太田市長とれたて日記

清水まさよしが太田の元気をお届けします

権不十年

2006年12月27日 | Weblog

もう20年も前のことだったか、細川さんが書いた本に「権不十年」というのがあった。熊本県の知事だったころの本だ。当時ではめずらしい横書きでハードカバー、彼の格好いい写真が挿入されていた。随所に薀蓄(うんちく)のある文章があった。気に入った本のひとつだった。
連休で「も一度読んでみるか」と思い、あちこち探したけど見当たらない。
あの本は「権腐十年」ではなく「権不十年」であった。

 

今になって「権不十年」がいわれている。
自民党は「知事や政令都市の首長は3期まで」と長期政権に加担しないという方針をだしたが、それはすなわち「権不十年」そのものである。その人が「いいとか悪いとか」というのではない。
細川さんがいいたかったのは、長期に権力の座に座っていると「腐る」ということではない。腐るからだめだ、というのではない。とにかく、特定の人間が長期にわたって権力を握っていることがいけない、というのである。

 

親しかった宮城県の浅野知事さんは12年で自ら辞めた。そして、21世紀臨調でいっしょにやっていた岩手県の増田知事さんも3期で辞めるという。
地方分権を推進するために積極的な行動をしてきた。キャピトル東急でいっしょに議論してきた仲間だ。
「お若いし、積極的だし、どうして?」
彼らは「腐ってきたから辞める」わけではない。まだまだ旬であり、考え方は新鮮だ。
客観的にみれば「もったいない」と思う。
彼らの哲学が「権不十年」をさせているのだ。

 

来月、21世紀臨調の会議が開かれる。三重の北川知事が8年で辞めた、そして浅野さん、増田さん、次々とリーダーを失って「これからどうする」ということが議題になるはずだ。
彼らはみな「権不十年」なのだ。
権力の座に着いて十年、別に県民に背信的なことをしたわけではない。
きっと、新たなリーダーを迎えることが県の活性化につながると考えてのことだと思う。自分の生まれ育ったまちが好きだからこそ「権不十年」とも思う。いや、もっと思慮深い心があってのことかもしれない。

 

年の瀬にきて、自分自身のことを含めて「権不十年」を考えてみた。
来年は市長になって12年目になる。
市長選を戦うとき「権不十年」をいった。旧い体質を変えるには粉骨砕身10年やればなんとかなると思った。そして、全国からも注目される都市になった。経営状態はよい。
だからこそ、この辺で「フレッシュな考え方をもった方」にバトンタッチかなと思ったりしている。


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