『犬と私の10の約束』 川口晴著
最近読みたくて買って来た本でも、行きつ戻りつ集中力がない。
それでも一気に読めたので、ビールの一気飲みが出来ない私でも
一気に飲めるカル○スのような後味。
主人公の「それまで一度も泣いた事がなかったのに、大きな悲しみで
泣く事を覚えた後は、ちょっとした事でも泣くようになった」と
『悲しみよこんにちは』のような心境が描かれてたところがあったが、
私もこのごろ、涙腺が弱くなったのではないかと思ってて、
原因は年のせいかと思ってたが、お湯が沸騰するのに沸点があるように
涙が出るのにも人それぞれに涙点があるのかも知れない、
そして何かのきっかけで涙点が下がったようだ。
若い時は卒業式などで、涙を流したりすることもなく、
そういうシーンでは、ことごとくクールだったのに…。
自分の子供が小学校の卒業式の時に、
お友達と泣き合ってるのを見ても涙ぐむようになった。
特に「犬もの」には弱い、「犬」というだけで涙線が条件反射する。
「あなたには学校もあるし友だちもいます、でも私にはあなたしかいません」
こんな事人間に言われたら「重すぎる!」と困惑してしまうだろうが
「犬」だったらジーン…、としてしまう。
そういう意味では「フランダースの犬」以来、「犬」は不動の地位に居るのかも知れない。
人間は一緒に生きていく相手を選ぶ事が出来る、でも動物は出会いイコール運命である、
というのは人と家族として暮らす、すべての動物に通じるものがある、
読みやすいので、年齢を問わずお勧めである。
きっと映画では「パッヘルベルのカノン」の曲が流れるんだろうな・・・
そんなことをイメージできるような優しい物語でした。