詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第十話「絶対に溶ける」恋愛小説「恋花~KOIBANA~」

2012年02月16日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第十話「絶対に溶ける」

ふっと汗の香りとデオドランドスプレーの香りがした。
逆光で顔はよく見えなかったけど、背は高く180cmくらいはあるだろう・・・・

「大丈夫?」
その人物は、かがみこんでその人にぶつかって赤くなっているであろう私の鼻を覗き込んだ。
「鼻・・・・大丈夫だった・・・?」

「は・・・はい」
ドキン!!!
完全に心臓は外に飛び出ていたであろう・・・・よく漫画とかでハートが胸の中から飛び出ている・・・あんな感じだ・・・・

ま・・・まさか・・・・・

「あぁ・・・・海藤先輩の・・・・」
「は・・はい。美咲星波です・・・・」
って私、なんでこんなところで自己紹介をしているんだが・・・・

ぶつかった恥ずかしさと胸いっぱいの熱い思いで、溶けちゃいそうだった。
よりによって・・・・
いとしの王子様、庄司君とこんなところで!
「あ・・・私・・・その・・・」
「応援に来てくれたんでしょ・・・・体育館こっちだから、行こう・・・」
庄司君は、そんじょそこらのアイドルにも絶対に負けないくらいのとびきりの最高の笑顔で(後でこの話をしたら紫苑に形容詞つけすぎだと笑われたのだが・・・)
私の前を歩き始めた。

広い肩、サラサラの黒髪が日の光を浴びて輝いている。
まさに天使だ・・・・・
ぼーっとして見とれている私を振り返って庄司君が言う。
「大丈夫?美咲先輩。試合始まっちゃうよ・・・」
「あ・・・はい!!」
こうなるとどっちが先輩でどっちが後輩かわからない・・・
私は、足が長く、コンパスの大きい彼の歩くスピードに追いつくべく
バスケットとかばんを持ち直して、小走りをし始めた。

「お~い。星波・・・・おせ~な・・・・」
体育館のところに健人と紫苑の姿が見えると私は、
「ごめんなさい。そしてありがとうございました。」
というとペコリと頭を下げて走り出した。

「あ・・・先輩・・・・こ・・・これ」
後ろで庄司君が何か言っているみたいだけど、こんな赤い顔で振り向きたくなかった。

きっときっと顔真っ赤だ。鼻も赤い。恥ずかしい・・・・・
もう消えちゃいたい!穴があったら入りたい!溶けちゃいたい!!!


第十一話「彼女」へつづく




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