カメラメーカーのひとつオリンパスが、長年にわたる不正経理によって、今渦中にあると報じられています。僕自身はカメラとしてのオリンパスしか知らないのですが、業務内容は内視鏡を軸とした医療機器が大半の様子ですから、カメラ自体は事業の中の1~2割程度のウェイトらしいのです。しかも、ここ何年かはカメラ事業では経営的にペイ・ラインを維持できていないことも報告されています。
このままでは、オリンパス社は立ち行かない状況でもありますし、ましてやその中のお荷物部門のカメラ事業部など、存続できるか怪しいと見るのが常套でしょう。ではありますが、僕はオリンパス社(中でもカメラ事業部)には、ぜひ健全な形で再スタートを切って欲しいと思っていました。高校時代に憧れた1眼レフカメラのOM-1。結局手にすることはありませんでしたが、僕にとって長年の憧れであり続けたカメラです。そしてデジタルカメラが世に普及し始めた頃には、僕も数機のオリンパスのカメラを購入しました。デジタル・カメラ、デジタル写真の入り口を、オリンパスのデジカメと共に過ごしてきました。
今はCanon使いの僕ですが、コンパクトで使いやすそうなオリンパスの1眼カメラ(レフなしですよね)を、1台欲しいなぁと思っていた矢先の出来事に、とてもびっくりしてしまいました。現在社長のポストにある高山修一氏の求心力がどの程度かはわかりませんが、歯切れの悪い記者会見は、見ていて痛々しくもありました。言いたくても言えないことや、聞かれても言いたくないこと、言うべきでないことは果てなくあるのでしょうが、こうなった以上淡々とオープンに語る姿勢が望まれるのかもしれません(難しいでしょうけれど)。
そんな折、最初に不正経理の追及を始めた元オリンパスの社長、マイケル・ウッドフォードにカムバックしてもらうための活動がオリンパス社内で始まったようです。僕も、ウッドフォード氏の再任がひとつのキーになるとは思っていましたが、外部からの圧力ではうまく行く可能性が半減です。でも、こうして社内からのアプローチとなれば、一番良いシナリオではないかと感じました。
以下、朝日Com.11/13の記事より引用です。
巨額不正経理問題に揺れるオリンパスで、疑惑を内部告発したマイケル・ウッドフォード氏(51)の社長復帰を求めて、元専務の宮田耕治さん(70)が声
をあげ、社員の署名集めを始めた。11日、宮田さんが朝日新聞記者の取材に応じ、「世界に認められる体制でオリンパスが再スタートするにはウッドフォード
氏が不可欠」と述べた。
宮田さんらは「勇気をもって告発した元社長のウッドフォード氏こそ、信頼回復のリーダーシップをとるに最適な人物」とする呼びかけ文を作り、10日に現役社員への働きかけを始めた。インターネット上に「オリンパスの再生に向けて、社員が立ち上がるサイト」も作る。
宮田さんは1995年から2006年までオリンパスの取締役を務めた。取材の冒頭、「もしその間に不正があって、それを会社として決断していたというこ
とになれば、それに関しては私はクリーンではない、責任を果たせなかったということになる」と前置き。「ウッドフォード氏が引き受けてくれればオリンパス
復活のチャンスがあるが、それ以外の人が社長になっても世間は温かく見守ってくれないと思う」と話した。現経営陣がウッドフォード氏を解任した理由として
挙げた同氏の「独断専行」について、「それはあり得ない」と否定した。