korou's Column

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松浦亜弥ディスコグラフィー 54 「トロピカ~ル恋して~る」

2016-03-05 | 松浦亜弥

松浦亜弥の2枚目のシングル曲。

2001年6月13日リリース。

作詞・作曲:つんく、編曲:渡部チェル。

 

編曲の渡部チェルは

1980年代後半から活躍するキーボード奏者。

1999年に、モーニング娘。のシングル「LOVEマシーン」のレコーディングに

キーボード担当”WATA-BOO"として参加。

以降、「恋のダンスサイト」「ハッピーサマーウェディング」

「恋愛レボリューション21」「ザ☆ピ~ス!」など

モー娘。初期のヒット曲の大半にキーボード奏者として参加した。

2013年から

日本のフュージョンバンドの草分け的存在であるPRISMの

キーボード担当メンバーとなる。

 

そうした演奏活動と併行して編曲活動も手広く行っている。

1997年に「めざせポケモンマスター」の編曲を担当。

大ヒットアニメ「ポケットモンスター」のオープニング曲であるこの曲は

半年でミリオンを記録した。

その後も数多くの楽曲の編曲を手掛けるが

やはりヒット曲となるとハロプロ関係が多い。

タンポポ「恋をしちゃいました」、ミニモニ「ミニハムずの愛の唄」などは

オリコンでも週間ベスト3入りを果たしたヒット曲だが

そのあたりの編曲は、渡部が一手に引き受けていた。

松浦亜弥「トロピカ~ル恋して~る」「LOVE涙色」の編曲も

超多忙になったつんく♂が、渡部にアレンジを依頼したということになるのだろう。

 

さて、この曲、オリコンでは

2001年6月25日初登場で第7位(初動で3万5千枚)。

しかし、その翌週には早くもベスト20圏外に消えている。

結局、トータルで6万4千枚の売り上げに終わった。

2016年の現在ならともかく

2001年のCDセールスとしては

”大変よく売れた曲”とは言い難い。

 

とはいえ、その頃のあややが

期待の割にブレイクしていなかったわけではない。

ハロプロ全盛期の時期で

辻・加護コンビが人気を集めたモー娘。とか

後藤真希のソロデビューとか

ミニモニのヒット曲連発など話題満載ではあったが

あややも、それなりに独自のポジションを得ていたように思う。

(ただし、私自身、リアルタイムでそんなに熱心にフォローしていたわけではないので

 そのあたりを詳しく書けないのが残念)

その頃の松浦亜弥といえば

愛称が”あやや”で

当時でも珍しかった「最初からソロデビューのアイドル」ということで

知名度はまずまずだったはずである。

ただし、可愛くて、意外と歌唱力もしっかりとしているという印象以外

特徴的なものは何もないように見られていたかもしれない。

そうなると

後藤真希、安倍なつみなど

選択肢は他にもはいっぱいあったわけで

どうしても松浦亜弥、ということにはならないだろう。

やはり、そこに楽曲の良さが加わって

初めて、本格的なブレイクとなったのだと思う。

当初からアイドル好きな人やコアなファンはともかく

一般的には

この次のシングル「LOVE涙色」から

国民的アイドル”あやや”の時代になったはずだ。

 

曲の作りは前作「ドッキドキ!LOVEメール」と同じ。

特徴的なAメロ、Bメロ、Cメロを

あえて単調につなぐことで

曲全体のイメージを分散させる手法をとっている。

これは、J-POPのルーツともいえる作曲家筒美京平が

1960年代末に歌謡曲で初めて導入した手法で

(例:いしだあゆみ「涙の中を歩いてる」など)

前作に続いて、つんくが、

伝統的な歌謡曲の流れを受け継ぐクリエイターであることを示すものだ。

この手法だと

各パートのメロディに共通する何かをイメージしておいて

最後にそのイメージでまとめることにより

優れた楽曲に仕上げることができるのだが

前作「ドッキドキ!LOVEメール」では

そのあたりが絶妙だったのに比べ

この「トロピカ~ル恋して~る」では

各メロディに共通部分が少なく

メロディのつなぎが唐突な印象を受ける。

そのあたりが雑な楽曲作りにも見えてしまい

”イメージ豊かなコラージュ”と受け取ってもらえない部分だろう。

 

さらに歌詞についても

アイドルの楽曲でしかあり得ないぶっ飛んだ設定になっているので

アイドル好きの人とそうでない人とで評価は正反対になるだろう。

(AKB48の柏木由紀は、ラジオ番組で、この曲の歌詞について熱く語っている)

 

ということで

この曲は

メロディも歌詞も、聴く人を選ぶ楽曲である。

そのあたりが次作「LOVE涙色」とは違うところだ。

かといって

「草原の人」とか「THE LAST NIGHT」などとは違って

ちゃんとファンの心を掴んだ曲なので

あややを語る上で欠かせない重要な曲であることも確かである。

 

☆☆☆

 

以前、このブログでも書いたことがあるのだが

この曲でMステに登場した「あやや」を見たときの記憶は

いまだ鮮明に残っている。

めっちゃカワイイなあ、と思ったのもそうだが

曲が終わって、司会のタモリが「かわいい!」と感嘆したのが

それ以上に驚きだった。

タモリが、Mステでそういうコメントをすることは稀有なことなので

印象に残った。

亜弥さんのファンになったとき

youtubeで最初に探した映像でもある。

 

(その時のMステの映像)

https://www.youtube.com/watch?v=h_zT2Yelejc

 

☆☆☆

 

さて、今回は

21歳でもカワイイ亜弥さんの映像にします。

この曲でこの映像にしたのは2つ理由があって

1つは、10代でカワイイのは当たり前として

20代になっても違和感なくこの曲を歌える亜弥さんの可愛さにやられたこと。

もう1つは、衣装のビジュアルが残念なことが多い亜弥さんのライブで

これは曲のイメージにぴったりだということ。

もうビジュアルばかりですが

まあ、これは歌唱力を聞かせる曲じゃないし

ノリノリで可愛ければそれでOKということで。

 

トロピカ~ル恋して~る 松浦亜弥コンサート2007秋~ダブルレインボウ~

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6 コメント

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Unknown (アヤまる)
2016-03-06 10:59:55
キレイになりましたね!新装開店おめでとうございます。
この曲の歌詞、男子目線で考えるとこのシチュエーションでは欲望が先に立ってこういう事は関心がないわけですが、Twitterを見ているとこの歌詞に共感する同年代の女子は多いですね。
そういう意味では女子高生目線をしっかり掴んでるつんく♂氏の感性は凄いなと思います。
返信する
つんくの感性 (korou)
2016-03-06 18:12:33
>アヤまるさん

実をいうと、私は
こういう内容の歌詞は苦手でして
もし曲がつまらなかったとしたら
絶対聴かない類の曲ですね。
(まあ、亜弥さんの曲なんで
 絶対聴かないということもないんですが)

それにしても
ティーンの女の子が共感する歌詞が書ける30代の男というのは
一体何なんでしょうね。
「100回のkiss」の作詞者がつんくということを知って驚き
そのことをブログに書いている女性の文章を読んだこともあります。

  「口づけ100回 したならあなたは
   100回スキだと言ってほしい
   そしたら絶対 私は笑って
   100回あなたを許せる」
なんて歌詞を、懸命にひねり出していく三十男。
才能があるというのは因果なことです。

あと、新装開店の件ですが
長いあいだ、gooブログのタイトル部分には
写真が挿入できないものだと思い込んでいました。
昨日、そういうことも可能だということを知って
急きょミニ改造した次第です。
もともと、こういう感じでブログをリニュアルしたかったので
やっと念願叶いました(^^)
返信する
やはり、ダブルレインボウ (大sansan)
2016-03-06 18:48:50
まだ21才ですからね。
今じゃ、21才って普通にアイドルしている年齢なんですけど。

選ぶとすれば、このダブルレインボウのテイクですよね。
大人の可愛らしさ、格好良さ、歌の上手さ。完璧だと思います。
返信する
パクりました (korou)
2016-03-07 20:25:42
>大sansanさん

今回の記事の最後のほうは
実のところ
大sansanさんがかつてこの曲について書かれた記事を
そのままパクったような内容になっています。

やはりアイドル時代のあややの分析に関しては
大sansanさんの文章に啓発されるところが多いですね。
(とはいえ”ごんぎつね”も面白く読ませて頂きましたが・・・)
返信する
納得のテイク (beginner)
2016-03-08 15:15:24
誰もが認めるデビュー曲。そして盛り上がりに欠かせないこの曲。

実は前回のデビュー曲の解説の時にコメントしたかったんですが、長文になりそうなので遠慮致しました。
そして今回も遠慮しよう…いや!言いたい!
やはりダブルレインボウのこの時最高ですよね!!

活動が止まった後にファンとなった私が、松浦亜弥という一介のアイドルだと思っていた人に、こうも、どハマリするキッカケとなったのがこの当時の可愛さと、そして何より「格好良さ」です。

この可愛らしいお年頃女子の曲を、妙に凝ったりアレンジして歌う訳でもないのに、可愛さと一緒に格好良さが漂っており、気付いた時の衝撃がすさまじかったのを覚えております。
その衝撃の発端となったのが、この動画の時の、まさにこの曲だった。。

アイドル時代の可愛らしさで信者となった人も、私のように歌唱力の良さを認識してファンになった人も、どちらもうならせてしまうのが、この当時の松浦亜弥にあると思っています。

かれこれファン歴1年となる新参者の私ですが、いまだにプライベートでヘビロテしている中、同じような思いの方がUPしてくれている記事は本当に仲間のようで嬉しく楽しく拝読させてもらっています。これからも楽しみにしているアノ曲がまだ残っている…と楽しみにしております。
返信する
「ダブルレインボウ」ライブ (korou)
2016-03-08 18:54:31
>beginnerさん

「ダブルレインボウ」の亜弥さんというのは
それ以前とそれ以降に分けてもいいくらい
何かがふっきれた感じで素晴らしいですね。

ただ、リアルタイムでどうだったかを調べてみると
もう、この時期には初期の多くのファンが離れていってしまっていて
本当にヘビーなファンだけが
やや醒めた目で”大人志向の亜弥さん”を見つめていたような・・・そんなことを
想像させる文章が多く目につきます。

デビュー時からの亜弥さんのファンといえば
もう本当に純粋なアイドルファンだったでしょうね。
その人たちは
20代になった亜弥さんのイメチェンを見ているうちに
ある日突然
こんな風に悟ったのだと思います。
”もっと単純に可愛くて、元気よくて、Hな妄想が全開できる女の子のほうがいい”

その分岐点が、亜弥さんの場合
「ダブルレインボウ」なんでしょうね。
ライブの出来は「進化ノ季節」以上で
かつ「OTONA no NAMIDA」よりはるかに良いと思うのですが
たとえばAmazonでのレビュー件数を見ると
「ダブルレインボウ」については
それ以前より、がくんと激減しています。
従来のファンは
活動の迷走、アイドルっぽい歌い方の封印、バラード系楽曲の増加
などへの不満が重なり
「進化ノ季節」での亜弥さんの”進化”を評価できないまま
ファンをやめていったのでしょう。

その一方で
本当にわずかな人数にはなりますが
そんな亜弥さんに注目して
新しくファンになった人も出てきます。

思うに、10代・20代の男性なら
10代のアイドル真っ只中の女の子に熱狂できるわけですが
40代以上になると、一男性ファンとして
10代の中高生の年代の少女に熱狂するのはどうなのか、という
ためらいや抵抗が出てくるのは当然かもしれません。
その一方で、というか、その代償のような感じで
20代・30代の女性の可愛さに熱中していくのかもしれません。
まして、亜弥さんの歌い方というのは
日本語の発音が美しく、歌詞の意味をきちんと伝える歌い方で
さらに、中高年男性の癒しとなるキレイな声質なので
上述のような可愛さと相俟って
一度その魅力にハマると
自分でも信じられないくらい、亜弥さんの世界にのめり込んでいくわけです。

そんな新しい中高年ファンが満足できるレベルのライブが
「ダブルレインボウ」以降の一連のライブということにになりますが
まあ、こんなことは
あらためて書かなくても
皆感じていることだとは思います。

私個人は
今まで「ダブルレインボウ」の声質の悪さに
やや評価を低くして見ていました。
でも、何度も視聴するうちに
亜弥さんの魅力は、歌だけではないという当たり前の事実に気づきました。
いつもは、勿体ぶった曲解説めいたことばかり書いていますが
その実カワイイ女性は大好きなので
「ダブルレインボウ」の亜弥さんに徐々にハマリつつあります。
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