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美瑛の「四季」

北海道フードマイスターの宿主が綴る「今日もない物ねだり」

美瑛の「木」。

2013-02-26 18:35:39 | 美瑛の風景
夏には夏の、秋には秋の風景が美しい美瑛ですが、その美しさに彩り、あるいはアクセントを与えてくれているのが美瑛にあるたくさんの木です。いらしたお客様の中には「木を全部制覇します!」と意気込んで見にいかれる方もいますが、そんなに欲張らなくたって大丈夫ですよ・・・。
誰もが知っているあの木、この木を見なくたって、道路から眺める名もない木が、あなたにはかけがえのない素敵な風景に溶け込んでいることだってあります。メジャーな木を、思いつくままに挙げて行くと、たぶん10本近くなるような気がしますが、それ以外にも

・恋人の木
・絵本の木
・吟遊詩人の木
・夕日の木
・家族の木(親子の木じゃなくって)

なんて、知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?さらには最近僕がいいなぁと思って頻繁に立ち寄っている2本の白樺の若木(雰囲気は「なかよしの木」)だって、けっこう素晴らしい景色を作っていると思います。

たぶん、たくさんある有名な木も、最初は名もない1本の(あるいは数本の)木だったに違いないですよね。それが何かのCF(クルマとかタバコとか)に使われたり、有名人が来て名前を付けちゃったりして、木の名前だけが独り歩きをし始めて行ったような経緯ではないのかな・・・?
だとすると、有名な木は1本か2本、そのたたずまいを見ていただいて、あとは自分だけのお気に入りの木を探してみてはいかがでしょうか。

この冬は超有名な木の根元近くに残る、雪原の足跡がすごく少ないように思います。畑に入らないように気をつけているんだなぁーと気づいたことは、この冬の嬉しい発見でした。僕の印象は、有名人じゃないや、有名木は少しお疲れかもって思うんですよね。ちょっと擬人化過ぎるかもしれませんが、もうちょっとそっとしておいてあげるといいかも。その分「私だけのお気に入りの木」を見つけて、美瑛を訪れた時にそっと眺めてみるのもいいんじゃない・・・?

その木が四季折々に見せる表情って、何となく気がかりでしょ。僕も2本並んだ仲の良さそうな白樺の若木が、雪が融けたらどんな風に見えるのか楽しみです♪

補足です:
二本の若い白樺の木の周辺に残る足跡は、ノウサギのものです。


息を飲む美しさは、すぐそこに

2013-02-17 00:12:52 | 美瑛の風景
早朝の輝き、夕暮れのオレンヂ色。朝・夕の光が斜めにさす時間帯に、絶景を見つけることのできる可能性は、より高くなるのだと思います。それでも日が高くなってからだって、あるいはまだ夕暮れには早い時間帯だって素晴らしい景色が身近に・・・。

のほほんと、のん気に朝ごはんをすませて、ゆっくりコーヒーを飲んだ後、あ、今日も青空が綺麗だな。でかけてみることにしようかな・・・。みたいにぼんやり過ごしながら丘に出ると、おぉー、のんびり気分も吹き飛ぶ美しい風景が目に飛び込んできます。
落葉松林の上に果て無く広がる青空の大きなこと。空ってこんなにでっかいんだ!と気づくはず。そしていつもの場所に行って、2本並んだともだちの木(なかよしの木、姉と弟の木、皆さんだったら、どんなネーミングを思いつくんだろう?)も、広大な丘の斜面にすくっと2本だけ立っています。
あちこちを巡り歩いて、まだ夕方には早いなぁとふと丘に目を向けると、雪と風がつくったやわらかなふくらみ。かわいいような、微笑ましいような、思わず触りたくなるけれども畑に入っちゃダメ、を思い出しながら・・・。

真冬の丘の1日は、思わぬ発見がいっぱい。有名なあの場所にクルマを走らせなくたって、寒さを気持ちよく感じながら少し歩くだけで、あちこちに思わぬ素晴らしい光景が待っています。

真冬の美瑛、好きだな!


奇跡のような、絶景に・・・。

2013-02-12 00:59:43 | 美瑛の風景
昨日11日は、朝から素晴らしい景色が待っていてくれました。お客様と約束したのは午前6時半。6時過ぎに起き出して、着替えてクルマの暖機をしながら歯を磨いていると、もうスタンバイが出来ていらっしゃる様子です。あわててカメラの準備をしてクルマに乗りました。
何しろ予報とはちょっと違って、晴れ模様です。快晴とまではいきませんが、綺麗な朝焼けが見える予感です♪

このところどこに出かけるといい景色に出会えそうなのか掴めて来たので、おおよそのタイムスケジュールが頭に入って来ました。お天気の具合でコースはもちろん変わりますが、ベストなお天気だったら朝行きたい場所は赤羽でしょうか。ここはポプラの木と朝日と十勝岳の山々が、ファインダーに綺麗に収まってくれるので嬉しい場所です。
6時40分ごろに行くと、予想通り先客ありでした。僕たちも思い思いの場所でシャッターチャンスを狙います。それにしても寒い朝でした。出がけに確認すると、午前6時でちょうど氷点下20℃。この時期としましたら普通に冷えた朝ですが、日が昇っても寒さは収まらずにしばらく氷点下18℃前後が続きました。わずかな風に、手袋を外した右手が凍りそうです!
でも、泣き言を言っている場合ではありません。空が刻々と色を変えて、朝日が空を染めて行きます。残念ながら雲が多くなって絵にかいたような日の出には出会えませんでしたが、時間と共に変化する雲が紅く染まり、なかなか素敵な空模様になりました。
丸山橋を越えて三愛に着く頃にはすっかり曇り空になり、いったん撤収です。

お客様をお送りした後、お昼直前に出かけた丘は実に透明感ある真っ青。午前11時少し前ですが、まだ気温はマイナス10℃です。日の光が春の到来を思わせるように、ほんの少し強さを増しているような気がしますが(たぶん日が高くなっているからでしょうね)、寒さはもちろん半端じゃありません。

夕方、これまた定番のクリスマスツリーの木へ向かいます。おとといの哲学の木もそうでしたが、ツリーの木ではたくさんのカメラマンが場所を競ってカメラを構えていました。停まっていたクルマはウチのクルマを入れて8台!撮影者はざっと15人と言う盛況ぶりです。3連休の最終日の午後4時過ぎ、たくさんのカメラマンをツリーの木がうならせました。日が沈む時に、綺麗なオレンジ色の太陽が木にかかり、そしてうっすら曇った空に暈(日輪)を作りました。ハァーと息を飲むのも束の間、実はそのポイントはごく限られているので、7~8人のカメラマンがひしめいているのです。
この日嬉しかったのは、カメラマンがギリギリのところで畑には入らずに、15人ほどの人が暗黙の了解で一線を越えなかったこと。しかも、絶好の撮影ポイントを誰かが占拠することなく、少しずつ入れ替わって皆がいい場所で撮影できたことです。すごいなぁー、やっぱり美瑛の景色を愛する人って、みんなマナーがいいなぁ!
僕は景色で感動して、皆さんのマナーにこれまた嬉しくなってしまいました。

家に戻ると、ちょうど目の前のカラマツ林に日が沈みます。ここもすごく綺麗でした。

現在12日午前1時。また明日も素晴らしい景色に会えそうな予感です。なぜって、今もまた気温が下がって氷点下20℃を越えたんです。気温は空が晴れて、放射冷却が起きないとマイナス20℃までは行きません。ですから今頃は満天の星空間違いなしです。

美瑛の景色もいいが、真冬の夜空を見たいと言うご要望は、一切却下です。


Northern foxes♪

2013-02-10 00:14:17 | 美瑛の風景
今日(9日)は千代田にお買い物です。お天気は晴れたり曇ったり・・・。こんな日は、丘の表情が刻々と変って見ていて飽きません。最近お気に入りの、あの2本の木が並ぶ場所へ(ちょうど途中にありますから)。そう、なかよしの木(?)。2本の木を眺めていると、不思議に優しい気持ちになっている自分がいます。
そして今日はその木を見に行った時に、嬉しい発見をしました。仲よく並んだ2本の木に招かれたように、2匹の子ぎつねが木の周りを小走りにじゃれ合いながら駆けて行くところでした♪

またこんな時に限ってカメラに広角レンズしかついていません。そっとクルマを停めて、もう1本だけ持っていた50mmのマクロレンズに取り換えます(あー、なんで丘に出かけているって言うのに、持っているのがマクロレンズなんだろう???、もう!)。
静かに窓を開けて(ドアを開けて僕が出て行ったら、きっと子ぎつねがびっくりして隠れてしまうでしょう)、息を止めてファインダーをのぞきました。うーん、小さいなぁ・・・。距離にしたら3~40mくらいですから、はっきり見えているんだけど、レンズはこれしかないから仕方がないよね。結局1匹は林の中に入ってしまい、こちらを気にしているもう1匹だけを写しました。
この冬は、雪原に残る小動物(キツネのほか、ウサギやエゾリスや・・・)の足跡をたくさん見かけましたが、思いのほか本体(?)には会えないでいました。こうして何気ない丘の斜面で子ぎつねが少しじゃれながら駆けていることのできる場所って、とってもいいなぁーと思いました。

並んだ木を後にして、三沢方面にクルマをゆっくり走らせます。千代田の丘の手前あたりで、雲間が割れて青い空がのぞきました。その裂け目から日の光が燦々と丘にこぼれて来て、部分的に雪原をグレーから真っ白に変えて行きます。
大地が、そして太陽が、雲が、青空がダイナミックに色の変化を見せてくれました。何時間でも見とれてしまいそうな場所にポツンとひとり佇みながら、あ、ヤバいヤバい・・・、約束の時間まで、もう間がありません。


今日も雪の中をさまよいながら・・・。

2013-02-09 00:44:15 | 美瑛の風景
旭川空港に行く途中に、カラマツの先が綺麗に霧氷で白くなっているのを教えていただきました。カラマツは林になっていて、その集合体としての景色も結構綺麗です。前日の氷点下22℃までは行きませんでしたが、8日も14℃まで下がった美瑛は、朝方晴れ間が一瞬広がったんです。あー!とカメラを抱えて走り出したい衝動に駆られましたが、そんな本能のおもむくままには行かない時だってありますよね!

空港から戻ると、曇って来たお天気を恨めしそうに眺めつつ、スノーシューですぐ近くの丘に行ってみることにしました。スノーシューは購入して2度目のトライ。もう勝手はわかっているので、気軽に出かけてみます。今回も軽装でミドルカットのトレッキング・シューズで行ってしまいましょう。ただし紐だけは少し強めに結んで!

丘を歩く時に気を付けていることは、畑に入らないこと。僕がスノーシューで踏み入る場所は「道路」と決めています。もしかしたら、少し山になった高台(=丘の頂上部分)に立って見ると、今の場所よりももっといい景色が待っているかもしれません。でも、経験的に言わせていただきますと、そうでもないことがほとんどです・・・。うわぁー、いい景色。でも先に見えるあの丘に行ったら、もっとすごい景色が見えるかも!と思い込んで行ってみると、またその先に丘があります。実はその見えている丘が、美瑛の素晴らしい景色そのもの・・・。そんなことに気づくのに、けっこうな時間がかかったような気がします。ここしかない!と意気込むほどの場所ではなくたって、すぐそこから見える景色が十分素晴らしいと、今になって感じています。6年・・・、長いような、あっという間のような。

聖人君主のようなことを書きつつも、お日様の曇り加減には少し不満の僕。はっきり言ってお天道様には文句は禁物とわかっちゃいますが、煩悩100%で生きている僕は、きっと今にもいちゃもんつけそうな面持ちだったのかもしれません。
青空には恵まれませんでしたが、吹雪ではもちろん無くて、2月の上旬にしては少し暖かい日(後で調べたらマイナス6℃前後でした)。道路と言ったって、急坂で雪が1m近く積もった場所を数百mも上るとちょっぴり汗が滲みました。

それにしても、初秋から何度も来ているこの丘(ただの、山路の先の開けた場所です)、すごく好きだな。少し曇ってはいましたが、時折雲間から光が差して、丘に陰影を落として行きます。ぼやぼや眺めていましたから口だけ(文面だけ)。お見せできるような写真は今日は撮れませんでしたが、除雪されないこの道を、雪が無くなる前にたぶんまだ何度か上りに来るつもりです。え、いつ雪融けするのかですって・・・?えーと、年によっても変わりますが、だいたい1か月後くらいまではあるはずですね、たっぷり雪が。