2006年11月29日に発売された
企画アルバム「Naked Songs」の収録曲。
原曲はノラ・ジョーンズが歌った2003年グラミー賞受賞曲。
作詞・作曲::Jesse Harris、編曲:鈴木俊介。
作詞・作曲のジェシー・ハリス(Jesse Harris)は
ほぼこの曲だけで有名な人。
この曲を歌ったノラ・ジョーンズにしても
この曲とこの曲を収録したアルバム以外
これといった活躍ができていない。
デビューしたときは、凄い歌手が現れたと思ったものだが・・・・
曲は、オールドスタイルの楽曲(ジャズテイストのバラード)の良さを
ストレートに表現した佳曲と言ってよい。
ただし、何度も聴いていくうちに
サビの部分があまりにもシンプルで物足りなくなってくるのも事実。
曲の最初のほうで
巧みにmaj7、aug、susなどのコードを駆使しているのに
サビは、単純に7thコードを3つつなげただけなので
どうしてもそう感じてしまう。
ゆえに、この曲に関しては
声質、発声のニュアンスなどが個性的でないと
ヘビーローテーションで聴くことはできない。
その点でいえば
亜弥さんの声は美しすぎて、透明すぎると思われる。
試行錯誤の一つなのだと思う。
こういう方向もアリかなと思って進んでみたものの
自分には向いていなかったという感じ。
アルバム発表後、「上海ライブ」などでは歌っている映像が残っているが
おそらく、その後は封印していたように思える。
正解。
オリジナル(ノラ・ジョーンズ)。
https://www.youtube.com/watch?v=tO4dxvguQDk
同じノラでも、個人的にいいなと思うのはこれ。
曲調によく合った発声だと思う(エルモとの絡みが多すぎるけど)
https://www.youtube.com/watch?v=FEzxchU4RUY
さて、亜弥さん。
いくらライブのほうが出来が良いといっても
上海ライブはあえて引用するほどでもないので
今回はこちらで。
ノラ・ジョーンズの発声と違うことは一目(一聴?)瞭然です。
「Don't Know Why」 松浦亜弥 スタジオライブ
korouさんの仰るとおり、声が素直ですからね。
あと、英語なことも。
歌詞カードをガン見して、歌うことだけで精一杯な印象を受けます。
訳詞があれば、日本語で歌うと良いかなって思いました。
そうすれば、感情込めまくって、伸び伸び歌えて、
彼女の良さも出せるかと思います。
サビで声を張り上げるとこなど、本来は得意なところだと思います。
印象は違っていたかもしれません。
松浦亜弥風に熱唱したとして
その場合は
もはや「Don't Know Why」という曲でなくなっているかもしれませんが。
ふと思ったのですが
例のCBC60周年記念ライブでのインタビュー部分で
「ジャズはまだ今の私にはムリ。人生を積み重ねたという意味での”色気”がないので」
という亜弥さんの言葉は
直接的には、その直前の名古屋ブルーノートでのステージのことを指しているとして
心のどこかで、この曲などが
自分でもしっくりこなかったという反省から出た言葉なのではないかと。
あと3カ月で亜弥さんも30歳。
そろそろ”色気”で勝負してもいいのでは。
30歳になったらもっとジャズを歌いたいと言っていたし。
(それ以前の問題として、現時点で亜弥さん情報が何もないので、何か情報がほしいわけですが)
その結果、ダブルレインボウのような素晴らしいライブができたんですから戻して良かったと思いますが、あのままジャジーな方向に進んでいても、きっと凄いシンガーになっていたと思うんです。
私のわずかな音楽経験から類推するに、笠井紀美子さんのようなタイプの。
もちろんジャジーな曲はこれからですし、やっぱり醍醐味はアドリブにあるんで亜弥さんにはピッタリというか、独壇場になるんじゃないかなと密かに期待してます。
私個人の感想としては
20代の亜弥さんがジャズの方向に進まなかったことは
よかったと思っています。
そもそも日本人にジャズなんて歌えませんし。
どうしてもジャズ風ボーカル止まりになり
究極のところ、根っこのない曖昧な歌手で終ってしまいます。
あれだけ日本語を美しく歌えるわけだから
J-POP風歌謡曲の伝統を受け継ぐ正統派歌手という位置づけで
そういうイメージで歌い続けてほしいわけです。
ただ、ほとんど歌わなくなった後の
マニアック5、クリスマスライブでの歌唱を知ると
それも難しいかなと思うのです。
亜弥さんなら
きちんとトレーニングをすれば
また素晴らしい歌唱を聴かせてくれるはずですが
そこまでの情熱が残っているのかどうか・・・
こんなことを考えていると
だんだんと深い妄想にはまりこんでいきそうですww
で、ジャジーなんですが。
やるかやらないかは要は本人のモチべ-ション次第だと思いますが、2008年~10年頃のコンディションに戻すのは簡単ではないでしょうし、その割にはすでに経験した領域ですからモチベーション湧かないんじゃないかと。
水着や制服を封印したのと意味は違いますが、まあ、昔に戻るつもりはないんじゃないかなと。
新たなチャレンジの方向がジャジーであるかどうかはわかりませんが、選択肢の一つとして十分ありだと思ってます。
日本語で、ライブで、まさにノリで、歌詞わすれたらアドリブかまして。
従来のアイドルという枠にはまらない松浦亜弥ワールドを創ったように、オトナのジャジーな亜弥ワールドが創れるんじゃないかと。
ファンによってこんなに期待が違うんだから大変ですよね。
”ロックと日本語”という古典的な命題は
かつて日本の音楽に関して延々と議論されたものですが
日本人の歌唱法とジャズというのも
突き詰めて考えてみれば面白いですね。
これについては
「ラッパと娘」のときに再考したいと思います。
この曲については
youtubeに興味深い2つの映像があって
いつも対比して観ています。
そんなことを書いてみる予定です。
(日野皓正と共演)
https://www.youtube.com/watch?v=V5bbDMdkik4
(「カッパ」の歌と誤解したエピソード付き)
https://www.youtube.com/watch?v=wv2bBmdjRv4