくない盛り上がり方で、まさに亜弥さんそのものが人生で最もグルーヴィーだったころなのかなと思います。

思えばグルーヴ感のある日本人の女性歌手ってあまり思い浮かびません。あえて言えば若い頃の弘田三枝子でしょうか。

この路線で復活ありだと思うんですよね。

亜弥さんは実生活が幸せまみれですからバラード系の大半の歌詞が合わないし、ノリノリでとなれば亜弥さんの独擅場なんですけどねぇ。


返信する
亜弥さんとグルーヴ感 (korou)
2018-02-05 19:00:05
>アヤまるさん

時々、亜弥さんネタがあります(^^)

グルーヴ感ある歌手で有名どころといえば
弘田三枝子はもちろんですが
ちょっと古すぎますので
一応、吉田美和あたりを代表格としておきましょうか。
たしかに日本人女性歌手には少ないタイプです。

亜弥さんにしても
グルーヴ感というのは難しそうですね。
そういう感じより
歌詞に気持ちが込められていて
感情がぐっと伝わってくるというところに
独自の境地のある方ですから。
でも、バックバンドがノリノリになれば
グルーヴっぽい感じにもなるところが
素晴らしいところです。
返信する
私は好きだ! (beginner)
2018-02-06 12:37:22
ダブルレインボウのライブがされていた当時の松浦亜弥が大好物です。

グルーヴ感。私はベースの存在が何より影響大きい気がしてなりません。
梶やんのキャラの良さ等は秀逸ですが、ことベースの音作りに関しては千ヶ崎さんの方がノリやすく好きだったりします。

ノリノリでHappy to goで再登場して欲しいと夢想しています。
返信する
グルーヴとオタク (大sansan)
2018-02-06 18:23:43
これ、ディナーショーなんですよね。
コンサートツアーかと思いました。
面白いです。

グルーヴィーな演奏では、ドラムとベースが中心になって、
ボーカルが乗っかっていく、という理解で宜しいんでしょうか。

松浦亜弥さんは、歌詞の世界観を歌で表現したいのでしょうし、
何より、みんなが自分に合わせることを好みそうですから、
マイアックライブみたいな演奏を求めるのかもしれませんね。

同じライブの中で、使い分けることが可能であれば、最高でしょうけど。

で、オタク的な観点から云うと、
グルーヴィーな演奏では、統制がとれたコールができないように思います。
ヘタをすると、ただの馬鹿騒ぎに聞こえます。
オタクの立場から云うと、しっかりリズムを刻んでいただいたほうが・・・
なんて、考えるのは、僕だけでしょうかw
返信する
Re:私は好きだ! (korou)
2018-02-06 20:44:10
>beginnerさん

この頃の「あやや」というべきか「亜弥さん」というべきか
とにかく歌声を聴くだけで
こっちまで元気になってきますからね。
冬の寒さが厳しいこの頃
このあたりで元気をもらっています(^^)

梶やんのベースは
おそらく生で聴けば聴きどころが多いのでしょうが
録音だと、その味わい深い音の流れが
伝わってこない感じですね。
その点、今回の音源は
千ヶ崎さんのベース音を良く拾っていると思います。
返信する
Re:グルーヴとオタク (korou)
2018-02-06 21:03:45
>大sansanさん

どうも、グルーヴ感というのは
それに合わせて「心身共に盛り上がる」オタクの”雄たけび”が混じることによって
一気に「俗なもの」になってしまいますね。
そして、おっしゃるとおり
オタクの側も
微妙なリズムの揺らぎが全体の統制を崩す感じになって
ちょっと困ることにもなるのでしょうね。
これは相性が悪いです(笑)。

また、グルーヴ感ということで言えば
ドラムとベースが中心になるとか
そこにボーカルが乗っかるということだけに
限定されるものではないです。
ドラムとベースがそういう感覚を出しやすいとはいえますが
キーボードでもグルーヴ感を出しまくる人は居ますし
そもそもジャズの世界でいう”ビー・パップ”は
グルーヴ感があることが前提なので
チャーリー・パーカーなどのサックス奏者は
ソロでもグルーヴ感満載です。
ボーカルでも
弘田三枝子などは
伴奏が四角四面の演奏であっても
歌声だけファンキーというかグルーヴ感たっぷりの歌唱を
聴かせていました。
まあ、いろいろパターンがあるということですね。
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