goo blog サービス終了のお知らせ 

美瑛の「四季」

北海道フードマイスターの宿主が綴る「今日もない物ねだり」

嵐のような黄金週間が去って。

2012-05-07 05:26:13 | 「宿」のあれこれ
賑やかな黄金週間が四季を訪れて、そして去って行きました。いらしてくださった、素敵なご家族の皆さんとの歓談を、いっぱい楽しませていただきました。ありがとうございました。
今はこうして皆さんと過ごせた昨日までの時間を素敵な思い出として語ることができますが、お迎えしている毎日はもうてんてこ舞い(どんな舞いなんですかね?)!やっといい感じでペースが出てきたところで黄金週間も終わってしまいました。ちょっとあわただしくなると、このブログの更新も儘ならない僕です・・・。

あ、お話変わりますが、1つ前の記事で書いた美瑛産牛肉、イチボのロースト、美味しいですねぇ。お肉のロースト物は、どうしても半端が出ます。端っこのカリッと焼けた部分を結局僕たちがいただくのですが、うーん、何とも絶品の素晴らしい美味しさでした。このお肉の端っこをつまみ食いしていると、どうしても赤ワインが欲しくなっちゃうんですよね。今回いらしたお客様からも「1杯だけ、ご一緒にいかがですか?」と言われて気持ちが崩れそうでしたが、かろうじて踏みとどまりました。ワインは大好きですが、ちょっといただいてしまうと、もう自分のお仕事が疎かになるのは必至です。あー、危なかったー(お誘いは、めちゃくちゃ嬉しかったのですが・・・)。

お休み中は、後半お天気がちょっと崩れた美瑛です。どしゃ降りにはなりませんでしたが、厚い雲が垂れ込めて、ぱらぱらと大地を湿らすこともありました。幸い長続きする雨ではなくて、雲が切れて明るくなって、丘の景色を楽しんでいただくことも出来たように思います。
旅は75点が満点、そう聞いたことが何度かあります。お天気が良かったら、最高だったのに。そんな思い出と共に再訪を期して旅を終えられるのも良いのかもしれませんが、結局十勝岳も雄姿を見せてくれたり、自転車で丘の景色がご満喫いただけたりしましたので、85点くらいにしていただけたかもしれません。

そして、農家さんにとっては耕作の一番忙しいこの時期に、恵みの雨ともなったことでしょう(ちょっと少なかったのかもしれません)。あれこれしなくちゃなーと思いながら過ぎてしまった冬から春にかけての季節が終わり、また美瑛に忙しい毎日が戻って来ました。私たちもどうにかウォーム・アップを終えて、また忙しさのピークを無事に乗り越えたいと思っております。お客様から頂いた、元気の破片が体中にみなぎって、がんばるぞー!と叫んでいます。


久しぶりなので、目がまわります・・・。

2012-04-30 00:10:28 | 「宿」のあれこれ
ここのところ、のん気に週1日も働くかどうか・・・というまったくもって、これじゃいけませんって!と思わず言いたくなるような稼働でしたが、ゴールデン・ウィークに入って突然忙しくなりました(って、まだ始まったばかりなんですけどね)。

あれやってこれやって・・・、僕がこれやったらカミさんがその次をやって・・・。のんびりしていただけに、忙しくて目まぐるしいです。

今日は、美瑛産の美味しい牛肉が手に入りましたので(イチボです!)、これをローストにしましょう♪ちょっぴり塩コショウをして、待ちましょう。30分ほどしたら、じっくり焼き上げます。結果は・・・、ちょうど中身がピンク色になって、美味しく焼き上がりました。その間にタルトの型を焼いて・・・。

何だか繁忙期には、手順がしっかり頭に入っていたので無駄な動きが少なかったんですが、今はペースが出ないのでまごまごしています。もう2~3日したら、たぶんペースが出るはずですが、そうこうしているとゴールデン・ウィークが終わっちゃうんですよね。
この連休は、お天気にも恵まれそうです。丘の景色も少し緑になって来ました。

みなぎる・・・新しい力。

2012-04-21 23:10:19 | 「宿」のあれこれ
若い人、若い力、新しい発想・・・、そういったものを無条件に全面支持するつもりはありません。けれども密かに期待と目論見を胸にしのばせながら、美瑛町観光協会の部会に出席したのは、去る19日(木曜日)のことでした。
今年は協会の補佐役&監査役でもある理事の改選をする年にあたり、これからどうやって美瑛の観光行政を現場を持つ立場から支え、盛り上げて行けるのか、少し真面目に考えるタイミングに該当していました。宿を始めてまだ5年に満たない僕は、あきらかにおんぶにだっこ組。観光協会が何をやってくれるのかなぁーなんてのん気な心構えで過ごしてきた数年はあっという間に過去のものになって、自分自身でどうすべきかわずかではありますが、やっと意識し始めるようになってきたのかもしれません。

どんなことでも何かをやれば、そのトレード・オフとなることがついてまわります。例えば・・・
・Aをやる、代わりにBはやれない。
・Aを支持する人が多いので決める。でも少ない反対者が残る。
・Aを実施する。でも出来ない場合には責任がついてまわる。
そんなわけで、ちょっと周囲を見渡してみれば、決めない方がラクなことが如何に多いことでしょう?原発の再稼働だってやるのかやらないのか、決めればいずれもいばらの道ですよね(でも、僕は段階的な脱原発希望者ですけど・・・)。

そんな曖昧で中途半端な気持ちで臨席しながら、僕は今回の部会では新しい協会の理事を担ってくれる人のことを想定していました。具体的な名前を出してもいいと思いますので、その方たちを紹介します。
◎トムテルムのオーナー、太田氏。
◎スプーン谷のざわざわ村のオーナー、小田氏。
です。美瑛町の観光をこの先2年に渡って考える、若い(40歳前後のふたり)人です。前回の理事の改選の時にも、僕は彼らがなってくれたらいいと思っていました。それで今回は、部会の席で僕自身の意見を述べ、彼らを推挙しました。そして意外にも(実は、こうなるとは思っていなかったのですが)、恐縮しながらも彼ら2人が受けると意思表示をしました。さらに誤算だったのは、僕まで3人枠の理事に推薦されてしまったことですが、このお2人の才能を引っ張り出すためでしたら、僕にも出来ることがあるかもしれません。少し覚悟の足りないままに出席してしまった僕ですが、お声掛けいただけるうちにがんばってみるべきですよね。

雪を割って芽を出すふきのとうみたいな若い2人は、ただ若いだけではありません。美瑛を愛し、この地を訪れる人にどうやってこの地の良さを深く知っていただけるか、真剣に考えています。また美瑛の魅力を高め、価値を正当化し、美瑛ファンを作るために手弁当でがんばる心意気です。
僕は2人の口から出てくる言葉に圧倒されて、ややたじたじとしてしまいましたが、こんな実力を持った2人に遥かに遅れて足を引っ張らないよう必死でついて行かなくっちゃね。


素晴らしい結婚式にご招待されて。

2012-04-09 19:46:41 | 「宿」のあれこれ
日曜日は、当館のスタッフ「ねこむすめ」さんの結婚披露宴でした。

今月に入って、お天気の良くない日がずっと続きました。心配していた8日は、7日に続いて青空が広がりました。旭川駅から特急スーパー宗谷2号に乗ってお昼ちょっと過ぎに到着した札幌は曇り空。聞けば前日7日は、雪が降ったそうです。幸い午後からは札幌の空にも次第に青空が見え隠れするようになりました。神様も、ねこむすめの結婚式を祝福してくれているようで、ちょっぴり嬉しくなりました。

ここでちょっと話題が逸れますが、ここ数年結婚式に出たことのない僕は、最近の結婚式事情に随分疎くなっていると思います。例えば、少し前まではいわゆる仲人という人を立てて挙式をしましたが、2000年くらいを境にそんな結婚式は随分少なくなったと聞きます。僕の頃は、結納の時にも仲人さんにご足労願い、なんだか意味もわからない結納の品を携えて、両家を行ったり来たりしてもらいました。仲人さんには本当にお世話になったなぁー。何ともはや古めかしいお話しですが、北海道ではさらに1歩進んでいて(と感じるのです)、挙式は会費制(もちろん今回も)、男性は臨席に際して礼服ではなくスーツでって具合なんですよね。男性群が全員黒い礼服で揃う僕の故郷(愛知県界隈)のことを思うと、式そのものも変わり、地域事情による変化もありで、少なからず緊張してスーツ姿で札幌に向かいました。

場所は札幌のローズガーデン・クライスト教会。ほどなく出席者が待合のホールに集まって、係の方の運営に沿って聞き慣れない讃美歌の練習をして、式を挙げる教会の礼拝堂に通されました。
美しいパイプオルガンと合唱の響く中、お父様に手を引かれながら入場してきたねこむすめは、純白のドレスの中で、いつも以上に輝いていました。荘厳な中で通りのいい神父さんの宣誓によりふたりは晴れて結婚しました。

場所をピエトロ・セラーナというパーティー会場に移して行われた披露宴で、少しリラックスした新郎・新婦に再会。うん、随分笑顔が戻ってきたようです。
美味しいお料理の数々と、大勢かけつけた若者たちの賑々しさに包まれながら、あっという間に3時間が過ぎて行きます。最後に精一杯の思いを込めて来場者、親族、そしてご両親に感謝の気持ちを切々と語るねこむすめは、華やかなドレス姿にあってひときわ凛とした決心が伝わって来ました。同じく最後を締めくくった新郎は、いつものクールでインテリジェンスの塊りみたいな雰囲気を脱し、目を潤ませながら深々と頭を下げました。

この日まで、彼をパートナーに選んでいくことに対する、たくさんの葛藤が彼女にはありました。彼が本当に素敵な人だったので、悩むこともいっぱいだったことでしょう。そのあれこれを、ちょっぴりかもしれませんが知っていた僕たちは、彼女の晴れ舞台の嬉しさもひとしおでした。もちろんご両親は、大いなる充足感と安堵感に包まれたことでしょう。そして何より、本人たちの喜びも、筆舌には表現しきれないものだったに違いありませんね。

溢れるほどの夢と、ほんの少しの不安を両手いっぱいに抱えて、さぁ、ふたりで新しい日々に繰り出して行きなさい。「思い切って生きて行けよー」と、いつしか心の中で叫んでいました。良かったねー、おめでとう!!!

さてっと、500枚に及ぶ写真を整理しなくっちゃ・・・。何とか1割くらいはモノにしたいな、ねこむすめとも約束したんだから。「写真はまかせとけ」ってね。よく言うよなぁーと自分でも冷や汗いっぱいですが、出来る限り、美しい新婦と凛々しい新郎を、残してあげたいな。

※少しずつ写真をアップしていく予定です。


きっと誰にだってある、素晴らしい宝物。

2012-04-02 01:46:50 | 「宿」のあれこれ
お願いして、掲載のご許可をいただきました。こうして「お宿のおやじ」をやっていると、実にさまざまな小さいことだけれども、これ以上無いっていうくらいに大切な瞬間にご一緒することができるものです。

僕らは皆、幼少から思春期、そして青春を共にし、あるいは初めて社会人となったその時期に、また転勤や初挑戦で出会った場で、仲間となった同志、チームメイト、悪友、親友・・・、そう言った人たちに少なからず助けてもらう場面があったと思います。
普段は心の奥底にしまってあるけれども、彼から(彼女から)フォローしてもらったことは、生涯忘れない、そんなことが。
昨日いらしたお客様は、そんな大切な瞬間を当館で過ごされたおふたり。ちょっとおすましして、ゆっくりゆっくりと食事が進んで行きます。せっかくだから、そして記念の日だから、とお開けいただいたワインがだんだん残り少なくなる頃、ちょっとずつお2人の会話も賑やかで楽しげに。
いろいろあったよね・・・、と言葉と瞳を交わすふたりには、きっと走馬灯のように一緒に過ごした時間がよみがえっているのでしょう。

僕にもあります、昔一緒に過ごした友人たち。どうにか成功させようとがんばった職場仲間の人たち。昨日の2人のやり取りのそばで、グラスにワインを注いでいたら、僕も懐かしい瞬間・瞬間のことを思い出していました。

忘れられない大切なこと、誰にだって(もちろん僕にだって)ありますね、いつもは意識もせずに記憶の断片に仕舞われていることって。古い昔のことを思い出したって、今、目の前にあることが解決できるってことにはならないけれども、そこからポジティブな気持ちに切り替えることはできます。
そうだ、きっとあいつだってがんばっているよな。僕も、こんなところで挫けている場合じゃないぞ!って。

雪が深々と降る夜、少しだけ火を入れた薪ストーヴがやわらかい暖かさを溢れさせながら流れる時間の中で、嬉しそうな笑顔のおふたりを見守りながら、僕もちょっぴり神妙な気持ちになりました。がんばれ!僕の友人たちへ♪そしておふたりの明日が、また素晴らしい未来につながって行きますように!!!