最近よく耳にすることのひとつが、格安航空券で成田に行ったとか、3月に関西に行く、という話題です。最初に「えー!」と驚いたのは、スカイマークの運航する旭川-成田線で、片道980円と言う早期チケットがある、というお話しでした。何でも10席だけが設定されて、期間限定で利用できるようです(すでに完売しているらしいです)。成田-羽田間のリムジンバスが3千円ジャストだったと思いますから、この値段設定はいくらなんでもやり過ぎに思えてしまいます。
その後に飛び込んできたのがピーチ航空の千歳-関空線で250円の設定もするというお話しでした(こちらは全シートの10%を設定するようです、当然期間限定なのでしょうけれども)。

そもそもどうしてこういう「無茶?」な価格設定がなされているのか不思議に思っていると、世界の航空路線が非常に低価格で提供されるようになり、それを専門に扱う航空会社が日本にも乗り入れてきているからのようです。いわゆるLCC(Low-Cost Carrier)というくくりに入る航空会社の日本参入を機に、全日空・日本航空ともに海外資本と共同出資して、自前のLCCを立ち上げたため、こういったべらぼうな価格の路線が華々しく話題になっているんじゃないかと考えました。
僕からしたら、AirDoやスカイマークもLCCに該当するような気がしますが、どうやら今回のピーチ航空(ピーチ・アビエーション、ANAと香港の資本)が日本初の本格LCCということになるのだそうです。
それで、思うのですが、いくら就航直後のキャンペーン(路線の認知度を一気に高める目的でしょうか・・・?)とは言っても、千円足らずで北海道から成田または関西まで行けると言うのはちょっとやり過ぎのような気がします。
僕らのような宿屋にとって、旅費の経費節約につながる航空運賃の圧縮は大賛成ですが、かと言ってどう考えてもやりくりの出来ないような価格設定で運用されるのは、ちょっと不可解な気持ちになってしまいます。例えば地方自治体が路線の満席状況に応じて、一定の利用者が確保できない場合には補てんをすることも、過去にあったと思います(LCCではなかったですが)。そうなると、それは税金の投入となってしまい、本当に安いのかどうかがわからなくなるように思えます。モノやサービスには「適正な価格」という基準があると思いますから、可能な限り適正な価格で運用をしていただいた方がいいんじゃないか、と思えるんです。
たとえば(あくまでも1つの例ですが)、羽田空港から私たちの生活する美瑛の最寄の旭川空港まで、1万5千円が適正だとします。そうしたら、いらっしゃるお客様は飛行機の往復費用だけで3万円が必要になります。それでも行こう!と思っていただくために、美瑛として(それはちょっと上段に構えすぎですが)、宿屋としてどういうことができるのか、考えて行かないといけませんね。
ただ、片道5千円で行けるから気軽に行くかー、と来てくださるお客様におんぶしてしまうだけでは、きっと使い捨てのようなリゾートにしかなり得ないような予感がします。
飛行機の運賃は高いなぁとずっと感じていたのに、こうして破格の設定を目の当たりにすると「それはないよなー」とちょっと天邪鬼な僕がいます。
ピーチ・アビエーションのホームページは
こちらです。半年、1年経過するうちに、ホームページもどんどん変化していくでしょうから、スクリーンショットだけ貼っておきます。