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美瑛の「四季」

北海道フードマイスターの宿主が綴る「今日もない物ねだり」

この美味しさには文句が言えません♪

2013-02-27 18:50:24 | 「食」と「食材」
ちょっとまた前置きが長くなって恐縮ですが(だったら書くなと言うご指摘は、いつもの通り却下です)、最近クルマの保険のCFで納得しかねることがあります。よくネットの宣伝でも出て来るような気がしますが
・保険料金は乗る分だけ。
・ゴールド免許だとさらにお得。
ってヤツ。ちなみに僕は愛知県で15年ほどゴールド免許を保持していましたが、美瑛に移住すると間もなくブルーに転落。やっとゴールドにカム・バックか!と思っていた矢先にも些細な標識見落としでチャンスは潰えてしまいました。おまけにお仕事上けっこう距離は乗る方です(1年で1万5千kmくらいでしょうか)。運転好きですし。
で、例の「乗る分だけ」と「ゴールドはお得」の両方とも恩恵にあずかることはありません。ま、こうなると僻み、妬みみたいなものですが、僕の持論を少し読んでください。

まず、走行距離に関しては距離乗るドライヴァーの方が単純に考えて運転慣れしている可能性は高いので、一概に事故にあう頻度が高いかは疑問です。タクシー・ドライヴァーが運転上手なのは言ってみれば当たり前で(プロですからねー)、たまのサンデー・ドライヴァーの方が随分怖い気がします。
さらにゴールド免許も似たようなことですが、ペーパー・ドライヴァーに近い方がゴールド免許を持っていらっしゃることってこれまた納得です。

なのでたくさん距離を乗る、事故歴はないけどブルー免許のドライヴァーと、ペーパー・ドライヴァーでごくたまにハンドル握るドライヴァーと、どちらの保険料をどうするかって単純には決められないんじゃない?
きっと・・・優遇されない僕の勝手な妄想ながら、初期設定価格に差があるけれども、1度事故して保険使っちゃうとグーンと高くなっちゃったりして?

あー、いつも以上の前置きにお付き合いくださってありがとうございました。長かったですよね。事故なんて、免許の色に関わらず、しない・されないに限りますね。
で、今日お伝えしたいのは、こちらの北海道産ワインです。なかなか美味しい道産ワインにめぐり合えなくて悶々としていましたが、1年半ほど前に知った宝水ワイナリーの最上級ブランド、Riccaシリーズのケルナーは酸味が強烈ながら飲み進むうちに酸に慣れた舌が、仄かな甘味やコクを探り当てます。美瑛産のしっかりした味わいの野菜類にはいい相性です。2009ものでした。この1年ほどで2ダースをお楽しみいただき、次のヴィンテージは2011年になりました。まだ若い、溌剌としたワインです。
この2011年が、すっごく美味しいんです。酸は角が取れて、葡萄の旨みがナチュラルに出て来ています。少し甘味も強くなり、よりお料理にフィットしやすくなったと思いました。試しにごぼうのかき揚げと、椎茸をオーヴンで焼いてバルサミコを少しだけ降ったものと楽しんでみましたが、どんどん進んでしまいました。

昨年三笠から岩見沢のワイナリーを一巡りした際に「やっぱりまだ葡萄樹が若いなぁー。これだと根も深くには届いていないし、葡萄に凝縮感を期待するのは早いのかな」と諦め気分でしたが、どうしてどうして!2011年のRicca・シリーズはレベル高いです。葡萄は長寿の方が美味しいワインが出来るってのは、単純には間違っていないと思いますが、2011年産の宝水ワインを飲んでいると、そんな単純な物じゃないな!と気づかされます(やっと前置き部分とほんの少しつながりました)。
今まではワイン・リストの片隅に、「いちおう北海道産ワインもありますよ」と載せていましたが、今年は真ん中の方に引っ張り出してきちゃおうっと。

問題は商品の確保ですね。少しずつワインのレベルを上げて来ている三笠の山崎ワイナリーさんは、いつも欠品傾向です。以前から好評価の洞爺湖畔の月浦ワイナリーさんは、映画の影響もあって商品間に合っていません。宝水ワイナリーさんもこれだけ美味しいとなると早めにお願いしておいた方が良さそうですね・・・。


2月14日は・・・?

2013-02-15 01:24:21 | 「食」と「食材」
毎年なんやかやで私もいただくチョコレート。チョコ好きにとっては嬉しい日、と言えば間違いなくそう。美瑛に来てから華やかなバレンタインの日とは、縁が無くなりました。
だって美瑛には、殺気を感じるようなチョコの売り場がありません。今ってどうなんだろう・・・?きっとそんなに変っていないような気がする、と思ってみるものの実際にはどうか知る術もありません。
普段はあんまり行かないデパートの1階(地下の場合もありますよね)に設けられた特設会場で、オシャレで小粋なブースが並んでいるエリアには、2月初旬の週末にはたくさんのお姉さま(時に女子高生?)で賑わっていました。
そして1か月後の3月初旬になると、今度はおじ様たちでごった返すありさま。うーん、懐かしいです。

すっかり浮世離れしてしまった美瑛暮らしも間もなく6年。2月14日に、こうして「今」のかけらに触れられて、ちょっぴりほっこりしている僕です。でもって、この閑散とした田舎町で、こんな都会的なチョコを用意してくれたお嬢さんにも「ありがとう」。

ウチでは、あ、そうだ!ちょうど彼女の家から昨年いただいた小豆を煮て、粒あん作っていたのでした。北海道産の小豆は、美味しいです。小売されている小豆には記載されることはありませんが、小豆には(たぶん豆類全てに)等級と言うものがあります。粒の大きさ、色、ふくらみ、キズやしわの入り具合(豆の美しさ)等などから、いわゆる専門の人たちが最新鋭の機器を使って決定しているはずです。
そうやって仕分けされた小豆たちはそれぞれに活躍の場があります。お赤飯のように、小豆の粒のよしあしがストレートに求められるものや、粒あんなら少々見た目はいいけれども、皮のやわらかさとあんにした時の美味しさ、漉しあんでしたらもう見た目はあんまり問われないですよね・・・。それぞれに美味しい小豆のお菓子やご飯になって、日本人の「ちょっぴり特別な」日にお付き合いする小豆たちです。

ウチが小豆を煮て粒あんを作っているのは、もちろんデザートの出番に備えて。小豆は和の食材ではありますが、僕個人的にはデザートのひとつとして、生クリームをホィップしたものとの相性が良くて、大好き♪ただ、生クリームの主張に比べると、いくら甘味がはっきりしていても小豆のうまみは控え目。強いホィップとさりげない小豆を、どうバランスさせようか今年のテーマの一つです。
デザートには、どうしても地元食材の出番が少なくなりがち。コーヒーだってそうですね。もちろん排他的に考えているわけではありませんが、せっかく北海道に(そして美瑛に)来ていただいたんだから、北海道の美味しいものを召し上がっていただきたい!。まぁいつもの自己満足。それを通り越して押しつけかも・・・ですよね。

種明かしですか・・・。当館に来ていただいたお客様には時折お出ししたパンナコッタ。生クリームも牛乳も、もちろん北海道産です。あの量を3分の1くらいにして、その上にこの粒あんを少しだけ緩めてやはり3分の1ほど乗せます(これで量的には3分の2)。すると、美味しいデザートが1品出来上がります。
ただしパンナコッタは、いつもはバニラビーンズふんだんに行きますが、なしの方がいい感じ。コーヒーとのフィッティングもOKです。フルーツとの相性確認があんまりできていませんが、イチゴとは絶妙でした♪
もう一品、焼き菓子もちょっぴりお出ししていますが、こちらとの相性はさすがにチェックできていません。


ワインでも飲みながら・・・。

2013-02-01 02:04:02 | 「食」と「食材」
日本農業に絶望させられて少々ブルーになっていても仕方がありませんので、ワインでも飲みながら気分を変えることにしましょう♪

昨日、 10日ほど前に注文しておいたワインが届きました。楽しみにしていたので、到着と同時に1本試飲という名目で飲んでみました。とっても美味しくて、すごく豊かな気分になれました。ワインが好きな理由は、お料理との相性がいいってことではないかと思います。実はビールも好きですが(好きな人、たくさんいらっしゃると思います)、ビールはお腹がいっぱいになって美味しいお料理が食べられなくなるような気がします。また日本酒も美味しいと思うのですが(と節操もないただの酒好きです)、お料理が「つま」になって、主役はお酒という関係がちょっと残念に感じています。その点ワインは飲んで楽しく、お料理をさらに美味しくしてくれる魔法の(ような)お酒です。食いしん坊(と言うよりは、美味しいもの好き)の僕にとって、美味しくて楽しいワインは、食事(夕食だけですよ)のテーブルに欠かせない存在です(ちなみに1日おきに飲むペースです)。

昨日やって来たワインはボルドー中心で、マルゴー村からCh.フェリエール、オーメドックからCh.カントメルル、サン・テステフからオルム・ド・ペズ(ペスはかのランシュパージュと兄弟シャトーでもあります)、そしてイタリアのトスカーナからフレスコバルディが醸すジラモンテの4種類です。カントメルルは華やいだ香りがとてもエレガントで、濃いルビー色、葡萄の甘さとしっかりしたコクとわずかな酸味が素晴らしい大好きなワイン。そして格付けではないけれども、カントメルルに勝るとも劣らないバランスが美味しいオルム・ド・ペズ(ペズは、あのランシュパージュと兄弟シャトーでもあります)・・・。うーん、チーズと一緒にバケットをかじりながら、薪ストーヴの揺れる火の隣で飲むワインは美味しいですよね♪
「記憶に残る」ワインみたいなものが、ワインをお好きな方には誰にもあるんじゃないかなぁと思います。初めて美味しいなぁと思ったワイン、初めて好きな人と飲んだワイン、初めて料理との相性に気づいたワイン、自分自身の定番ワイン・・・。
僕にとって、初めて「こんなに美味しいワインがあるんだ!」と驚いたワインは、マルゴーのCh.フェリエールでした。いわゆるボルドー格付けワイン(3級)ですが、何しろ格付けワイナリー中最小の畑(8ha)から生産されるために、ちょっと入手が困難な(あんまり売っていない)ワインでもあります。ここ数年お目にかかることが出来ませんでしたが、今回はどうにか半ダースを入手しました。ワイン好き、それもマルゴーの柔かなコクが楽しめるややしっかり目のワインがお好きでしたらぜひお選びいただきたいワインの1つがフェリエールです。

ちなみに当館ではいわゆる超高級ワインはオン・リストしていません。そんなワインに相応しいお料理を提供できてもいません。肩ひじ張らずに、ただ「美味しい」「料理と仲良し」なワインたちばかり。そしてもう1つは出来る限り市販価格に近いお値段で楽しんでいただきたい・・・。そう、何しろ僕自身がお酒が弱いくせしてワイン・ラヴァーでもあります。


親しきなかに・・・。

2013-01-24 17:59:16 | 「食」と「食材」
昨夜、当館に宿主仲間の方が集まって、ワイン会という名目のおしゃべり会がありました。参加者8名でしたので、まぁわいわいやるには一番いい感じの集まりでした。

会社勤めを25年もやりましたので、その間には親睦会と称して大小さまざまな宴席やらイッパイ会に参加しました。1メンバーであっただけのことが多いと思いますが、時には幹事役で主催したり、歓迎会で迎えてもらったりさまざまでした。こういった会はもちろん出席は任意で、出欠表がまわって来て希望を記載しますが、会社勤めの場合多少の強制力があったように思いました。どうせ会費をお支払いして出るわけですから、できることなら楽しく・美味しく、が理想ですが、理想に近づくことが出来たのは入社して10年以上たってからだったことは間違いありません。ある時、釣り大会の開催の出席表がまわって来た折に、どうしても外せない用事がその週末に会って「欠席」としたのですが、「参加者が少ないからもう1度出席表を回覧しなさい」と、会長をやっていた役員から指示があったこともありましたっけ・・・。

さて・・・、今こうして吹けば飛ぶような宿屋のあるじとして暮らしていると、かような制約は一切ありません。なければないで、何となく物足りない、集まって意見を言ったり聞いたりしてみたい、と思うのでしょうか、集まりの開催を企画する要請をあちこちからいただきます。人が寄り合うのが嫌いではない僕としては軽いノリでお受けしてしまい、今回も「酔っ払い伝説」がまた増えてしまった次第です。
それにしても、来ていただいた宿屋のオーナーさんたちは、とてもマナーが良く、気遣いがあると感じました。こういう会をもうひとつやっていて、そこでも同じようにメンバーの方の思いやりに襟を正すことが多いのですが、昨夜は初めてのメンバーもいらしたせいか、すごく気持ちよく過ごすことが出来ました。酔っ払い伝説に気遣いも気持ちよくもあるかぁー?と言われてしまいそうですが、気遣いある雰囲気に気分がさらに和んだのかもしれません。

人は(いや、僕は、ですね)、だんだんお付き合いが深まって慣れてくると、このあたりが疎かになってしまうものだと思います。一番顕著なのはカミさんとの接し方なのかもしれませんが、それはもちろんのこと初対面から数回お会いするようになり、お茶を飲んだり同じ組織で共通の課題を担ったりするうちに、少しずつ最初の緊張感が薄れて行きます。ここまではまぁ良いのですが、さらに時間と回数を重ねて行くと、そのうち「してもらって当たり前」プラス「この程度の我が儘は許される」のような勘違いを起こしかねません。

昨夜皆さんがお帰りになった後に片づけをしながら、すごく思いやりのあるメンバーだったなぁと楽しさの余韻ににっこりしていました。こういう間柄で、いつまでも続けられたらいいなと思いながら、そのためには僕自身の接し方のマナーを、もう一度考えてみる必要があるなぁと気づきました。皆さん、お疲れ様。そしてありがとうございました。

補足:
ワイングラスだけでワインを持ってこなかったMさん、次回はワインお忘れなく!
「これも飲もう!」と次々指名したEさん、セラーの中身チェックはほどほどに!
長靴を間違えて履いて帰ったTさん、普通気付くよ?。今度は靴に名前書くかな。

ちょっぴりこんな事件もあったけど、またやりたいものです・・・!


リンゴのパイを焼く。

2013-01-10 00:50:33 | 「食」と「食材」
今日(ってもう昨日ですが)焼いたデザートは、リンゴのパイです。いわゆるアップル・パイ。パイって結構奥が深くて、ケーキ(僕の場合8割くらいは焼き菓子なんですけどね)を作り始めた頃に勢いでやってはみたものの、「うーん納得!」という出来栄えにはなかなかなりませんでした。難点はいくつかありまして、そのうちの2点が
・パイ生地作るのが手間。
・果物から出る水分で、べたつく。
と言うところなんです。これってどっちも結構手強くって、例えば生の果物から作るとなると、サクッと焼けないことが多いんですよね(ちょっと腕に覚えのある人にとってはなんてことないんでしょうけれども)。

何度か失敗を重ねるうちにパイから離れ(と言うか、ちょっとおいらには無理だぞと諦め)、ほかのケーキを焼きながら、またパイに戻ってトライしてみる・・・みたいなケースってあると思います。
で、問題のパイ生地ですが、これはこれで利用度が高くて冷凍保存もOK。僕は滅多にパイ焼かない(焼けない)ですから毎回ほぼ使い切っちゃいますが、一般にはそこそこ作っておいて、パイ作る時にいる分だけ小出しにするパターンではないでしょうか。ちなみに頻繁にパイ焼く場合に、生地から作ってたらたまりません。えっと、また脱線ですが、簡単パイ生地(ざっくりとバターが固形で残るくらいに混ぜて、層にしない)と、真っ当なパイ生地(折り込みパイ生地)がありますが、真っ当な方が慣れたらやりやすいかもしれません。簡単パイ生地は、どこまで混ぜていいのかわからない気がします。とにかく生地は慣れあるのみでがんばる。
僕はクロワッサンをたまーに焼きますので(イーストを入れるかどうかの差はありますが)、層を作ることに関しては多少はできるようになって来ました。僕でも回数やれば何とかなりましたから、ぜひ簡単パイ生地じゃなくて、折り込みパイ生地でやられるといいと思います。一番難しいのは、バターにしても生地にしても四角く伸ばすところです。

もう1点の果物の水分ですが、コーンスターチを使って吸収させようとかいろいろありますが、1度煮るなり焼くなりして、水分を出し切ってしまうのがいいみたい。ケーキに入れて焼いている最中に、リンゴでも洋ナシでもけっこうな水気が沁みだしてきます。これをグラニューとレモン汁を少し加えて煮出しておくとパイ生地やタルト生地がサクッとしたまま焼けるところにようやく到達。
ちなみに果物は前の日に煮て、水気を切って一晩おいておくとやりやすいです。

パイ生地のストックがあって、前日に煮て水分出しておいた果物があって(缶詰でもうまく行くと思いますが、僕の場合は見栄もあるので絶対生の果物ですね、えへへ)、って準備があれば、パイもどうってことなく焼けてしまうと思います。

ちなみに少し面倒なケーキでも、材料計量後に作成プロセスは全部頭に入れておくことも大切ですね。手が離せない、でもって手が粉だらけの時に「えーと、次どうするんだっけ?」ってのは、ご法度(僕が時々やっちゃう失敗例です)。
それにしても、リンゴ3個の皮剥いてくし形に切っている時にも、自分の手際の悪さ(遅さ)が悩ましいです。これって僕個人のスキルでもあるし、もともとの不器用さも関係していると思うんだけど、一度ちゃんとケーキ作りを学んでみたいな・・・。コツと言うか押さえるべきポイントが、ちょっとわかるとすごくすんなりいくことってありますよね。なんか、ラクしたいってのとは違うんですが、同じパイを作った時にもっと美しく美味しく焼いてる本職の方に、少なからず憧れている僕です。