「アンフェア」という映画の撮影があった。
太田市役所を使ってもらえるのは初めてだけに私もうきうきだった。エキストラを募集したら500人を超えた。「よくここまで集まったね」が感想だ。
「わたらせフィルムコミッション」というNPOの方が見えられて「太田の人にできるだけでていただくようにしました」といってくれた。ありがたい話でお礼をいった。
前のブログで撮影の紹介とエキストラ募集の告知をした。
「あれはまずいんじゃないですか。いっぱい集まってきて混乱しますよ」とだれかにいわれた。「市長のブログなんか若い者たちはみてはいないよ。気にすることなんかないよ」私は軽くいなしたけど、心の中は「ひょっとかして」と心配が残った。
プロデューサーが見えられたが、そのとき何かいわれるかと思ったが何もいわれなかった。
エキストラって女性が多かったみたい。男に比べて、女性は何にでも積極的だ。
「集まりぐあいはどう?」「男が不足しているようなんで職員に呼びかけています」
40歳以上が10人、それ以下が5~6人ということだった。端役であっても通行人であっても映画にでられるなんていい話ではないか。
「市長も初老の見物人かなにかで」なんていわれたが、とんでもない。初老の人たちは私を含めて、概してはにかみ屋が多い。
その日は1日中用事があった。夕方、役所に着いた。
駐車場にはパトカーがあったり、護送車があったり、ロケに使ったのであろう大道具、小道具が所狭しと陣取ったままだった。正面玄関にはステンレスでできたシャッターが下りていて、それを撤去しているところだった。
5時からFM太郎で「篠原涼子さんとのいまどきトーク」が予定されていた。
友達に役所まで送ってもらった。駐車場はガードマンがいて「ここからは入れません」といわれるにきまっているからだ。行ってみてそのとおりであった。
「市長だから・・」というので特別扱いはきらいだ。歩いて入るにはそれほどの抵抗はされない。
福祉会館内のFM太郎のスタジオに着いたのは5時ちょっと前。撮影で疲れているのに、私のトーク番組にでてもらえるとは・・。生で見るのは初めてだし、話なんかできるとは考えてもいなかった。率直にうれしい。
「時間前ですが、早めにやりますか」アシスタントディレクターの方がいう。
どんなトークをしたらいいのか、頭は真っ白である。だから「いつでもけっこうですよ」と答える。
小顔のすらっとした女性がFM太郎に現われた。篠原涼子さんである。
女優というのはすまし顔でとっつきにくい存在というのが先入観としてある。彼女は売れっ子である。歌謡ショーなどで歌手と立ち話しをしたりする。作り笑いはするが「私は歌手よ」というプライドのようなものを感じることが多い。ところが・・・
「(撮影では)ほんとうにお世話になりました」
第一声がこれである。こっちがわくわくさせてもらったり、人気者の女優さんと話をさせていただいたり感謝しなければいけないのに、「礼儀正しい人だなあ」という気持ちにさせた。
「14歳ころですか、歌手になりたいと思ったのは。写るんです、で自分で写真をとってオーディションを受けたんです」
「太田におばさんがいて、よく太田にはきました」
「映画は単にドンパチではありません。テレビでもよかったし、この映画は親と子の愛情もありきっと満足いただけますよ」
このトークは11月28日(火)の12時半から放送します。聴いてください。よくおしゃべりしてくれました。
「どんな映画を見るんですか」と質問された。
「ALWAYS3丁目の夕日とか・・半落ちとか」古い映画しか頭に浮かばなかった。「やはり古いなあ」と思われたにちがいない。「花田少年・・」とか「海猿」とかいえばよかったかな。あるいは昨日でも映画を見てきておいて「・・」といえばよかったかな。後に残る反省であった。
「監督が清水市長さんを知っているようで、お礼にとこれを渡されました」
発砲スチロールの大きな箱を渡された。中にはお母さんの名刺がついていた。監督は松井田出身のようだった。中身? 内緒です。
私も尾島でつくった「麦とろ焼酎」でも渡せばよかった、と反省である。そうそう、18日も撮り残しがあるようで、そこで用意できればと思っている。
3月に封切り。初日に映画館に出かけたい。