Set me free!!!

storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

愛の逃避行

2024-04-29 12:10:24 | 物語

みなさんにご報告いたします。結婚することになりました!

ここにたどり着くまで、長い道のりでした。

友人の紹介で何度かお見合いしたり、複数のマッチングアプリに登録するなどして、地道に出会いを求めてきましたが、どれも良い結果に繋がらず、わたしには縁がないのだろうか、と諦めかけていたところに現れたのが、彼です。

そうですね。まずは、その人との出会いについてお話いたしましょう。

その人とは、ネット上で出会いました。具体的に言えば、彼もわたしもブログを運営していて、お互いの記事を読むうちに、感性が似ていることに気づきました。そして、コメント欄にメッセージを書き込むだけでは物足りなくなり、メールアドレスを交換し合って個人的な話をするようになったのです。

ここまではよくあるお話ですよね。長い間ブログを続けていると、気の合うブログ仲間ができ、そういう人達で集まってオフ会をする、ということも耳にします。実際、わたしも数年前に運営していたブログを通じて知り合った数人と、オフ会を開きました。楽しい思い出です。

でも、男性のブロガーと親しくなり、それが恋に発展するとは思いもよりませんでした。しかも、その人は、海の向こうの国に住んでいるのです。ですから、とても気軽に会いに行ける距離ではないのです。

そこで活用しているのが無料のビデオ通話です。時差もあるので通話できる時間帯は限られますが、なんとかお互い都合をつけて、週1回は顔を見ながら話をしています。「なりすまし」でないことも確認済み。第一そんなことをしたら、ブログ運営ができなくなりますから。国際恋愛詐欺の心配もありません!(残念ながら実際にはそういうこともあるようで、被害に合われた方はお気の毒ですが・・・)。

ところで、外国に住む彼がなぜわたしのブログを知ったのか、日本語の記事が読めるのか、という疑問を持つ方もいることでしょう。

実は、わたしは日本語以外の言語でブログ記事を書いています。自慢するのではありませんが、わたしはある外国語に精通しています。彼もその言語を流暢に操ります(彼の母国語ではありません)。ビデオ通話での会話にも、その言語を使います。

わたしは今、とても幸せです。こんな日が来るとは、正直想像もしていませんでした。本当にありがたいことです。彼との縁は奇跡です。

来月、彼と手を取り合って、遠い国へと旅立ちます。わたしの両親も彼の両親も2人の結婚には猛反対しているので、愛の逃避行を決行します。このような事情なので行先は明かせませんが、わたし達の愛が成就するよう祈っていただければ嬉しいです。

ではみなさん、いつかまた逢う日まで!!!

(注:この物語はフィクションであり、登場人物は実在しません。)


オアフ島(ハワイ)の山を歩く

2024-04-27 06:05:45 | 思い出

2015年6月~2016年1月の約7か月間、ハワイのオアフ島で暮らした。20代の時、オアフで仕事の研修を受けて以来、「いつかハワイに住みたい!」と思い続けて、ついに叶えた夢!

ところがところが。

ハワイでの生活は経済的にものすごくきつく、超節約生活を強いられた。物価はアメリカのどの州よりも高い(特に家賃が冗談みたいな高さ!)のに、給料はどの州よりも低い!働けど働けど、暮らしは楽にならない。周囲の人達は大半が副業を持ち、週6日勤務をしてなんとか生計を立てていた。ああ、これが現実!

それでも、ありがたいことに自然を満喫するのにお金は要らない。どのビーチや自然公園でも駐車場は無料。お金をかけずにこんな贅沢な遊びができるのも、ハワイならでは。ということで、週末は必ずビーチか山に出かけた。

ここは、西海岸のポカイベイ。穏やかな遠浅の海でスノーケリングが楽しめる。

ハワイといえば、誰もが美しい海を思い浮かべるだろう。わたしが語るまでもないので、ここではオアフの山の魅力をご紹介したい。東はコオラウ山脈、西はワイアナエ山脈。どちらもアコーディオンのような山肌が特徴である(↑の写真はワイアナエ山脈)。

わたしの勤務先(リハビリ病院)はホノルル市内にあったが、その建物の窓から望める景色がこちら。右に見えるのはコオラウ山脈だ。

「天国の海」として知られる東海岸のラニカイビーチ。海の美しさはもちろんだが、その背後にそびえる山もいい。

ハイキングトレイルは東部に多い。コオラウ山脈を望みながら歩く。

こちらはホノルル市内のマキキトレイルを歩いたときの中腹からの眺め。

こちらは、クリオウオウリッジトレイルの頂上から。ここは大勢のハイカーで賑わう人気のトレイルだ。

東海岸カネオヘに近いプウマエリエリトレイル。ここは歩くのも頂上からの眺めも素晴らしく、わたしの中ではベスト2。

文句なくベスト1ハイキングトレイルは、東海岸のクラウチングライオン!絶景に次ぐ絶景で、これぞオアフの山の魅力と実感した。

↓の写真、よく見るとライオンの横顔(右向き)のような岩がある。このトレイルが「クラウチングライオン」と呼ばれる理由だ。

こんな絶壁もある!足がすくむので、なるべく下を見ないようにして歩いた。

最後は、観光客なら誰もが訪れるだろう、ヌウアヌパリ。

海と山、それぞれに違った美しさが互いを引き立てる。相乗効果が見事なオアフの大自然。


『二千億の果実』宮内勝典

2024-04-23 08:24:40 | 読書

遺体解剖時にアインシュタインの脳をこっそり盗んで保管していた病理学者。

地球外知性体と交信しようと試みた天文学者。

チェ・ゲバラが最期に残した言葉。

ゴリラとボノボとのコミュニケーションに情熱を傾ける2人の学者。

ある中国残留孤児の壮絶な人生。

チャレンジャー号爆発事故で命を落とした飛行士との心の対話。

『アンデスの聖餐』に記録された人肉食の驚愕の背景事情。

『二千億の果実』には、世界の様々な場所で起きた出来事が綴られている。単なる史実の記録でないところが面白い。著者は、歴史上の人物の友人になったり、インタビュアーになったり、時には当事者にも変身する。著者がまるでその出来事をリアルタイムで目撃・経験したかのような臨場感が伝わってきて、ぐいぐい引き込まれる。

わたしが特に興味をそそられたエピソードは、ボノボの生態についてだ。そもそも、ボノボなる生物のことを今まで知らずにいた。ボノボは、チンパンジー属に分類されるが、チンパンジーとは別種なのだそうだ。

メス社会でボス猿はいない。ほぼ菜食主義者。同種の殺し合いもなく、群れ同士の闘争もない。メスたちが仕切っているので子殺しもない。

あるとき、チンパンジーの群れとボノボの群れが遭遇する。恐ろしい闘いになるかと思いきや、ボノボは争いを避ける。その手段は、性行為だ。同性同士の疑似セックスやオスとメスの性交。その様子を目撃した人物(著者が一人称で語る)は、「淫らでありながら、清らかです。生の祝祭、まさに天上の乱交です。」(118ページ)と描写している。

性的快楽に身をゆだねるボノボ達から発せられる幸せホルモンに、チンパンジーの群れは戦意が削がれたのだろうか。どうやら戦争は無事回避されたようだ。

もっとボノボについて知りたい、と思ったら、日本では京都大学野生動物研究センターでボノボの研究が行われているらしい。

 

日本初のボノボ研究 | 京都大学野生動物研究センター

 

脱線してしまった。話を同書に戻して。

それから、ところどころに登場する著者の家族のエピソードも、歴史的出来事に匹敵する興味深さだ。著者は、妻と息子を連れてアメリカに移住後、北米、中南米、カリブ海、ヨーロッパ、アフリカなどを巡ったという。「子連れのバックパッカーのような旅であった。」(260ページ)という著者だが、妻と息子はそういう暮らしをどう感じていたのだろう。

わたしも若い頃はバックパッカーだったし、結婚してからも国内外のあちこちに引っ越ししながら子育てをした。振り返ると落ち着きのない生活だったような気がする。そういう暮らしが影響したのか、(今のところ)日本に住んでいる娘に対し、息子はアメリカを永住の地として選び、今も彼の地で働いている。

また話が逸れてしまった・・・。

ちなみに著者の息子は宮内悠介だそうだ。宮内悠介といえば、彼の小説『遠い他国でひょんと死ぬるや』は心が震えるほど良かった!

広い世界に想いを馳せると、良い意味で脱力する。自分の力だけではどうしようもない出来事もあるんだ、こんなにたくさん。そう考えることは絶望や諦めに繋がるのではなく、let it beの気持ちにさせてくれる。

 


山とウグイスと(目指せ減量)

2024-04-20 20:43:44 | 日記

埼玉県の東秩父村、皆野町、寄居町からアクセスできる標高668メートルの登谷山。桜の季節と紅葉の季節に登ったが、わたしが一番好きな登谷山の姿は、ソメイヨシノが散り、ウグイスの歌声が山中に響き渡る4月下旬~5月初めに見られる。

目に鮮やかな、濃淡様々な緑と空が描く水彩画のような風景に、息をのむ。自然美にただただ感動する。

今日(4月20日)は、枝垂れ桜と八重桜がまだ元気いっぱい咲いていたので、緑とピンクの饗宴も少しだけ楽しめた。

ウグイスの歌声が本当に愛らしい。それぞれに個性豊かなメロディとリズムが山中にこだまする。

幸せだな。こんな素敵な山歩きができるなんて。ありがたいな。山と花とウグイスやほかの鳥に感謝。

しかし!!!

本題はここから。

ここ数か月で4キロ近く体重が増えてしまい、身体が重たく苦しい。特におなか回りは太い帯を二重に締めているようなうっとおしさ。前かがみになりたくても、おなかの脂肪が邪魔をする。スポーツジムで筋トレや水泳をしているのに、ちっとも痩せない(運動するとおなかがすいて、つい間食しちゃう)。困った・・・。

登谷山を一緒に歩いた人が、「室内ではなく、外で運動をして汗をかくのが減量に一番効果あるよ」と言う。そこで、その人とこれから週1回山歩きをすることにした。さて、効果が出るか!?薄着の季節までにおなかの脂肪をどこまで落とせるか!?


深い森の中で

2024-04-18 06:03:13 | 物語

4日に一度、彼女はその深い森へと入っていく。地元の人々に「魔物が住む森」と恐れられているところだ。

その森から出てきた彼女の肌は一層輝き、瑞々しい美しさに溢れている。そんな彼女の姿を見て、人々は「あの森には若返り効果があるに違いない」と噂をするようになった。

魔物伝説を恐れない何人かの者が、彼女の後を追っていこうとしたが、みんな途中で彼女の姿を見失ってしまった。まるで大木に吸い込まれたかのように、すっと姿を消してしまうのだ。

「あの森の中で何をしているの?」と、直接彼女に聞いた者もいる。もちろん、彼女は沈黙を守る、不思議な笑みを浮かべて。

今日もその日がやってきた。彼女が深い森へと入っていく日だ。

そこで何が起こっているのかは誰にも知られない。彼女と、魔物だけの、秘密。