詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

「悪魔に魂を売った女 沙羅」最終章~「潮騒」続編

2010年12月20日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0


「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/2894361143b5bb47631d6480c47ce838


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最終章 パープル

駿と沙羅の引越しも無事に終わり、沙羅は小百合として駿と幸せに暮らし始めた・・・・・
沙羅は今度こそ、今度こそ幸せになるんだ・・・・と心の中で何度も何度も思った。
駿は優しかった。沙羅は駿のために洗濯をしたり、食事を作ったりするのがとても楽しかった。

学校には急に復学するとおかしいので、退学届を提出し、沙羅は、別の大学の通信教育をはじめた。

ネットにのっていた、小百合のブログは、沙羅の父親がすべてきれいに削除した。

沙羅がベランダの紫色の色鮮やかなアジサイに水を上げているとピンポーンと誰か客がきた。
宅急便といい、年配の男がたっていた。

中身は香典返しだった。
その差出人をみて沙羅はギョッとした。
小百合の両親の名前で香典返しがきていたのだ・・・・・・
とりあえず、沙羅は、うけとり、はんこを押すと。

「ちょっと薄いのではんこ借りていいですか?」「はい」

宅急便屋は、沙羅からはんこを借りると一枚の紙を落としてしまった。
沙羅はそれを拾って、彼に渡してあげた。

「ありがとうございます。それではまた・・・・」

というと宅急便屋は、でていった。
なにかすごく嫌な予感がして、沙羅は駿と父親に電話をかけた。

その夜、夕食を沙羅の父親と駿と沙羅でとっているとまた、チャイムがなった。

「はい。」と沙羅がでていくと

「湘南南署の者です。松岡沙羅さんですね。」

と二人の男が警察手帳を沙羅に見せつけた。」
「あ!!」そうその一人は、昼間宅急便屋としてきた中年の男性だった。

「悪いが、あがらせてもらうよ」

「なんですかあなた達は!!」
と駿が言うと

「秋吉駿、ならびに、松岡修一・・・・山口小百合殺しおよび死体遺棄の件で逮捕する」

「これが逮捕状だ・・・・・」

「松岡沙羅さんにも参考人として同行してもらおう」

「何を言ってるんですか?小百合はここに・・・・」
駿は同様を隠すように早口でその警察を名乗った男に言い返した。

男の警察手帳には「山口雄一」とかいてあった。

「小百合は私の娘だ・・・・どんなに似せても偽者だなんて一発でわかる。それに今日松岡さんの指紋は取らせてもらって照合したしな・・・おとなしくついてくるんだ・・・・・・・。今は、紙からでもきちんと指紋は採集できるんだよ。」

沙羅はいまさらながら何故あの時に、この男がわざと紙を落として沙羅に拾わせたかがわかった。


「他人の不幸の上に作った幸せなんて・・・・砂上の楼閣。いつか崩れるわ・・・」
最初に、小百合の病気の話をしてくれた小百合の親友の磯崎さんの言葉がぐるぐると
沙羅の頭の中を回っていた

Fin

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前作「潮騒」とはまるでタッチの違った、小説を書いてみました。
ネット公開するのもすごくためらったのですが、
なんかやっぱり潮騒のまま終わらせるのはイヤだったので掲載してみました。

つたない文章を最後まで読んでくださった皆様に感謝申し上げます。

ありがとうございます。

**************************

筆者の本家ブログもよろしくお願いします★

http://blog.goo.ne.jp/shelly0324

「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.8~「潮騒」続編

2010年12月17日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0


「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第十一章  ブラウン

何時間たったのだろうか、ズキズキする頭を抑えて駿が起きだした。

「やっとお目覚めかい・・・・・駿君」

「沙羅は・・・・・沙羅は・・・・・」

「車で待っているよ・・・・大丈夫だ・・・・」

駿は、血を吐いて倒れている小百合を見下ろした。


なぜか悲しみの感情がわいてこなかった。

「おまえの飲んだのは少し、睡眠薬の量が多かったようだな・・・悪かった。さてこれからが仕上げだ」

「どうするんですか?小百合を」

「埋めるんだ・・・・山の中に・・・・」

(もう後戻りはできないんだ)

「はい。」駿は、腹をくくってこの男の言うとおりにしようと思った。

二人は男が持ってきたずた袋に小百合の遺体を入れると、床についた血を丁寧にふき取った」

小百合の死体は思いのほか重たかった。二人の男は夜中の12時過ぎに、男が乗ってきた車のトランクに小百合の遺体を入れた。

すると後ろの席に沙羅が全身、包帯姿で座っていた。

「でも急に、小百合がいなくなったら、怪しまれませんか?」

「俺にすべてまかせておけと言ったはずだ・・・・」

男と駿は、山奥まで車で上っていくと、そこにはすでに大きな穴が掘ってあった。
そこに小百合の遺体をほおり込むと上から土をかけ自然に見えるように周りにもいくつか掘ったあとをつくった。

「これだけ深ければ絶対に見つかることはないだろう」

小百合の死体を始末すると男と駿と沙羅は、駿の部屋に帰ってきて、小百合がそこで殺された形跡を念入りに消した。


「これからどうするんですか????」

「沙羅、包帯を取ってみろ・・」

「はい」

するすると沙羅が顔の包帯をとると駿は、あまりの驚きに腰が抜けた。

なんと目の前に小百合がいるではないか?

「ど・・・・どういうことですか?」

沙羅は、海に流され顔も体も傷だらけだった。君の気持ちを確かめて、まだ沙羅が好きだというので沙羅の顔を小百合そっくりに整形したんだ・・・・・これで、誰にも怪しまれることはない。

でも念のため、「みなさんに迷惑をおかけしたので、引っ越します」という理由で引っ越すんだ。

私の事務所の近くに俺の名義でマンションを借りてある」


「いったいあなたは・・・・?」

「私か・・・・私は悪魔だ・・・・・デモンだ・・・・・」

「そうではなくてあなたは沙羅の・・・・・・・」

「父親よ・・・・」沙羅が淡々と答えた。

「小さな頃に船の事故で本当の父は亡くなったと聞いていた。今の父は、血のつながっていない母の再婚相手よ・・・・・・父は、一時期記憶喪失になっていたんだけど、すべてを思い出し、家に帰ってこようとしたら、母が再婚をしているのをみて、ショックは受けた。けれども、その後もずっと私を影で見守っていてくれたらしいの。父の仕事は、探偵社だから・・・・その編はお手の物ね・・・・」

駿は、やっと状況が理解でき始めた。

「すみませんでした」駿は、いきなり土下座をした。

「もう終わったことだよ、駿君。これからは、沙羅と仲良くやってくれ・・・・・君が大学を卒業したら沙羅はもう一度整形をして元の美しい顔に戻せるよう、親友の形成外科医にお願いもしてある。」

「わかりました。今度こそ・・・・一生沙羅を大切にします。」

「駿・・・・・・」「沙羅・・・・・・」

二人は強く、強く抱きあった。

では早速、この紙「皆様へのお詫びの文章を掲示板に明日貼らしてもらうように私から大家さんに少しお金を包んでお願いしよう。小百合の父親としてな・・・・・・」

といって笑った顔は、冷たさが前面にでている本当の悪魔の顔だった。


***********つづく*************





「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.7~「潮騒」続編

2010年12月15日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第十章 レッド

その頃小百合達の住んでいるマンションでは・・・・

ガチャリという音がしたので、小百合は、駿がかえってきたのだと思い、玄関に飛び出していった。

そこには駿ではなく、髪の毛を赤色や金色に染めた、柄の悪い連中が3人程立っていた。

「へぇ~思ったよりかわいいじゃん」「結構抱き心地よさそ~」「ひゅー!!」

「なんですか?あなた達は・・・・」

「お姉ちゃんをもて遊んでくれって君の彼氏から頼まれたわけ・・・このごろぜんぜんできてなくて彼女が欲求不満だからってね」というなり、靴をぬぎすて男3人は部屋のずんずん中に入ってきた。

確かにあんな写真が掲載されてから、小百合と駿はまた、いつカメラに狙われるかわからないので、お風呂は近くのスパを利用し、そして抱き合うこともなくなった。

「さてといきますか」「やりますか」
男達はニヤニヤと口元に卑猥な微笑みを浮かべ、そう言うがはやいか小百合を部屋の真中に押し倒してめいめいが小百合の洋服を破り始めた。

「やめて!!!!!駿!!助けて!!!」

三人の男の中でもリーダー格の真っ赤のシャツを着たの男が、小百合の口を抑え、ハンカチで簡易な猿轡をつくりふさいだ・・・・・・小百合はあっという間にあられもない格好にされていた。
小百合はやれるだけの抵抗をしようとしたが、大の男三人の前では無駄な抵抗だった。
二人の男に体中を触られ、順番に暴行され、もう一人の男がビデオと写真をとりまくっていた。
「今、この映像、生放送でインターネットに配信されてるんだぜ・・・うれしいだろう・・・もっともっと感じろよ!もっともっと嫌がれよ!!」というと近くに置いてあるパソコンの画面をうれしそうに指差した。

小百合は、その場で舌を噛んで死にたかったが、猿轡をはめられていたためそれもできなかった。

3人にめいめい乱暴をされ・・・・事がすむと男達は立ち上がった。

「こんな気持ちいいことさせてくれたお前の彼氏に感謝だな!合鍵は俺達が彼氏にちゃんと返しておいてやるよ」と言い、満足そうな顔をして出て行った。

小百合は、自分の体を抱きしめてさめざめと泣くしかなかった。
何故、男達が合鍵を持っていたのかわからなかったが、駿がこんなひどいことを依頼するはずと小百合は信じていた。

(どうして私がこんな目にあわなきゃならないの・・・・?それより駿がこのことを知ったら)

そう思うと小百合は、まずシャワーを浴びて身だしなみを整えた、何度か小百合が反抗をしたために何箇所か殴られてできたあざについては、ファンデーションで隠した。


しばらくすると駿が真っ青な顔で帰ってきた。

「沙羅ともう一度やり直したかったら、まず小百合を片付けなくては・・・・・大丈夫もう手はうってある
くくくく・・・・・」


駿の心の中ではあのからすのように真っ黒な不気味な男の声がこだましていた。

(小百合ごめん。俺にはもうこんな生活耐えられないし、沙羅が生きていたのだから、一生をかけて沙羅にしてしまった罪の償いを・・・・・いや・・・・・沙羅を俺はまだ愛しているんだ・・・・きっと)

「お・・・・・おかえりなさい。」と小百合はひきつってはいたが、今できる最大の努力したお笑顔で駿を向かいいれた。

ぱさ・・・・・駿は、茶色の封筒を床に落とした。

そこには、たくさんの写真が・・・そう、さっき、小百合があの3人にそれぞれ陵辱されている写真が、いろいろな角度から20枚ほど撮ってあった。

「これはなんだ・・・」駿は硬い表情のまま小百合に訊いた。

角度によっては、小百合が嫌がっているのではなくむしろ喜び、感じているように思える写真もあった。

頭の中が真っ白になった。あの人たちもう写真を・・・

一枚の紙がはいっていた。

「ブログにアップするから楽しみにしていてね・・・・すごくよかったよ。めちゃくちゃ感じてくれて俺達もうれしかったけど・・・・・ね・・・結構淫乱な小百合ちゃん・・・」

小百合は、泣き崩れた・・・・・・本当は抱きしめてあげたかったが、駿は沙羅のことを考えぐっと我慢をしたてこらえた。

「もう無理だ。別れよう・・・・・このままじゃ・・・・俺達おかしくなっちゃうよ・・・二人とも」

「いや!!!こんな私を今一人にしないで!!!!!」

「それなら・・・・・」といい、駿はごくりとつばを飲み込んだ

しばらく互いに無言のまま見つめあった。

「一緒に死のう・・・・小百合だってこんな風にされた体で生きていけないだろう・・・・・
鍵を変えても、すぐにはいられる。またいつ男達にもてあそばれるかわからない。
ましてや、こんな写真がブログに掲載されたのを君のご両親が知ったら・・・・」

「・・・・・・・・」

しばらく小百合はほうけた顔をしていた。駿の言っていることがうまく頭の中で理解できなかった。

「駿も一緒に死んでくれるの?」

「もちろん。小百合を一人にはできないだろう・・・・寂しがりやなんだから・・・・」

(沙羅もさみしがりやだった。どんなに俺が沙羅にさよならをした後、心細かったんだろうか・・・・自分で自分の命を落とそうとするほどに・・・)

「情は持つな・・・・・情に流されるな・・・・おまえも十分あの女にはひどい目に合わされたんだぞ・・・恨むんだ・・・・憎いと思え・・・・・後はおれがうまくやってやるから・・・」

小百合の心細そうな顔を見て一瞬決意がひるんだ駿の頭の中にあの男と包帯でぐるぐる巻きになれたか細い沙羅の姿が浮かんだ。

「ありがとう・・・・駿・・・・でもどうやって?」

駿は粉薬を二袋ポケットから取り出した。

「これで苦しまずに死ねる。薬学部の親友にわけてもらったんだ・・・・・」

というと、二つのグラスに赤ワインを入れて粉薬を溶かした。

「一緒に飲み干そう・・・・・」

「でももしどっちかが生き延びたら・・・・?」

「小百合は俺のことが信じられないのか?」

というち駿はいきなり赤ワインを飲み干した。


バタン・・・と駿は倒れた。それをみて慌てて・・・・小百合もワインを飲み干した

体中が暑く苦しく・・・吐き気がした・・・・天井が回り、方向感覚がなくなってき。・やがて体中から力が抜けていくようになり・・・・
唇から・・・・・・・真紅の血が流れ出した・・・・・

「駿・・・・駿・・・・さようなら」

小さな二人が暮らしていた部屋に小百合と駿が重なり合うように倒れていた。

****つづく****

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.6~「潮騒」続編

2010年12月13日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
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 第九章 シルバー

駿は、約束の時間よりも5分ほど早く、駅前の公園の噴水の前に来ていた。

時間ぴったりにシルバー色の車がハザードをつけ、駿の目の前で停まった。

車から全身を真っ黒に包んだやせこけた、からすのような男が出てきた。

「怖くないのか???」

「貴様が、俺達をこんな目に合わせたのか!!!」

「そんな口をきいていいのか?沙羅に会いたくないのか・・・・」

「沙羅は死んだんだ・・・・」

「遺体は見ていないだろう」

「・・・・・・・」

「今から沙羅に逢わせてやろう・・・・・でも小百合には内緒だ・・・・いいか?」

「嘘だ!!!沙羅が生きているなんて・・・・もうこれ以上俺達を苦しめないでくれ・・・」

「電話で言ったはずだ。信じるも信じないも君次第だと・・・・・・」

「・・・・・・・・逢いたい・・・・・逢って詫びたい」

「じゃあ・・・・このアイマスクをつけるんだ・・・・場所を知られたくないからな」

(もし、この男の言うことが、嘘で殺されてもいい・・・・もう疲れた・・・・でも俺が死んだら小百合は・・・・・・
もう俺には小百合を守る気力すら残っていないのかもしれない)

「わかった」
駿は男のいうとおり、素直にアイマスクをつけた」
車は1時間ほど走っていった。途中高速道路にのり、山道を走っているようだった。

男は、急に車をとめると

「ここで降りろ」

と指示をした。駿は、目隠しをされたまま、大きな館のようなところに連れて行かれた。

螺旋階段をあがって行き、二階の扉の前で「コンコン」とその男はドアをたたいた。

「はい・・・・・」とか細い女性の声が聞こえた。

駿には、その声に聞き覚えがあるような感じがした。

部屋に入ると目隠しをはずされた。暗めの部屋だったので、目が慣れるのに時間がかかった。

目が慣れてくると真っ白なシーツのしかれたベッドの上に一人の女性が、体中包帯でまかれた格好で横になっていた。

「デモン・・・デモンなの?」

「沙羅!!!本当に沙羅なのか?」

「その声は・・・・・・・・駿????」

「沙羅・・・沙羅、ごめん、ごめん・・・・・お・・俺が・・・・・ごめん」

駿はベッドに近寄ると包帯だらけの沙羅の体を抱きしめて泣き出した。

「沙羅、本当に俺・・すまない。でも一日も沙羅のことを忘れた日はなかったんだ・・・・信じてくれ・・・・もちろん許してほしいなんていわない。でも謝りたかった。沙羅、沙羅・・・・・愛している。」

駿は自分でもびっくりするほど自然に「愛している」いうことばが口をついてでた・・・・

「もういいよ駿・・・大丈夫よ・・・・・あなたを恨んでないわ・・・」

「沙羅・・・・ちょっと駿と話をしてくるから待っていてくれ・・・・また戻ってくるからな・・・・いい子に待っていてくれ」

というと駿とデモンは部屋を出て行った。部屋を出ると男は駿の方をまっすぐに見た。
その眼光は厳しくもあり、そして冷ややかであった。

「で・・・どうする・・・・このまま小百合と暮らすかそれとも俺との取引に応じるか・・・・・?この悪魔におまえの魂を売れるか・・・・・」

「さ・・・沙羅ともう一度一緒にいられるなら・・・・もう一度やり直せるのなら、なんでもやります。悪魔にでも地獄の鬼でもこんな俺の魂でよければくれてやります!!」

「わかった・・・」

というと男は駿に細かな指示を与え始めた

****つづく****

つづきはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/37a29a1d91c684c0d8e4dfb3e3aeb40c

「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.5~「潮騒」続編

2010年12月12日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
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第八章 オレンジ



駿は夢をみていた。そう、一番最初に沙羅と一緒に部室に行ったときの夢を・・・・

駿と沙羅は予備校が一緒だった。大学のキャンパスで沙羅に再会した駿は、お互いにポエムを書くのが趣味だとわかったため、駿の入っていた「夢追い人」というサークルに沙羅を誘った。それは、ポエム、小説、それに対する写真、イラストで同人誌をつくっているサークルだった。
沙羅と駿は、部長である岡田先輩から頼まれた、それぞれの詩を持ち寄ってサークルの部室にやってきた。
そこで岡田先輩から他のメンバーを紹介してもらった。

岡田先輩「こちらが副部長の、佐々木エリカさん 僕と同じく大学4年生文学部 おもに小説が中心だよ。こちらが、イラスト担当の、後藤良哉君 経済学部の3年生だ。
そしてこちらが、写真担当の、上杉信也君 法律学部の3年生
そしてこちらの女性3人組が、小説やポエムを書いている」

春美「うち春野春美よ。よろしく・・・今年は新入部員がはいってくるかどうか心配やったからめっちゃうれしいわ・・私たち3人組は、全員文学部のフランス文学専攻」

夏美「私が夏野夏美・・・・どちらかというと過激なポエムが多いんだけどね(笑)」

冬美「私が冬野冬美・・・・これでも推理小説を書いているのよ・・・」

春美「これで秋野秋美がいれば春夏秋冬だったのにね(笑)」

駿・沙羅「よろしくお願いします。」



(あのときの沙羅の笑顔、沙羅の髪、沙羅の香り・・・・・すべてを思い出し、駿は胸を苦しめられた。
悪魔になっていてもいい・・・・もう一度、沙羅がもし生きているなら会って、詫びたい。
俺は、俺は卑怯な男だ・・・・こんな状態になっても小百合ではなく沙羅のことを考えているなんて・・・

違うずっと卑怯だったんだ・・・・小百合が何度も自殺未遂をして、小百合の両親とうちの両親に攻め立てられて・・・・・そして情にほだされ小百合を選んだんだ・・・

あの時俺は、小百合が好きだと思ったけれどそれは情だったんだ・・・・

沙羅・・・沙羅・・・・生きているなら会いたい・・・・
あってもう一度抱きしめたい)

二人で見た、海に沈む夕日、すべてがオレンジ色に染められて
そしてはじめてのキス・・・・・


「駿・・・・駿」寝ているとふいに小百合に起こされた。「どうした小百合」

「なんか寝言といって苦しそうだったから・・・・それに沙羅・・・沙羅・・・・って」

小百合は、怒るわけでもなく泣くわけでもなくさみしそうな顔でいった。

「馬鹿だな・・・・・死んでしまった人間にまでやきもちやくな・・・」といいながら小百合のおでこをこづいたが内心では(小百合さえいなければ沙羅は死ななかった。今俺の隣で眠っているのは、沙羅だったんだ・・・・・)とだんだん駿の心の中にどす黒いものが膨らんでいった。


ちょうどそんなときだったプルルル 新しい電話に変えたばかりの駿の携帯電話が鳴った。
着信は公衆電話からだった。

どうだい・・・・・小百合君との生活は幸せかい・・・・?もし沙羅が生きていたとしたらどうするかい?
会いたいかい・・・・?それとも会いたくないかい?
まあ・・・・ここでは、答えにくいだろうから、明日の18:00駅前の噴水で会おう・・・・・まあ・・・君さえよければだが・・・私の言葉を信じるか信じないかは君次第だよ・・・・私は、君の顔を知っているからこちらから声をかけよう・・・・ガチャリ」


男の声は、ハンカチで送話口をふさいでいるようなくぐもった声だった。
駿は少しの間、今電話をかけてきた男性の言っていたことを考え迷っていた。
(沙羅が生きているかもしれない????まさか????だめだ!だまされちゃ・・・でももし万が一でも生きているなら会いたい・・・・)

「どうしたの駿?」「いや間違い電話だ・・・・」
というと「ちょっと外の空気を吸ってくる」と言って外に駿はでていった。

駿は、近くの自動販売機でここ数年やめていたタバコを買い、胸の奥まで煙を吸い込んだ。

一人になりたかった。ともかく。学校に行っても、家に帰ってきてもずっと小百合の事で悩まされていた。もうこんな生活うんざりだった。誰かが嫌がらせをしているのだが、その正体がわからなければ反撃にさえ出られない。不気味な男としかわからないのでは、嫌がらせをとめることもできなかった。

(もし、沙羅が生きていたら沙羅に詫びて・・・・小百合と別れられるのか・・・・でももういやだ・・・
こんな生活も、小百合とのぎすぎすした関係も・・・・すべて投げ出して人生をやり直したい)

・・・・そう悪魔は、人間の一番心が弱っている時に、そっとそっと背後から近づき、人間の心の隙間に忍び込み、魂ごと人間悪魔に変えてしまうのであった。


*****つづく*****



「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.4~「潮騒」続編

2010年12月11日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。

ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第七章 ホワイト

沙羅は、目をさますと自分が病院のベッドの上に寝かされていることに気がついた。

天井の白さが目についた。

「ここはどこ?」がばっと起きようとすると全身真っ黒の洋服を着て、青ざめた頬のこけた男がベッドに押し戻した。

「君は、海で自殺をしようとして、流されてきて、もうまる三日も寝ていたんだよ」
とその男はゆっくりと言った。

沙羅は、自分の腕を見ると、点滴と輸血をしていることに気が付いた。
そしてその青白い顔をした男の左腕には、痛々しいばんそうこうの後があった。

「この血はもしかしてあなたが輸血してくれたのですか? 私は・・・・」

「松岡沙羅さんだね。恋人にふられて、自殺をしようとしていたんだね。」

そういわれて沙羅は、駿と小百合の自分へのひどい仕打ちについて思い出した。
駿と沙羅はつきあっていたのに、幼馴染の小百合が、うつ病になり、同情した駿が、沙羅を捨て、小百合に走ったのであった。

「失礼ですが、あなたのお名前は」

「デモン。デーモンでもいい。漢字では、出るに門と書く。悪魔に魂を売った男だ。そして君にも僕の血が流れている。君も悪魔に心を売ったことになる」

と不気味な微笑をうかべながら、デモンは、沙羅に話し掛けた。

「わ・・私は、悪魔になんて魂は売りません」

「沙羅・・・目を閉じて・・・・私の声をよく聞くんだ・・・・おまえは本当は、駿と幸せになれるはずだった。それを山口小百合が邪魔をした。今あの二人は仲良く付き合っている。悔しくないか?恨みはないのか?心の奥深くの自分に聞いてみるんだ。恨め、恨んであいつらを苦しめるんだ。沙羅・・・・おまえが苦しんだように・・・・」と言うとデモンは沙羅に、小百合と駿が愛し合っている写真をPCで見せた。

「あいつらはこうやって自分達の熱愛ぶりをブログでみんなに公開までしているんだぞ。」

沙羅はその写真にショックをうけ気絶をし、倒れこんだ。

デモンは、沙羅をもう一度ベッドに戻すと言った。

「沙羅・・・・沙羅・・・・俺がおまえの代わりにあいつらに天罰を与えてやるからな・・

かわいそうに・・・・・」


ジェラシー(オリジナルポエム)By 沙羅

あの日の「愛している」の言葉は偽りだったの?
あの夜の甘い口付けは幻だったの?
あんなに愛し合っていたのに
あなたは、私の前から忽然と消えた

私にさよならの一言だけで

今あなたの隣で微笑んでいるのは
私とは似ていない
あなた好みの女性なの?

どうして
どうして

私じゃだめなの?

私の心は嫉妬の炎で燃え上がり
地獄の業火に焼かれるよう

ああ・・・あなたの愛をもう一度
取り戻せるなら

ああ・・・あなたと愛し合ったあの夜が
再びよみがえるなら・・・・・

私の魂を

悪魔に売りましょう・・・・


****つづく****




「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.3~「潮騒」続編

2010年12月10日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
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ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
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「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。

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第五章 イエロー


朝起きて、いつものように玄関をでると玄関のところに大きな文字で「人殺し」「このマンションから出ていけ」と書かれていた。

前回の猫の死体事件があってから駿が朝刊をとりに行くようにしていた。

そのまま、エレベータに乗り込むと

「1005号室の、秋吉さんと山口さんは結婚もしていないのに一緒に住んでいて、二人でいたいけな何の罪もない少女を殺した人殺しです。」

とエレベータの中の黄色いカレンダーに悪意のあるに黒い文字で書かれていた。


郵便受けはもっとひどいことになっていた。赤、青、黄色、緑のペンキで、それも様々な人間の筆跡で「人殺し」「出て行け」などど書かれてあった。

郵便受けを開けると、一枚の黄色い用紙にブログのURLが書いてあった。

急いで部屋に戻ってアクセスしてみると

「山口小百合の人殺しルーム」という題名のブログが掲載してあり、駿と沙羅がつきあっていたのに、小百合が、狂人のふりをして、沙羅から駿を取り戻し、ナイフで沙羅を脅しつけて、自殺に追い込んだというような内容がぎっしりと詳細に書かれていた。

小百合が、ガラスの破片を持っている鬼のような形相。沙羅のほうには、顔がわからないように目のところは黒くマスキングされていた。「スプラッターが好きな人、マーダー小百合に殺人依頼をどうぞ」と書いてあり、この間新しくしたばかりの小百合の携帯電話番号が記載されていた・・・・・

彼女さえいなければ彼女さえいなければおまえはこんな目にあわずにすんだんだ・・・・

あわててそのブログを削除しようとしてもパスワードもIDもわからないのでだめだった。
「くそ!!」駿は自分の力のなさを嘆き・・・・小百合は自失呆然としていた。



第六章 グレイ

その事件が会った後、小百合と駿はだんだん相手のことが信じられなくなりつつあった。

先日のブログは、管理元のプロバイダーに連絡をし、削除してもらったが、削除しても次々に違うプロバイダーでブログはアップされ、完全ないたちごっこだった。

俊と小百合の喧嘩も絶えず、小百合のブログの内容はどんどんエスカレートし、掲示板、コメント欄には人殺し、人でなしとの書き込みがたくさんあった。

どこで聞きつけたのか、アクセス数はうなぎのぼりでブログのランキング上位に名前があがり、また知らない人達がたくさんアクセスをしてくるという悪循環になっていた。

「小百合・・・このままじゃ俺達二人ともだめになってしまう。少し離れて暮らさないか?」

「駿・・・・駿は、私がこんな状況なのに見捨てて一人で逃げるの?」小百合は、駿の口からでた言葉が信じられなかった。

「でも、ブログの内容はどんどんエスカレートしているし、友人の話だとそれ以外にもあと10くらい小百合になりすましてのブログがあるらしい。ほとんどが、恋人(セフレ)募集と裸の写真。それと人殺しの依頼受けますという内容らしい。それに2chでは、小百合専門のスレまでできているとか・・この頃では、まあ・・・学校でも俺に話かけてくれる奴いなくなったから詳しいことはわからないけど・・・」

「私だって、全員から無視されているわよ・・・・先生にまで・・・・」

というと小百合は、両目からポロポロと涙を流した。

ピンポーン 1階の総合入り口のインターホンがなった。

「はい」と駿がでると

「宅急便です」といわれたので、とりあえず開錠した。

お届けものです。といわれて届いたのは、真っ黒なバラの花束だった。

グレイのメッセージカードには、真っ赤な文字で

一日早い誕生日に。 地獄の使者より

と書いてあった。

「これを依頼した人は誰ですか?」駿は口早に聞いたが、「電話での予約だったので。え・・・・と名前は、松岡沙羅さんって言っていたけど、くぐもったへんな男の人の声でしたよ・・・」

ガシャーン 小百合は、洗っていたお皿を床に落として割ってしまった。

「きゃあぁぁぁぁぁ!!やっぱり生きているのよ!あの女・・・あの女が・・・私を殺しにくるんだわ・・・
いや・・・・いや・・・・!!!!」

小百合は発狂したようになり、自分の髪の毛をかきむしり始めた。その姿はまるで幽霊を見た狂人のようだった。

「あの・・・・僕は帰っていいでしょうか」「あ・・・・すみません。ご苦労様でした」

宅急便屋を帰すと、割れたお皿の破片で血だらけになっている小百合の元に駿は向かった。

その瞬間駿は、昨年のあの血塗られたクリスマスの悪夢を思い出していた


クリスマスイブ・・・そして沙羅の誕生日。
彼女が、手料理を駿に作ってくれる約束だった。それなのに、チャイムがなって出るとそこには小百合が立っていて、無理やり部屋に入ってきた。
そしておもむろに洋服を脱ぎだし、「ここでいますぐ私を松岡さんにしたように抱いて!!」と叫んだ時、駿の部屋のチャイムがなった。

泣き顔で下着姿の小百合が静止する駿を押し切り、玄関にでていった。

沙羅は、驚きを隠せずに、その場で、ケーキ、料理の材料、プレゼントを落としてしまい、呆然と立ち尽くしていた。

小百合「帰って!!今日は、駿は、あなたじゃなく私と、私と・・・・」

駿「沙羅・・・・ごめん。ちょっと取り込んでいて・・・・・」

沙羅「ど・・・・・どういうこと」

ガシャン!!!!

小百合が、駿の携帯電話を窓に投げつけた。

小百合は、ガラスの破片をもつと手首に当てて、こういった。

小百合「駿・・・・今すぐここで私を抱いて・・・・じゃなければ、沙羅さんをこのガラスの破片でさして、私も死ぬわ・・・・・・・・」

駿「ごめん・・・・沙羅・・・・今日は帰ってくれ・・・・小百合は病気なんだ・・・お願いだ」

というと、駿は呆然とした沙羅の前で、ドアをバタンとしめた・・・・・・


小百合は真っ青な顔をしてがたがたと震えていた、しゃがみこみ自分で自分の肩をだき、目は血走り髪はかきむしったせいでボサボサだった。

「小百合・・・・・ごめん。やはりそばにいるよ。こうなったのも全部俺のせいだ・・・・
俺が、沙羅に対して思いやりがなかったから・・・・・だから沙羅は・・・沙羅は・・・・

まさか・・・沙羅は生きているのか?そんな馬鹿な・・・・」

「生きているのよ。松岡さんは、そして私に復讐をしているのよ」



「彼女さえいなければ彼女さえいなければ彼は・・彼は・・・・・・・」
そしてもうひとつの部屋の窓辺でほの白い姿が揺れていた。


****つづく****





「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.2~「潮騒」続編

2010年12月09日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。
ご了承の上、お読みください。

前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0

「悪魔に魂を売った女 沙羅」第一回目は下記からお願いいたします。
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/2894361143b5bb47631d6480c47ce838

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「悪魔に魂を売った女 沙羅~潮騒続編~」第二回


第三章 BLUE

コンコン 「はい」ノックをして小百合は、英語の武田先生のところへ行った。
「学校にホームページがあるのは知っているわよね。」
「はい」
「普通そこの掲示板には、学校からの周知事項とか休講情報を載せる場所よ。
一般的に学生が書き込んでいいことではないはずよ。にもかかわらずなに?この書き込みは!!」

明らかに英語の武田先生は怒っていた。
武田先生に指差された学校の掲示板を見て小百合は真っ青になった。
「誰か私と遊ばない??セフレ募集中!!携帯の電話番号は・・・080-****-****」
と書いてあるところに小百合の顔写真が載っているのだった。

「わ・・・わたし知りません。だってこの掲示板に書き込むにはパスワードが必要だって・・・」
武田先生はわなわなと震え、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「そのパスワードを推測してこんなみだらなことを!!!!まだ、学生オンリーが中心にみるところだからよかったけれども・・・・入学案内のところにこんなことをかかれた日には!!すぐに削除しなさい!!」

「せ・・先生・・・私じゃありません。だからパスワードもわからないし・・・」
小百合はぽろぽろと両目から涙を流した。

「このごろの女子学生は、泣けば何でも済むと思って・・今回だけは私が削除しておくけれど、すぐにここからでていって!!こんなふしだらなことを・・・我が校の恥よ!!」

小百合は泣きながら英語の研究室を飛び出した。そこで、ちょうど駿とぶつかった。
「小百合・・・・実は、俺も話を聞いて・・・・心配になってきてみたんだ・・・」

「駿・・・駿・・・駿・・・」小百合は小さな肩を震わせながら駿の胸のなかでむせび泣いた。


第四章 GREEN

「嫉妬・嫉妬・・・そう・・・私は、松岡さんに嫉妬をしていた。だから・・・駿をとられたくなかった。
で考えているうちに心がぼろぼろになって・・・・でも松岡さんにそんなひどい仕打ちをするつもりはなかった。彼女美人だったし、彼女のひそかな隠れファンの人がこんなひどいことをしているのかしら・・・・?それとも死体が浮き上がってきてないんだから、本人がまだ生きていて、私に復讐を?」

そう・・・沙羅は、岩場から飛び込んだがそこは潮の流れが早く、結局沙羅の死体は沖に流されてしまったのだろうということで、途中で捜索は打ち切られ、棺箱には、靴と遺書だけが入れられてお葬式はしめやかに行われたのであった。

「小百合!!沙羅はそんな女じゃない!!死んだ人の悪口を言うのははやめろ!!」
さすがの駿も昔、愛していた女性沙羅の悪口が小百合の口からでるのにはたえられなかった

「ごめんなさい。駿・・・でも、あまりにもショックで・・・・」

二人は、ちょうど中庭にでてきたところだった。

プルルルル・・・プルルルル・・・
ゼミの先輩からの着信だった。

「あ・・・小百合ちゃん?高橋だけど・・・秋吉君と別れたの?あの掲示板見て、是非、小百合ちゃんとお付き合いしたいって俺の友達が言っててさ・・・・電話してくれってうるさいんだよ」

「あ・・・高橋先輩・・・・すみません。あれは何かの間違いで・・・」

「え~そうなの・・・もう5人ぐらいから頼まれているのに・・・とりあえず、今日駅前のファミリーレストランのズーニーズにきてよ。5人紹介するから、好みの人は小百合ちゃんが選んでくれればいいから」

「だから・・・ごめんなさい。あれは誰かのいたずらで・・・私はまだ、秋吉君とつきあっています。」

「え・・・だったら、あんなブログやばくない???小百合ちゃんの結構すごい格好の写真たくさん載せているでしょ・・・・」

「ブログってなんのことですか?」

「まあ・・・いいや・・・・知りたかったらとりあえず、ズーニーズに17:00ね。秋吉君連れてきちゃだめだからね」と一方的に言うと高橋先輩は電話を切った。

小百合はもう何がなんだかわからずに頭がパニックになっていた。

小百合の話を聞くと、駿が一緒に行くといってきかなかったが、とりあえず、目の前の喫茶店で待っているということで落ち着いた。

17:00ジャストにズーニーズに入っていくと高橋先輩も含めて6人の男性が座っていた。
「小百合ちゃん!!こっち、こっち」
小百合は高橋に促されるまま真中の席に座った

6人はニヤニヤとしながら小百合の全身を見回した。
「写真よりかわいいじゃん」
「でも写真よりちょっと小柄ジャン」

小百合は自分の体を品定めするようにじろじろと見られ、腹がたちながらも、高橋先輩の方をまっすぐに見て聞いた。

「で・・・ブログってなんですか?」

「これこれ・・・赤いシャツを着て、にやけている茶パツ男性が、PCを立ち上げて小百合のブログと称するページを画面に映し出した。

「さゆりの覗き部屋・・・みんな遊びに来てね・・・実際に小百合と遊んでね」

プロフィール:山口小百合 英美大学2年生

スリーサイズ:85:60:89

好きなこと:男の人とするH

携帯電話番号:080-****-****

現在フリーで体が寂しいの・・・どんどん電話して小百合をもてあそんじゃってね・・・

という文書と同時に小百合の写真が何枚かはりつけてあるのと・・・、
小百合のバスシーンの隠し撮り、着替えシーンの隠し撮りのヌードの写真があった。
それ以外にも、明らかに合成と思われるAV女優のみだらな格好に小百合の顔写真だけはりつけたのがあった。

そして・・・・・・・一番ショックだったのが・・・・なんと駿と愛し合っている時の写真が何枚も隠し撮り(たぶんカメラは天井に設置されていたのであろう)が掲載されているのであった。

「ねぇねぇ・・・いいでしょ・・・この写真なんてたまらなくセクシー・・・で5人が候補者なんで順番に・・・どう?」

ガタン

小百合は、椅子を床に倒したまま店を飛び出し、駿のいるところまで、走っていった。

事情を聞いた俊は真っ青になり、小百合と一緒に自分のマンションを確認すると、お風呂場、リビング、ベッドルームにそれぞれ、小型のカメラが設置されていた。

「何でこんなものが・・・・早速大家さんに頼んで鍵を変えてもらおう!!」

「く・・く・・・く・・く・・・無駄なことをもっともっと苦しめ苦しめ・・・・」暗闇の中で青ざめたやせ細った男が、俊達の部屋にセットした盗聴器で二人の会話を聞いていた。


********つづく*******

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「悪魔に魂を売った女 沙羅」NO.1~「潮騒」続編~

2010年12月08日 | 小説「悪魔に魂を売った女 沙羅」
この小説は、オリジナルストーリーで完全なフィクションです。
WEB公開するのを直前までためらった
通常の作者とはかなり異なるタッチの小説になっております。
ご了承の上、お読みください。


前作のシナリオ風小説「潮騒」の続編になります。
「潮騒」をお読みになっていらっしゃらない方は下記からお願いいたします。

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/f03e0f2b4a27e49ae5f0485daa09d4a0



オリジナル小説 「悪魔に魂を売った女 沙羅」



第一章 BLACK

「きゃあ!!!何これ!!」山口小百合は、マンションの新聞受けに新聞を取りに行こうとしたところ、玄関の前に無残に切り刻まれた、黒猫の死骸がおいてあった。
「どうした」小百合の甲高い叫び声にびっくりして、秋吉駿が玄関を飛び出してきた。

小百合の早朝の叫び声に、マンションの住民は何人か好奇心旺盛に覗きに出てきたが、猫の死骸だとわかるとめいめい自分の部屋に戻った。

「大丈夫か?」と駿が小百合をだきしめながら聞いた。
「うん。ちょっとびっくりしただけ・・・新聞取ってくるね」
というと小百合は10階から1階の郵便受けまで朝刊を取りにいった。

(誰がこんなことを・・・・)駿はおびえる小百合をみて苦しい思い出を思い出していた。

駿は、予備校時代からあこがれていた、松岡沙羅という美少女にずっと恋をしていた。
大学にはいり、同じ、経済の授業をとっていることを知って、彼女を半ば強引に自分のはいっているサークルに一緒にいれた。


「駿・・・・これ」小百合は真っ青な顔をして、駿に一通の手紙を差し出した。
真っ黒な封筒に差出人不明。

二人してドキドキしながら、封書をあけてみると、黒い便箋に一言「真紅の血」で「怨」とだけかかれていた。

プルルルルプルルル  ふいに小百合の携帯電話がなった。
「もしもし・・・?」ガチャリ

プルルルルプルルル もう一度小百合がでてだまっていると
ガチャリときられた。

プルルルプルルル 「今度は俺が出るよ。」といって駿が、小百合の電話機を受け取った。
「もしもし、太刀の悪いいたずらはやめてくれ!!おまえは誰だ・・・」
「くくくく・・・・・地獄の業火に焼かれるがいい がちゃり」
送話機にハンカチをつけたくぐもった男の声が聞こえた・・・

「どうしたの?駿」心配そうに小百合が駿の顔を覗き込んだ、
「太刀の悪い悪戯だよ・・・・気にするな。とりあえず携帯の非通知からの着信は拒否をしておいたほうがいいな・・・・・」
「うん。」と小百合がいうと駿は小百合と駿の両方の携帯電話の非通知からの着信を拒否にした。


駿と小百合は、幼馴染だった。
幼稚園の時の、「ずっと小百合ちゃんを守ってあげる」という駿の言葉を信じて小百合はずっと駿のことが好きだった。
でも、駿は、いつのまにか同じサークルの松岡沙羅に惹かれて、告白をし、そしてひとつに結ばれ、つきあうようになった。
それがきっかけで、小百合はうつ病になり、何度も何度も自殺未遂を繰り返した。
そんな小百合のけなげさと情にほだされ、駿は結局沙羅と別れ、小百合を選んだのだった。


プルルルプルルル ガチャリ
プルルルプルルル ガチャリ

今度は、自宅の電話に2回コールをしては切れた。

「松岡さんよ!!きっとあの人が私たちに復讐をしているんだわ!!」
真っ青な顔をして、震える小百合を抱きしめながら駿は小百合に言った。

「沙羅は死んだんだ・・・・」

そう松岡沙羅は、駿と別れたあと、絶望の淵にたたされ、二人の思い出の海に行って、
靴と遺書だけを残して海に身をなげたのであった。


駿は後悔をした。死ぬほど・・・・「俺のせいで、沙羅という大切な女性の命を絶ってしまった」ことを・・・

「小百合だって、一緒に沙羅のお葬式にいっただろう」
「うん・・・・あのときの松岡さんのお母さんのこと見ていたら、すごく、すごくつらかった」


「人殺し!!沙羅を返して!!」沙羅のお通夜にいった二人をみるやいなや、沙羅の母親は、二人に向かって叫んだのであった。そのまま、駿につかみかかってきたのである。
駿と、小百合は、土下座として詫びたが、沙羅の母親は、「人でなし、人殺し、悪魔!!」
とすべてのこの世の中にあるすべてののしりの言葉をそんな二人に浴びせた。

沙羅の父親と叔父に押さえつけられて、ようやくおとなしくなった沙羅の母親だったが、
最後に沙羅の父親から「もう二度とこのうちの敷居をまたがないでくれ」といわれた


(沙羅は一人で内面に秘めてしまう子だった。
もし、沙羅が小百合のように、俺のことを責めていたら、同じ用に病気になってしまっていたら、俺は最終的にどっちを選んだのだろうか・・・・)

「とりあえず学校にいく時間だから、小百合、支度しろよ。俺も支度するから。」

現在、駿と小百合は両方の親の承諾を得て今二人でマンションに一緒に住んでいるのであった。

「うん」小百合は真っ青な顔をしながらもゆっくりと学校に行く用意をしはじめた。




第二章 PINK

小百合と駿は学校につくとそれぞれの教室にむかった。
やけに今日は、小百合はみんなに注目をされているような気がした。

「よくやるわよね・・・あの子でしょ」
「私だったら、絶対に恥ずかしくて」
「まさかあの山口さんがね・・・・」
ひそひそと話をしている声が小百合の耳元に聞こえてきた。

ちょうどそのとき、小百合の仲がいい磯島みどりがとおったので、小百合は話し掛けた。

「みどり・・・」

小百合に呼ばれるとみどりはギョっとした顔になり足早に走り去っていってしまった。
小百合は何がなんだかわからないまま、一時限目の「英語」の授業にでた。

いつもの席に座っていると、なぜかみんなが遠巻きに小百合をみていた。
英語やフランス語のような語学の授業は、経済とかの一般教養とは違い普通小教室で行われるのであった。

英語の先生、武田先生が、入ってくるなり、「ちょっと山口さんいい?」
と呼ばれた。
「どういうことなのか説明してほしいので、授業が終わったら私の研究室に来て」
といきなり言われた。

小百合は、授業の内容などまったく耳にはいることなく、武田先生から授業が終わった後にどんな話をされるのかとそればかりが気になっていた。

いつもなら積極的に話し掛けてくる磯島みどりも、今日は小百合の席から遠く離れたところに座っていた。
小百合にとって、長い、長い90分の授業が終了した。


~つづく~

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