詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車」NO.98

2011年12月15日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第四部第十九章「回顧」NO.98

「ふざけるな!!謝ってすむことだと思っているのか!!」
俺は、自分でも知らないうちに口から怒声が飛び出していた。

「冴場さん。立ってください。そして席について、冷静にお話を聞かせてください。」
となりで親父の落ち着いた声がする。

「オヤジ!!こいつは俺のお袋とおじいちゃんを殺した男なんだぞ!!」
怒りで全身が震えている俺の肩をオヤジが強い力で押さえ込む。
「お前も座れ。」
穏やかだが、その力強い言葉に、俺はそれ以上なにも言えずに、おとなしく席についた。

「いまさらこんなことを言っても、言い訳にしかならないが、門倉泰三君は、私のよき友達であり、ライバルだった。学生時代から、私は、どんなにがんばってもあと一歩のところで彼には追いつかなかった。悔しかった。
私は、彼の実力を認めていた。それならば一緒にもっと広い世界を目指そうと思い、
君も知っている、官公庁の入札に挑んだ。
彼は完璧主義者だった。でもシステムなんて最初から100%のものなんてない。
その使われる状況、動作環境によって、システム構築までに微細な調整をして
完成をさせるものだ。私は、今でもそう思っている。

ただ、彼の会社の技術者を引き抜いたことは卑怯だった。
ビジネスといえば、ビジネスだが・・・・・

私が、一番に君たちに謝らなくてはならないのは、ビジネス面ではなく、
君の泰三君と高井君のお母さんが自殺をしたのを全く知らなかったことにだ。
業界の訃報では流れていただろうし、たぶん、私の秘書達がその辺はうまく対処を
してくれていたのだろうが・・・・・
私は、自分の友人を・・・・・
自殺に追いやってしまったことは申し訳ないと思っている。」

そこまで一気に話をすると冴場社長は、頭を下げた。


**第四部第二十章「罵詈雑言」NO.99へつづく**↓
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