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storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

篆書が面白い!!

2024-09-10 20:31:15 | 日記

越生町の龍穏寺で篆書(てんしょ)文字を目にして以来、その魅力にとりつかれてしまった。漢字のようで漢字ではないような、象形文字的な雰囲気がたまらない。何と読むのか調べるのは、暗号解読のような面白さがある。

↓は龍穏寺の山門の扁額で、ネットで調べたところ右から左へ「長昌山」と読むと分かった。

こちらは大中寺(栃木市)の山門の扁額。

何と読むか自分なりに調べたが分からず(一番左の「席」だけは想像がついた)、大中寺に電話でお伺いしたところ、親切に教えてくださった。江戸時代初期に中国から渡来した禅僧、東皐心越(とうこうしんえつ)によって書かれたもので、右から「道林法席」と読むのだそうだ。

篆書についてもっと知りたい願望が強くなる。そこで、図書館で「漢字の構造 古代中国の社会と文化」(落合淳思著)を借りて読んでみたが、これがとても面白かった!!漢字の構造(形)の変遷を、中国の殷、西周、東周、秦、隷書、楷書の順に図解入りで詳しく解説している。

篆書(小篆)とは、秦の始皇帝(紀元前221~210年)が行った統一事業の一つとして、各地域で異なっていた文字の形を統一したものである。篆書は戦国時代に秦で使われていた字形を元にしたものが多いが、新たに作られたり、あるいは西周時代の金文の字形を復活させたものもみられる(25ページ)。

例えば、「好」という漢字。これは「女」と「子」を合わせた形であり、女の前に子を配置することで、女性が子供をいつくしんでいる様子を表している。後に、そこからの引伸義で、「このむ」「よい」「うつくしい」などの意味で使われた(94ページ)という。

下の図解が非常に興味深い(95ページ)。殷代の文字が次第に形を変えて最終的に楷書の「好」になるまでの変遷がよく分かる。篆書の「好」は「女」の字形が妙になまめかしい(とわたしは思う)。

神社仏閣巡りの楽しみに、篆書を見つけるという目標が加わった。扁額や石碑など、どこかに篆書があるはず、と注意を払いながら参拝するようになった。

以下は、まだ解読できていない篆書だ。図書館の篆書辞典などで少しずつ調べているのだけれど、どうしても見つからない文字がいくつもあって四苦八苦している。

↓は鑁阿寺(足利市)の石碑。こちらは3文字ともお手上げ状態。もしかしたら篆書ではなく、もっと古い時代の文字かも?

↓の3枚はいずれも玉前神社(一宮町)の石碑にあったもの。たぶんこれは右から「白鳥丼」!?まさか、丼ぶりメニューの一つ?

こちらは不鮮明なこともあって苦労している。一番左の文字はおそらく「碑」。

こちらは4分の1ほど分かった、かな。

右から左へ上段:上櫂(?)〇臣〇〇〇(〇の文字は不明)

右から左へ下段:総〇朝広〇彰碑(自信ない・・・)

篆書の解読をライフワークとしよう。篆書愛好会があったら入会したい(笑)。

眺めているだけで楽しい篆書デザインの本を購入した。小田切草雲の「篆書デザイン」。



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8 コメント

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Unknown (fairy333)
2024-09-10 22:27:55
storytellerさん

こんばんは
いやぁ~! storytellerさんの興味を持った事にとことん掘り下げる探究心には感嘆しました。
その「探究心」、私も欲しい!
なんか、storytellerさんは調査研究員みたくてス・テ・キ

山門の扁額の文字は◯◯書、この◯◯は何と読むのでしょうか。
竹カンムリに口を書いて、見たことない字でお手上げです。

この文字を解明するのは、難易度の高い知恵の輪を解くようですね。
この文字に詳しい人がきっといらっしゃると思います。
そんな方が見つかると良いですね。

それとも孤軍奮闘して解明するほうが喜びは大きいかも。
楽しみが増えましたね。
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Unknown (ポンまま)
2024-09-10 23:05:58
神社仏閣に篆書文字がこんなに沢山
使われていることに全然気づきませんでした、
私は便箋や封筒を作成して
販売したことがあるのですが
個人名を入れる時に篆書文字で印のように
お名前の一文字を朱色でお付けしていました。
篆書フォントを手に入れて作っていましたが
篆書には無い文字もあって、結構苦労したことを
思い出しました。笑
良いご趣味ですね~。
探究心の塊だ~( ≧∀≦)ノ
それこそが若さを保つ秘訣のような気がしますよ。
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探究心 (storyteller)
2024-09-11 05:43:30
fairyさんへ

おはようございます。
なんのなんの、探究心にかけてはfairyさんにかないませぬ!
国語の授業は本当にためになります。
分からない単語や表現があっても、
調べるの面倒だから、と放っておいちゃうけど、
fairyさんがしっかりきっちり調べて記事にしてくださるおかげで、
なるほど!!!が増えました。感謝です!

篆書、わたしも読めなかったのに、読み仮名つけるの
忘れてました。失礼しました~。
記事の最初の文章中に(てんしょ)と追加しました。
てんしょ、のてんちゃんです 笑。

コメントありがとうございました♪
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篆書フォント (storyteller)
2024-09-11 05:47:16
ポンまま さんへ

おはようございます。
手先が器用で何でも作っちゃうポンままさん、
便箋や封筒も作られていたんですね!!
そこに入れられた篆書文字の個人印。お洒落だなあ。
印鑑に篆書文字を使う人、結構多いみたいですね。
社印とかでよく見かけるし。
わたしも欲しいな、篆書フォント。

コメントありがとうございました♪
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Unknown (ally)
2024-09-11 09:42:58
おはようございます。
篆書!私にとってまったく未知の領域です。なるほど、面白いですね。「好」の文字。確かに女が艶かしいです。♀
これから私も神社仏閣や石碑などに目がいっちゃいそうです。何事も探究心って楽しいですね。篆書の面白さ。またひとつ勉強になりました。^ ^
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奇妙で面白い (storyteller)
2024-09-11 12:58:37
ally さんへ

こんにちは。わたしもまさか、篆書にはまるとは
想像もしていませんでした。だって、漢字ってちょっと苦手だもの 苦笑。
こんなこと言ってはてんしょさんに失礼かもしれませんが、
わたしは美しい・可愛いもの(はもちろん好きですが)
以上に、奇妙で面白いものに惹かれる傾向があります。
それで篆書の文体に魅せられたのです。笑。

コメントありがとうございました♪
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篆刻の写真、調べました。 (石沢誠司(漢字の音符)編集者)
2024-10-21 22:30:40
篆刻の写真、興味深く拝見しました。なかなか難しい字が多いですね。調べた結果、
①最初の写真は「庚申塔」のようです。
https://blog.goo.ne.jp/kikunorinori/e/22982fff2c9cecda8b8f98560bf79137
ここに写真が出ていました。極端な異体字とあります。
②二番目は「白鳥井」です。
https://momijiaoi.net/tamasaki/
ここに写真があります。右側に井戸が写っています。
③三番目は「報賽碑」です。
④四番目は、「上総権介平朝臣廣(広)顕(彰之碑」です。
篆文は調べるのに手間がかかりますが、面白い字です。
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ありがとうございます!! (storyteller)
2024-10-22 06:22:59
>石沢誠司(漢字の音符)編集者 さんへ

おはようございます。
読めなかった篆書を解読してくださって、
感謝感激です!
最初の石碑は庚申塔でしたか!
リンク先の写真のように、楷書?で書かれた庚申塔と比較すると、
なるほど、そうかもしれないと納得しました。
でも、ヒントが無ければ絶対思いつかなかったです。
その他も調べていただいて、恐縮です。
わたしもネット検索や図書館通い(大型辞典などは館外持ち出し禁止なので)をして
調べたのですが、力及ばず・・・。
これからもいろいろ教えていただければありがたいです。
漢字の音符さんのブログ記事も毎回楽しみにしています!

コメントありがとうございました♪
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