「これだけ多くプロポーザルを実施している市はめずらしいですね。すばらしいことです。他の市ではあまりやっていないと思います。」建築物に入札は似合わないのだ。
審査委員長の宮崎教授(前橋工科大学)は講評の後、ほめてくれた。
宮崎教授にはつい先だって、沢野小学校のプロポーザルの審査委員長もお願いした。群馬大学工学部もプロポーザルで設計業者を決めた。
私が市長になってから、そのほとんどは設計者の知恵とか考え方を第3者、複数の専門家に選んでいただくことにしてきた。良い作品が増えたと自負している。
『史跡・金山城跡ガイダンス施設、地域交流センター建設』プロポーザルの審査が終わって4A会議室で報告をいただいた。
いつも、最終審査に残った2作品だけの説明をうけることにしている。一応は私が発注者になるわけで何も知らずに作品が決まるのもおかしい。かといって、審査委員が決めたことをひっくりかえしたことはない。
総額で5億円程度の建物になる。
金山への「ゲート」としての位置づけになる。からたち沢の上にある2段になった、それほど広くはない2つの土地が使われる。
5人の審査委員が全員「隈研吾建築都市設計事務所」を選んだ。
今年は東山から金山への遊歩道の接続が設計される。松風峠の上に橋をかける。
この橋から東を望むと、足利から佐野への眺望が開ける。そして、山つつじの群生も見られるようになる。金山の公有地化を進ませた結果、山頂までの新たなルートが可能になった。
さらに、金山城ガイダンス施設からの沢伝いのルートと合流することにもなる。
東金井から入るルートを残すことになった。
1%まちづくり事業で遊歩道にチップが敷かれるという。走る人にも、散策する人にもやさしいコースができていく。役所が手がける事業に市民が付加価値を高めていくという「協働」が金山に起こりつつある。
金山にごみが絶えて久しい。市民総出の金山清掃がきっかけになっているが、多くの市民の「金山を愛する心」がそうさせているのである。
新たな散策ルートとガイダンス施設、交流施設の活用が重なり合っていくことを期待している。