詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエムの部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

今日から新連載スタート!恋愛小説「途中下車〜ちょっと大人の恋物語〜」NO.1

2011年05月06日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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「途中下車」第一部


第一章 プロローグ

空は今にも泣き出しそうな曇天だった。
プシューという無機質な音をたてて電車のドアが背中の後ろで閉まった時、俺は初めてその駅が無人なことに気がついた。
どの位の間、電車に揺られていたのだろう・・・・
別に何か目的があったわけではなかった。
ただ、昨日の単なる続きでしかない今日・・・毎日、同じように繰り返される今日から抜け出してみたかっただけだ。

昨日のお酒が少し、まだ頭の隅に残っているようだった。
「少し飲みすぎたな」
誰もいないベンチに座り一人ごちた。

「おめでとう」「すごいな」という同僚達の賛美の声が、今も耳から離れなかった。
「すげーよな!高井、今度課長だってよ。同期最速!さすが高井!将来は、社長か?」
「高井!婚約おめでとう。百合菜姫のハートをゲットできるなんて、やっぱイケメン、高学歴はちげぇよな」
「おいおい・・・結婚式二次会には呼べよ・・・」
みんなが笑顔の高井をこづきながら、笑顔で何回も何回も乾杯!と言いながらグラスを重ねた。

「私、乾杯は、二人でするのが好きよ。グラスとグラスを少しだけ・・そうKISSをするように優しく・・・周りに聴こえないくらい少しだけの音をたてて」

駅舎にかけられているレトロな時計が、ふっと霞んで見えた。

「俺・・・泣いているんだ」

握りこぶしに落ちた一滴の水滴を見て、俺は、久しぶりにその両目から涙があふれていることに気がついた。

〜第二章「新入社員研修」へつづく〜
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