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エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

人物像の深掘りが王道を破綻させる『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで:2』

2025-04-17 04:30:00 | ライトノベル
 水曜はラノベ愛語り。今回は前回(R7.4.10)の作品の2巻目を紹介します。
 紹介する作品は、戸倉儚先生の『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで~迷惑をかけないようにしてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました~:2』です。内容は、「パーティを追放された主人公が、実はチート能力の持ち主で、どんどん無双して活躍する」…なのですが、2巻目は1巻目と雰囲気が違っています。
 1巻目は、ラノベに多い「追放+チート=無双」パターンで描かれていました。そして、主人公ヴィム・シュトラウスが驚異のチート付与術「傀儡師(ペプンシュピーラー)」を使って、強敵を撃破して終わると言う、王道な感じの展開で終わっています。
 普通のラノベだと、2巻目では主人公ヴィムが更に活躍して、どんどん名声や地位を高めていく…となります。この作品でも、基本的には同じパターンなのですが、徐々に王道パターンから外れていく…と言うか、ヴィムの中で王道パターンが破綻する展開となります。それは、「この世界における『迷宮』とは何なのか」と言う謎に迫っていく事が1つの理由であり、「主人公ヴィムとは何者なのか」と言う謎とも密接に関連しています。
 更に言えば、主人公ヴィムの人物像…対人スキル能力が低く、自己評価が低めで、どうしても根暗&卑屈になりがち…も、ヴィムの中で王道パターンを破綻させる事に繋がっていきます。もちろん、これは先程の「主人公ヴィムとは何者なのか」とも関わっていると考えられます(2巻目では明確にならないので、曖昧な押さえとなってしまい申し訳ありません)。
 この、主人公ヴィムの人物像について、私は分かる部分があります。対人スキル能力が低い事から、生きにくさを感じる事が私にもあるからです。
 今でも覚えているのが、何十年か前の中学校時代。学年で集まっている時、ちょっと空き時間が出来て、周囲の仲間との雑談が始まりました。私の横には隣の学級の男子がいて、仲間と楽しそうに話していたのですが、話している内容に少し間違いがあったのです。それを私は、「あ、それ間違ってるよ」と気軽に指摘してしまいました。その途端、その男子は真っ赤な顔になり、「うるせぇ! 黙れ、デブ!!! 」と怒鳴ってきたのです。もちろん、私は黙りました。
 後で冷静に考えたら、まぁ、相手が怒ったのは当たり前です。気分良く仲間と会話していたら、大した親しくもない隣の学級の男子が、自分の間違いを指摘してきたのですから。カッとなって、怒鳴りたくもなるでしょう。これは、どう考えても私が悪いです。
 ただ、自分について弁護させていただくなら、この辺りの「距離感」を掴むのが、どうも私は上手ではないのです。相手との距離を詰め過ぎたり、よそよそしくし過ぎたりしてしまう…対人スキル能力が低いのでしょう、きっと。
 この物語の主人公ヴィムも同じです。相手との「距離感」を掴むのが非常に下手くそで、その事を自覚もしています。だから、「今回の対応で、相手は不快にならないだろうか…」と常に悩んでいます。それなのに、1巻目で強敵を撃破した為、周囲はヴィムを英雄として接しようとします。その事が、ヴィムにとっては大きな負担となると気付かずに…。
 こう考えると、この2巻目は、主人公ヴィムの人物像を深掘りし、それにより人と人とが理解し合う事を難しさを描いているとも言えそうです。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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