Set me free!!!

storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

大中寺(七不思議伝説)と太平山神社

2024-07-19 06:32:13 | 日記

栃木県は知っていたけど、栃木市は知らなかった。千葉県には千葉市、埼玉県にはさいたま市があるんだから、栃木市があってもいいのにね。失礼しました!

わたしの住むBV(Bear Valley)市から栃木市までは、車で1時間半弱。物知り博士のBBさんと一緒に、栃木市にあるお寺と神社へお参りに行くことにした。

まずは、大中寺へ。もともとは真言宗のお寺であったが、荒廃していたのを快庵妙慶禅師が曹洞宗の寺として再興したものだという。

山門の文字が読めなくて悔しい。一番左の文字だけ分かった。「席」だ。

大中寺はまた、境内にある七不思議の伝説とともにその名が広く知られている。

というので、七不思議を探してみた。おっと、その前に参拝しよう。

↓の写真:左が油坂。ある学僧が燈火欲しさに本堂の燈明の油を盗んで追われ、この階段から転げ落ちて死んだことから、この階段を上下すると禍にあうという。だから、この階段は立ち入り禁止となっている。

右は枕返しの間。この部屋で本尊の方に足を向けて寝ていた旅人が、翌朝目が覚めると頭が本尊の方に向いていた、という話。

↓の写真:左は不開の雪隠。土地の豪族、晃石太郎の妻が敵に追われてこの雪隠の中に逃げ込んで自殺した、といわれている。

右は馬首の井戸。土地の豪族、晃石太郎が戦いに敗れ寺に逃げ込んだとき、住職が匿ってやれないのを恨み、馬の首を斬って井戸の中に投げ入れたが、後になって井戸からいななきが聞こえたという。

↓の写真:

左上は、不断のかまど。ある修行僧がかまどの中に入って居眠りをしていると、それとも知らず寺男が火を焚きつけたため、修行僧が焼け死んでしまったので、それ以来このかまどには火を絶やさなくなった、という。

左下は、東山一口拍子木。寺の東の方のある山で拍子木の音が聞こえると、必ず寺に異変が起こると伝えられている。そして、その音は住職にしか聞こえないという。

右下は、根なしの藤といって、大中寺開祖が鬼坊主の霊を弔うため、墓標としてさした杖から成長したと言われる藤の古木。これは、上田秋成の「雨月物語」にある青頭巾の話だそう。

以上、七不思議全てを見つけて満足し、清々しい竹藪に別れを告げ、次なる目的地である太平山神社へと向かう。

大中寺から太平山神社までは約3キロ。緩やかな上り坂を歩いていくだけだから楽勝!と軽く考えていた2人に、とんだハプニングが襲う。

雨降りが続いたせいか、黒くて小さい虫が異常に多く飛び回っていて、行く手を阻まれる。手で何度払ってもまったく効果なし。蚊のようなぷ~んという音と共に、わたしをぐるぐる囲むようにしてしつこく付きまとう。BBさんは、と見ると、わたし以上に虫に好かれてしまい、黒山の虫だかり状態!

虫に纏わりつかれながら往復6キロも歩くのかと思うとぞっとするので、駐車場に戻って車で行くことにした。強力な殺虫剤があればよかった!!!

車を大平山県立自然公園・謙信平の駐車場に止め、美しい風景を眺めて虫の大群に襲われたことを忘れようと努める。

謙信平というのは、

「戦国時代の頃、関東平定を競い対立した越後の上杉謙信と、小田原の北条氏康は、当時の大中寺住職虎溪和尚(こけいおしょう)の斡旋により、永祿11年(1568)9月、大中寺において和議を結びました。そのあと、上杉謙信は太平山に登り、兵馬の訓練を行い太平山上から南の関東平野を見渡し、あまりの広さに目を見張ったという故事から謙信平の地名が生まれたといわれています。」

以上、↓にリンクしたサイトから引用させていただいた。

 

青々とした田んぼと、薄っすら遠くに見える山並みに、癒された。

そして、腹ごしらえ!BBさんお勧めのお店「いづみ家」で、太平山三大名物の卵焼き・焼鳥・団子(二度搗きだそう)を満喫する。焼鳥が出来上がるまで待ちきれなかったので、卵焼きと団子を半分食べてしまってからの写真で失礼。団子と焼鳥は涙が出るほど美味しかった(真面目な話!)。ソフトクリームは練乳イチゴ。

謙信平から太平山神社までは約300メートル。

ここでまた、例の虫たちに絡まれて、恐怖が蘇る。わたし達、何か虫に恨まれるようなことをした?憎き虫さえいなければ、緑深い山道歩きを楽しめたのに~。

それでもなんとか無事、神社にたどり着く。真ん中にある「御神石」を撫でて霊験を受けた後、正しく霊験が授かるよう神社にお参りしてください、とあったので、その通りにする。

とても楽しい一日であった(でも、気のせいか、あの恐ろしい虫の大群の羽音がまだ耳元で聞こえるような気がする・・・)。


森の中のカフェと断崖絶壁にある観音堂

2024-07-09 06:56:34 | 日記

朝の天気予報が、わたしの住むBV市は気温が39℃まで上がる、と恐ろしいことを告げている日に、運転が上手で長野へよく出かけるQPさんと避暑地を目指すことにした。

埼玉県北部から高速道路で2時間弱。さて、目的地はどこでしょう(クイズ出題するの好き 笑)。

最初の目的地は、森の中のカフェ、長野県北佐久郡御代田町にある「カフェ&インテリア エル」。山小屋っぽい雰囲気のある素敵なカフェだ。確かに、BV市よりずっと涼しく快適だ。

中に入ると、洗練されたインテリアが印象的。大きな窓とそこから見える森が、まるで一枚の大きなポスターのようだ。

とても素敵な空間に、びっくりするほど美味しい料理とデザートのシフォンケーキ。大勢の人が高評価をしているカフェと聞いていたが、想像以上に素晴らしかった。

わたしが小躍りしたのは、このツリーハウス(正確にはツリーカフェ?)。冒険心をくすぐられる!小説やドラマでしか見たことのなかったツリーハウスに、登れたのだから!!!童心に返ってはしゃぎながら飲食を楽しむ。ツリーハウスからは、こんなふうにカフェやテラスが見下ろせる(右の写真)。

おなかがいっぱいになった後は、小諸市の布引観音釈尊寺(天台宗の名刹)へ。ここがまた絵になる風景の連続で、凄い所があるもんだ、と感動した。これは世の中の人々に広めなければ!

駐車場に入り口があり、ここからひたすら階段を上っていく。

こちらは、布引二段滝の上の滝。

緑深いところを階段がずっと続き、ちょっとした山登りの気分を味わえる。

観音堂が見えてきた。すごい、断崖絶壁に建っている!可憐なエゾミソハギをアクセントに。

ズームアップして観音像と。

さらに階段を上っていくと、すぐ目の前に観音堂が!

観音堂の向かい側の眺めも見事だ。

こちらが、大変重要な牛の像である。背中に載った赤い布の秘密とは。

布引観音・布引山釈尊寺 | 信州・小諸|詩情あふれる高原の城下町|こもろ観光局

から引用させていただいた。

「牛にひかれて善光寺参り」とは布引山釈尊寺に伝わる縁起書にある幻牛伝説で、むかし信心を持たないおばあさんが、自分が干していた布を角にひっかけ走り去る牛(観音様)を追いかけ、気が付くと長野の善光寺までたどり着いたことから観音様の導きだったと悟り、今までの欲張りで意地悪な心を悔い改めたと伝えられています。その逸話から「思ってもいなかった出来事や、周りからのはからいによって、自分が良い方向へ導かれること」のことわざとなっています。

わたしもこのおばあさんと同じだ。だから、自分を良い方向へと導いてくれた人々に改めて感謝したい、とここで誓った(時にはわたしも改心することもあるのだ・・・)。

布引観音の近くには、千曲川が流れている。この風景も忘れ難い。

長野には、はるかむかし、子ども達が幼かった頃に1年半ほど住んだことがあった(安曇野市、当時は南安曇郡だった)。あの頃わたしは「超」がつくほどの海派で、海から遠く四方を山に囲まれた暮らしが辛く、閉塞感に苦しんでいた。子育ての大変さもそれに影響していたのだろう。それが、今は山を見るたび気分が高揚するのだから、人生って面白い。

帰る途中、横川サービスエリアに寄って、QPさんが絶賛する「おぎのや」の峠の釜めしを買う。

美味しかった。ご馳走様でした!!幸せ~。

最後にもう一つだけクイズ(しつこくてごめん!)。こちらの山は高速道路から見えたのだが、さて何という山でしょうか?

答は、「妙義山」でした!

この荒々しい岩山に妙に惹かれてしまったわたしは、いつかこの山に登るぞ!と心に決めた。それまでに足腰を鍛え、減量に励まないと(減量を始めて2か月半、全然痩せないどころかさらに太ってしまったのは、どうして!?涙汗)。


佛光山法水寺と水澤観世音

2024-06-27 06:17:33 | 日記

台湾へ、

行ってきた!

な~んてね。

ここは、群馬県渋川市伊香保町にある佛光山法水寺(臨済宗)。佛光山の総本山「佛光山寺」は、台湾の高雄にある。だから、このお寺も台湾風の造りなのだ。

お寺の背後にそびえるのは榛名山。

お寺の正面からも山が見える。群馬県ってこんなに山が多いんだ、と改めて実感。

美しい観音像の背後には、赤城山と渋川市の街並みが。

境内には小僧の石像が25体あるという。それぞれに表情豊かで面白い。

二体の千手観音。(ヒンズー教のカーリー神を思い出しちゃった・・・)

展示室にはさまざまな作品が展示されていて、それを見て歩くのも楽しかった。

訪問客も台湾の人が多いのか、あちらこちらで中国語が聞こえた。

佛光山は、渋川市以外にも、東京、山梨(本栖)、名古屋、大阪、福岡にもあるそうだ。アメリカで設立された「国際佛光会」は国連のNGO組織に認定され、全世界の被災地へ救援物資を提供するために尽力しているとのこと。日本の東日本大震災や熊本地震の際にも救援物資を提供してくださったそうだ。ありがたい。

佛光山法水寺の公式サイトはこちら↓。

【公式】日本総本山 佛光山法水寺

次は、水澤観世音(水澤寺)を訪れる。佛光山法水寺からは車で数分のところにある。↓は鐘楼。

六角堂(六角二重塔)は、 地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界、天人界の六道を守る地蔵尊を祀り、六道輪廻の相を表しているのだそうだ。

十二支の守り本尊。🐁年のわたしの守護仏様はこちらの方だ。おっと、この方も千手観音だ。今日は妙に千の手に縁がある。何か意味があるのだろうか・・・。

迫力に満ちた仁王門。

水澤観世音の公式サイトはこちら↓。

五徳山 水澤観世音(水澤寺)

お昼は、大澤屋で名物の水沢うどんと舞茸の天ぷらを堪能した。美味しい!

美しい自然に恵まれた伊香保町。伊香保温泉でゆっくり体を休め、お寺巡りをして、水沢うどんで食欲を満たす。なんて素敵なところだろう!誰にも頼まれていないが、ちょっとだけ伊香保町の宣伝をしてみた 笑。


黒山三滝と龍穏寺(埼玉県越生町)

2024-06-14 07:43:39 | 日記

今日はまず、地名クイズを。

埼玉県越生町の「越生」は何と読むでしょうか?

正解は

「おごせ」

地名って、「え、なんでそういう読み方になるの!?」というのが結構あるが、この「越生」もその一つ。わたしは、ひらがなの「おごせ」から「越生」という漢字は絶対想像できない!

ということで、今回は越生町の黒山三滝と龍穏寺へ出かけた話。

黒山三滝まで徒歩15分のところにある公営の無料駐車場から、ゆるやかな上り坂をゆっくりと歩いていく。最初に見えてくるのが、こちらの迎え滝。訪問客を出迎えてくれる小さな滝だ。

さらに数分歩くと、上中下3つの滝が現れる(角度的に一番上の滝をうまく写真におさめられなかったのは残念)。それほど勢いはないが、細く長く流れ続けている。小天狗滝というのだそうだ。

さらに5分ほど歩くと、この男滝(上)と女滝(下)が見えてくる。写真だとあまり迫力がないが、実際はもっと滝らしさにあふれ、勢いがあって良い。

女滝だけを撮ってみた。いい感じだ。あまりの暑さに滝つぼに足を浸したくなった。

川沿いにはシダの群生があった。シダの葉をたくさん縫い合わせて、薄いレース編みのようなサマードレスを作ったらどうかな。ちらちらっと見える肌が色っぽいだろうけど、ちくちくした肌触りが不快かも。と、想像しながら歩く。

滝を見て気分爽快になった後は、龍穏寺へ(黒山三滝から車で10分ほど)。表門の色や造りがどことなく中国っぽい。

今まで訪れたどの寺の山門とも違う、独特の雰囲気に圧倒される。文字が読めなかったので帰宅後ネットで調べると、「長昌山」(山号)と書いてあることがわかった。右から左に読むのだな、なんとなく分かる。

観音様の凛とした美しさは憧れ。

境内の中をゆっくりと見て回る。下の写真:左上は経蔵の彫刻。右上は太田道灌公(江戸城、河越城、岩村城などを築城した)の墓。左下は埼玉県指定有形文化財の龍穏寺銅鐘。右下は山門を裏から見たところ。

「パワースポット龍穏寺」という案内板があった。それによると、「霊の休まる場所であり、生きている人にはパワーを与える場所となっている。霊力が非常に強く、母なる大地、森からの自然の包容力も加わり、永年に亘り霊魂が安らぐ安住の地とされている。」ということだそうだ。そうか、わたしはパワースポットにいるのか!!なんだか大きな力を得たような気がして嬉しくなった。

龍穏寺についての詳細は、下にリンクした公式ウェブサイトをご覧いただきたい。

|龍穏寺|曹洞宗 関東三大寺

お昼ご飯は、小川町の舘乃で手打ちうどんの定食。うどんと五穀米が感激するほど美味しかった!

隣のテーブルの女性たちが食後のデザートにパフェを食べていた。わたしも食べたかったけど、ランチ定食が思いのほかボリュームたっぷりで、入る余地がなさそうだったので諦めた。その代わり、帰宅してからアールグレイを飲みながらチョコレートを食べた。って、結局甘いもの食べちゃうんじゃん。やっぱりわたしに減量は無理そう 苦笑。


梅雨入り前に安曇野へ

2024-06-07 09:17:55 | 日記

自然愛好家のXYさんに誘われて、緑豊かな安曇野へ遊びに行った。ちょうどむしゃくしゃすることがあって、暴力的な感情を持て余していたので(わたしは若い頃「爆弾娘」と呼ばれたことがあった 笑)、安曇野の美しい風景と澄んだ空気に心身を浄化してもらうことにした。

関越自動車道→上信越自動車道→長野自動車道を経由して安曇野まで、途中一回パーキングエリアに寄って片道3時間弱のドライブ。運転はXYさんにお任せして、わたしは助手席で高速道路沿いの景色を満喫した。

大王わさび農場は、平日にも関わらず結構な人出だった。この目にまぶしい緑、この清らかな川の流れ。これだけで、安曇野まで来たかいがあったというものだ。

「珍百景」二つの川。深さも流れの速さも違う万水川(よろずいがわ)と蓼川(たでがわ)が仲良く並んで流れている、とても不思議な風景。

水車小屋は人気の撮影スポット。わたしは対岸から撮影したくてたまらなかったけど、向こう岸に渡る手段はなく(川をざぶざぶ渡るしかないけど、まさかそれは出来ないし)諦めた。

わさび農場の道祖神たちに挨拶をしてから、穂高駅へ向かう。30年近く前、1年半ほど安曇野に住んでいたことがあったので、穂高駅には何度か行った。懐かしい。

こちらは穂高駅前の道祖神。味があっていい。

穂高駅から歩いてすぐの穂高神社。XYさんもわたしも、もやもやをすっきりさせたい心境だったので、神頼みをしてきた。

安曇野のお楽しみは食べ物にもあるよ。わさび農場ではわさびソフトクリーム、信州そばは確かに美味しい、そしてカフェでは絶品のチーズケーキに心が震えた。もう減量なんてどうでもいいわ 苦笑。

最後に立ち寄ったのは安曇野ガラス工房。体験ができると聞いてやってみた。ところがびっくり、全工程が右利き用に出来ているのだ。

左手は添えるだけで、ガラスを切ったり形を整えたりする作業は、右手に道具を持って行わなければならない。「すいません、わたし左利きなんですが」と言うと、「大丈夫です。わたしがお手伝いしますから」とスタッフに言われ、結局その人がわたしと一緒に道具を持って作業してくれた。なんだか複雑な気分。こんなところでも左利きって損するんだなあ・・・。出来上がったガラス細工は数日後自宅に郵送してくれることになった。

夜7時半過ぎに帰宅。安曇野まで日帰りできちゃうなんてびっくりした。XYさんの見事な運転のおかげだ。ありがとう。天気にも恵まれ、心身を浄化できたし、とても良い一日を過ごせた。たまにはこんなふうに非日常の時間を持つって大切だね。

最後にもう一度、ふたつの川の写真を。わたしにとっては深い意味をもつ一枚。

向こう側(写真では左側)が一級河川の万水川、手前が100%湧水の蓼川。それがこのように並走するようにしてしばらく流れ、そして一本の川になる。まるで、2人の人間が次第に心を通わせ、お互いの違いを認め、受け入れ合って、最後には手を取り合う関係になることを示唆しているようで、わたしは胸が熱くなった。人間関係に悩むことの多いわたしは、このふたつの川に大事なことを教えてもらったような気がしている。