Set me free!!!

storytellerです。本当に短い物語を書いたり、思い出話や日常の諸々について綴ります。

愛の逃避行

2024-04-29 12:10:24 | 物語
みなさんにご報告いたします。結婚することになりました! ここにたどり着くまで、長い道のりでした。 友人の紹介で何度かお見合いしたり、複数のマッチングアプリに登録するなどして、地道に出会いを求めてきましたが、どれも良い結果に繋がらず、わたしには縁がないのだろうか、と諦めかけていたところに現れたのが、彼です。 そうですね。まずは、その人との出会いについてお話いたしましょう。 その人とは、ネット . . . 本文を読む

オアフ島(ハワイ)の山を歩く

2024-04-27 06:05:45 | 思い出
2015年6月~2016年1月の約7か月間、ハワイのオアフ島で暮らした。20代の時、オアフで仕事の研修を受けて以来、「いつかハワイに住みたい!」と思い続けて、ついに叶えた夢! ところがところが。 ハワイでの生活は経済的にものすごくきつく、超節約生活を強いられた。物価はアメリカのどの州よりも高い(特に家賃が冗談みたいな高さ!)のに、給料はどの州よりも低い!働けど働けど、暮らしは楽にならない。周囲 . . . 本文を読む

『二千億の果実』宮内勝典

2024-04-23 08:24:40 | 読書
遺体解剖時にアインシュタインの脳をこっそり盗んで保管していた病理学者。 地球外知性体と交信しようと試みた天文学者。 チェ・ゲバラが最期に残した言葉。 ゴリラとボノボとのコミュニケーションに情熱を傾ける2人の学者。 ある中国残留孤児の壮絶な人生。 チャレンジャー号爆発事故で命を落とした飛行士との心の対話。 『アンデスの聖餐』に記録された人肉食の驚愕の背景事情。 『二千億の果実』には、世 . . . 本文を読む

山とウグイスと(目指せ減量)

2024-04-20 20:43:44 | 日記
埼玉県の東秩父村、皆野町、寄居町からアクセスできる標高668メートルの登谷山。桜の季節と紅葉の季節に登ったが、わたしが一番好きな登谷山の姿は、ソメイヨシノが散り、ウグイスの歌声が山中に響き渡る4月下旬~5月初めに見られる。 目に鮮やかな、濃淡様々な緑と空が描く水彩画のような風景に、息をのむ。自然美にただただ感動する。 今日(4月20日)は、枝垂れ桜と八重桜がまだ元気いっぱい咲いていたので、 . . . 本文を読む

深い森の中で

2024-04-18 06:03:13 | 物語
4日に一度、彼女はその深い森へと入っていく。地元の人々に「魔物が住む森」と恐れられているところだ。 その森から出てきた彼女の肌は一層輝き、瑞々しい美しさに溢れている。そんな彼女の姿を見て、人々は「あの森には若返り効果があるに違いない」と噂をするようになった。 魔物伝説を恐れない何人かの者が、彼女の後を追っていこうとしたが、みんな途中で彼女の姿を見失ってしまった。まるで大木に吸い込まれたかのよう . . . 本文を読む

心を取り出せたら

2024-04-15 06:52:09 | 日記
花粉症のせいで目のかゆみに悩まされている友人が、こう言った。 「目玉を取り出してごしごし洗いたい!!」 その気持ち、よくわかる。もっともわたしは花粉症ではないので、取り出したいのは目玉ではなく、心。 情動的なわたしは、自分の心の動きに翻弄されてしまう。そんなとき、心を取り出せたらどんなにかいいだろう! 心の汚れた部分は、スポンジでこすって洗い流す。 心の傷ついた部分には、しみない軟膏を優 . . . 本文を読む

落とす女と捕まえる男

2024-04-10 07:39:12 | 物語
自分が不器用でよくドジを踏むことは自覚しているが、20代の一時期に交際していた外国人男性にこう言われたことがある。 "You have butterfingers!" 「きみはよく物を落とすね。」 という意味だ。 バターのついた指で物を持てば、つるつるっと滑って落としてしまう。なるほど、言い得て妙だ、と感心しながらも、自分の不器用さを思い知らされてちょっと悲しくなった。 その男性と別れた . . . 本文を読む

たどり着けない

2024-04-08 09:41:19 | 物語
発車間際の電車に飛び乗った。その車両には乗客は彼女一人だけ。いくら平日の昼間だといっても、少なすぎやしないだろうか。いぶかしく思い、次の車両へと移る。ところが、その車両にも乗客は誰一人いない。その次の車両も、またその次の車両も、誰一人乗っていないのだ。不安になった彼女は車掌室へと向かう。ところが、そこにいるはずの車掌も、いない。 必死に走ってなんとか間に合った。汗をぬぐいながら窓の外を見ると、見 . . . 本文を読む

後ろ姿

2024-04-05 06:52:38 | 物語
わたしは外を歩くのが好きだ。思い立ったらぶらっといろんなところへ出かけて行く。 ある日気づいた。出かける先々で同じ人をよく見かけることに。その人はおそらくわたしの知り合いではないと思う。おそらく、というのは、その人の後ろ姿しか見たことがないからだ。 山道でも、海辺でも、遊歩道でも、川沿いのサイクリングロードでも、街中でも、ショッピングモールでも。いつも、その人はわたしの少し前を歩いている。 . . . 本文を読む

桜の原風景

2024-04-02 10:02:31 | 思い出
あれは、わたしが小学校低学年の頃だった。 (当時住んでいた)家からほど近い狭山湖へ家族で出かけた。満開の桜を見るために。 休日の狭山湖は花見をする人々で賑わっていた。両親の後ろを歩いていたわたしの注意を惹いたのは、広場にいる見慣れない服を着た女性の集団だった。 わたしの母親くらいの年齢の女性たちが、みな似たような服を着ている。くるぶしまでくるふっくらした長いスカート。その人達が輪になって歌い . . . 本文を読む