詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車」NO.82

2011年11月09日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第四部第三章「真実」NO.82

「この女性、私の姉なの。人事部にいる。綾部静香。そして男は、妻子ありの人事部課長 高橋秀樹」
「!!」
「この写真・・・・・」
「うん、昨日、社内オールメールで流れた。」
友香は、見る見る間に青ざめ、硬く握った両手には、次々と涙がこぼれていった。
「・・・・。で、どうして私に謝るの?ごめん。順番に話をしてくれないと・・・・」
「そうだよね。私、高井にこの写真をネタに脅されていたの。」
「お・・・・脅されていた?」
「うん。うちの両親、離婚の危機で、でもどうにか体裁を整えていたんだ。
父親もうちの会社でしょ・・・父親、姉、私・・・・だから離婚してそれが人事上に
不利に働くことがないように・・・・」
友香は、泣きながらも気丈に私にことの顛末を語り始めた。

「きっかけは・・・私と百合菜が、一緒に食事に行ったときに話をしていた
百合菜のおねえちゃんの死の話を、たまたま中森さんが聞いていたことから始まったの。」
「まさか・・・・」
あの時の会話をまさか、知り合いが聞いていたなんて。私は、背中に冷たい汗が流れていくのを感じていた。
「高井は、どこからか、百合菜が、冴場社長の孫娘だいう情報を入手していた。そして、百合菜が松岡君と付き合っていることも。でも、出世しか頭に無いような人だから、どうにかして百合菜と結婚して、社長の椅子を手に入れたかったんだと思う。」
「うん・・・・」
「結婚をする人にしか体を許さない。そんな話をしていたよね。あの時。だから・・・・
そして、高井に百合菜が、焼酎が苦手なことを話したのも・・・私。
本当にごめん。百合菜・・・私、自分の家族を守ることしか考えてなかった・・・」
友香は、下唇を思い切り噛み締めた。
「許してほしいとは言わないし、許してもらえるとも思っていない。
でも・・・事実をきちんと百合菜に話ししておかないと、百合菜はあの悪魔のような男と結婚をしてしまうから、それだけはどうしても・・・・」
(だから、友香は私を避けていたんだ)
私は、やっとおぼろげに事態がわかってきた。

**第四部第四章「脅迫」NO.83へつづく**


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