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北海道だ~い好き❤バイクはカワサキ☆クルマはレクサスCTとタウンエース(キャンカー)とジムニー☆キャンプと鉄道も好き

北海道ツーリング Vol.5 2019

2019-09-17 23:29:12 | 2019北海道ツーリング道東
8/22~9/1の北海道ツーリングのレポートの5回目(最終回)です。



前回は、納沙布岬から北太平洋シーサイドラインを走って釧路市郊外の山花温泉へ、さらに襟裳岬からアポイ山麓のキャンプ場へとバイクを進めました。今回は、静内、新冠から苫小牧港へ、そして1週間の旅を終え、太平洋フェリーで豊田に帰ります。


北海道ツーリング Vol.5 ~静内、新冠から苫小牧港、帰りの太平洋フェリー~

<8月30日>
8月24日に上陸して、早いものでもう30日。心配した雨もほとんど降ることもなく、順調に北海道ツーリングを楽しむことができた。この日も目の前のアポイ岳がくっきりと見え、キャンプ場独特の清々しい朝を迎えることができた。


 簡単な朝食をすませ、バンガローの中でのんびりと過ごした。なんと言っても、今日は夕方までに苫小牧港へ行くだけ。距離にしてわずか160km程度だ。
 10時にアボイ山麓キャンプ場を出て、R336からR236に変わった太平洋に添った国道を昨日に続いて西に向けて走った。相変わらず段丘の海岸線の美しいこと。北海道は走る道の全てが絶景だ。いつも雄大な景色が広がっている。
 だんだんと馬の牧場が目立つようになってきた。サラブレッド銀座と呼ばれている地域、新ひだか町に入った。サラブレッドは広い牧場に1頭もしくは親子という贅沢な暮らしをしている。
 静内でちょっとだけ北に進路をとってみた。一度行ってみたいと思っていた所がある。8kmにもおよぶ桜並木の直線的路の二十間桜並木だ。
 分かりやすい標識が出ていて、その標識に従って走るといくつかのサラブレッド牧場を通りすぎ、坂を昇り・・・おお~すげぇ~。
 直線の先が見えないくらいの並木道。




 両側はやっぱりサラブレッドの牧場が点在していた。桜は桜で、どれもみな立派な巨木だ。中には太い支柱で支えられている大きな枝の木もあり、それはそれは圧巻だった。
 もちろん、桜の花は咲いていないが、ほんのりと紅葉が始まっていて、わずかに黄色がかった並木道になっていた。
 約8kmをゆっくりと往復した。北海道はスケールが違うね。
 長~い桜並木を往復した後、来た道の坂を下って、親子のサラブレッドがいる牧場の前にバイクを停めた。馬を間近で見てみたくなったのだ。
 本当にかわいい目をしてる。




 子馬はすぐに母馬の所へ行ってはすりすりしている。
 そして、足は長く胴は引き締まり、サラブレッドかっこいいよ~。しかもかわい~い。
 二人で夢中になって眺めた。いっぱい写真を撮りながら。


 後ろ髪を引かれる思いで静内を離れ、すぐとなりの新冠の道の駅でお昼を食べることにした。
 新冠の道の駅「サラブレッドロード新冠」は超満員だった。当然レストランは満席で、他にどこか食べるところはないか施設内をぶらぶらした。残念ながらどこにもなかった。敷地内にセイコーマートがあったので、また今日もセイコーマートのパンか~と思って歩いているとレストランの空いた席を発見。レストランといっても、「うどん・そば」の幟のある小さな店だ。すぐ満席になるわなあ。
 ん?ラーメンがある。ツーリングに出て1週間、一度もラーメンを食べてない。んん?レコードラーメン??。なんだか分からないけどそれにしよう。
 びっくりしたね、レコードラーメン。チャーシューのでかさ。昔のシングル版のレコードの大きさだよ。一枚のチャーシューの大きさとしてはレコード級だね、これは。こんなでっかいチャーシュー、見たことないわ。そうか、それでレコードラーメンなんだな、きっと。野菜もたっぷりでうまかった~。


 ついでに、セイコーマートで帰りのフェリーの中で食べる晩ごはんの助六やらおにぎりやら適当にみつくろって買い、新冠の道の駅を出た。
 このまま高速に乗って苫小牧に行くのももったいない気がして、鵡川までR236から235に変わった太平洋沿いの国道を走り続けることにした。いい景色なんだね、これが。それも、ずうっと。
 苫小牧に近い鵡川から高速道路をビューンと走り、苫小牧市街をワープして沼ノ端東ICで降りた。あとはフェリー乗り場の看板に従って走れば苫小牧西港フェリー埠頭まで迷うことなくたどり着ける。
 僕たちが乗るフェリーは7時発の名古屋港行きの太平洋フェリー。3時半から受付で、着いたのは3時。しばらく待って受付をすませ、ターミナルビルの2階で続々と集まってくるバイクとライダーたちを見ながらコーヒータイム。このひととき、この雰囲気、結構好き。


 後ろの席の女性の「楽しかったなあ、1週間」という声が聞こえてきた。僕もおんなじだよ~。
 埠頭に並ぶバイクがどんどん増えてくる。それを眺めながら、久しぶりのおいしいコーヒーを味わった。
 17時15分からバイクを積み込むということで、17時にはバイクの所に戻った。大洗行きのバイクの列はバイク多すぎ。そして、仙台行きの列もいっぱい。名古屋行きの列は・・・20台もいない、かな。


 雨がポツリポツリとシールドに当たった。天気予報では夕方から雨。やばいなあ、早く中に入れて~。となりの仙台行きの列の中年夫婦のおじさんは「もう雨はこりごり」とつぶやいていた。僕たちはほとんどカッパを着ることなく1週間を過ごしていた。これはものすご~くラッキーなことだったのかもしれない。
 係の方の指示に従ってバイクを車輌甲板に載せ、フェリーで過ごす2泊分の荷物を持って部屋に向かう時、ふと外を眺めたら・・・どしゃ降り~。コリャとことん運がいいわあ。
 ドラの音と美しき青きドナウの音楽とともに太平洋フェリー「きそ」は苫小牧西港を離れた。雨が降っていたのでデッキには出ず、部屋の窓から小さくなっていく港の灯を眺めていた。そして、セイコーマートで買った夕食を食べ、二人で1週間の旅を振り返った。
 楽しかったなあ、この1週間。
○本日の走行                176km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数       8回


<8月31日>
 この日は一日中フェリーの中でのんびりまったり。北海道ツーリングを終え、フェリーで名古屋に向かっていた。
 昨日の晩は不覚にも9時を少し過ぎた辺りから意識を失ってしまったみたいで、ふと気付いた時は4時56分。カーテンを開けると空が白々としていた。しまった~、寝てまった。それも、メガネをかけたまま。
 仕方がないから、開き直ってちゃんと布団を被って二度寝。それでも、6時半には目が覚めた。妻もほぼ同じペース。二人とも1週間のツーリングを終えて、張りつめた気持ちが一気に緩んだんじゃないかなあ。まあ、船の中だから気が抜けていても大丈夫。
 まずは朝風呂に入ってシャキッ!。
 まだ7時前というのにお風呂は結構混んでいた。
 朝食はまたしてもCafeマーメイドクラブで個数限定の名古屋コーチン卵かけごはん。これ、往路の太平洋フェリーで2食食べて思いっきり気に入った朝のメニューだ。きっと明日の朝もコレなんだろうなあ。とにかくうまい。


 で、やることがない。海の上だから電波が届かない。電波が届かないからスマホで遊べない。Facebookもインスタも見ることができないのだ。ごろごろするしかないなあ。
 そうこうしているうちにフェリーは仙台港に入港した。


 仙台で下船するバイクを見ようとデッキに出ると、暑いのなんのって、強い日差しで腕がヒリヒリする~。27℃とのアナウンスがあったが、これは大変なことだ。昨日まで20℃で暑いと感じていた僕だから、これで30℃を超える愛知の暑さにちゃんと順応できるのだろうか。
 お昼になった。何もしなくても腹は減る。これもまた往路と同じ船員まかないカレー。まろやかでうまい。
 12時50分に太平洋フェリー「きそ」は仙台港を出航した。
 1時半からは映画を観て過ごした。この日の映画は長澤まさみ主演の「50回目のファーストキス」。夢中になって観ちゃったよ。


 で、部屋に戻ってまたまたごろごろ。部屋のテレビでサスペンスの再放送なんかを観たりしてうだうだ過ごすしかない。


 晩ごはんは2000円のディナーバイキング。全然体を動かしてないのに食った食った。これじゃあますますデブくなるわな。




 で、部屋に戻ってテレビで土曜の夜は寅さんということで、またテレビを観ながらごろごろ。
 寅さんが終わったら、またお風呂へ行っての~んびり。
 気持ちとしては平気そうな気がするけど、きっと体は疲れているはず。北海道初上陸から30年。いい歳になってるのだから。こうして船の中でだらだら過ごして疲れを取り除いていくのも大事かもしれないなあ。
 それにしても、ひ~~ま~~~。

○本日の走行                  0km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数       0回


<9月1日>
 朝起きた時からなんだか二人ともそわそわしていたような気がする。下船が近いからだと思う。下船が近いと、みんなそわそわするのかなあ。
 船内のレストラン「タヒチ」の朝食バイキングでお腹を満たし、部屋に戻って荷物を整理し、バイク用ブルゾンを羽織って下船準備のアナウンスを待つ。そして、アナウンスに従って車両甲板へと向かう。フェリーは名古屋港に着岸し、僕たちは車輌甲板で下船を待った。








 フェリーは定刻の9時40分に名古屋港に着き、9時50分にはバイクで船の外に出た。そして、そのまま伊勢湾岸道湾岸中央ICから一気に東海環状道豊田松平ICまで高速道路を走り、10時30分には豊田の自宅に着いた。


 大荷物を全て片付け、お昼前から妻は早速大洗濯。僕はキャンプ用具をガレージの棚やシュピーレン(小型キャンピングカー)に収納。そうして、あっという間に日常に戻った。
○本日の走行                *45km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数       0回


◎総走行距離                       1568km
◎ツーリング中に交わしたヤエー(ピースサイン)の数     112回


道東の青いラインが今回のコースです。

 総走行距離1568km。1週間走った割にはやや少なめだが、今回は距離より初物を重視した。ばんえい競馬、サクラマスの跳ぶさくらの滝、知床の道路の東端の相泊温泉。キャンプも2回できたし、知床峠も霧多布岬も快晴の空できれいに見えたし、感動の連続のツーリングだった。なによりも、北海道の道はバイクでただ走っているだけで楽しいのだ。キタキツネにもエゾシカにも出会った。天気にも恵まれた。ホント、今回のツーリングは大満足だったよ~。
 いっしょに走ってくれた妻にも感謝です。なんと言っても、インカムでしゃべりっぱなし、笑いっぱなし。妻のおかげで本当に楽しい1週間になったと思う。
 日常から非日常へ。非日常から再び日常へ。しっかりと日常へのパワーの注入することができた。
バイク、サイコー!
北海道、サイコー!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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北海道ツーリング Vol.4 2019

2019-09-14 23:25:16 | 2019北海道ツーリング道東
8/22~9/1の北海道ツーリングのレポートの4回目です。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。

前回は、サクラマスが跳ぶ「さくらの滝」を見て、知床ウトロへ行き、知床半島から根室へと走りました。今回は、納沙布岬から北太平洋シーサイドライン(霧多布・厚岸)を走って釧路市郊外の温泉へ、さらに襟裳岬からアポイ山麓のキャンプ場へとバイクを進めます。


北海道ツーリング Vol.4 ~知床、納沙布、霧多布、釧路、襟裳岬~

<8月28日>
 天気予報では北海道を除いて全国的に雨。根室も釧路も夕方から雨の予報。もちろんキャンプは無理。今回のツーリングで雨男、雨女を返上した僕たちは雨が降る前に宿に着く作戦を考えてみた。うまくいくかどうか。
 根室のホテルを出て、まずは納沙布岬だ。北側ルートは右側に牧場、左側は曇り空で白っぽくなった海を眺めながら走る快走路。牧場の主役が牛から馬にかわると岬が近くなったことが分かる。


 本土最東端に到着すると、「納沙布岬」と書かれた古い柱状の碑の近くにバイクを停めた。岬周辺は新しくきれいに整備されているが、僕はその古い碑が好きなのだ。30年前に初めて来た時と同じ碑、やっぱりこれの近くにバイクを停めなきゃ最東端に来た気がしないね。曇り空で景色はよく見えなかったけど。
 本土最東端の碑を見たら、次は本土最東端の駅を見に行くことにした。JR東根室駅だ。






 納沙布岬から根室へ戻るのに、今度は南側ルートを走った。根室半島の南側は、いくつかの集落が点在する趣のある道だ。
 根室市街に入った辺りの所にJR東根室駅があった。初めて訪れる場所というのは本当にわくわくする。最東端の駅JR東根室駅はは無人駅で、2、3時間に一本しか列車が停まらないひっそりとした駅だった。
 ここに来る途中、首の右側にチクッとした痛みを感じた。チクッどころかかなりイッタイ!。何か虫に刺されたような痛みだったのてタンクバッグからムヒを取り出して塗ってみたが、どうやらアブ・ハチ系の虫刺されっぼくてすごくイッテェ~。
 インカムで妻に伝えて、落石へ向かう途中で痛い所を見てもらうと・・・「赤く腫れて真ん中に針で刺したような穴があいてる」。
 ヤバイかも。とりあえすまたムヒを塗って、落石の集落で薬局を探すことにした。道道142は森の中を走る素敵な道だ。いい感じ~と思いながら走ったが、右首の痛みがどうにも気になる。
 落石に着いて集落をのろのろと薬局を探しながら走った。でも、薬局なんて見当たらない。その先の落石港にバイクを停めてムヒを塗っていると、心配した妻が近くの作業員の方に薬局の場所を聞いてくれた。作業員の方に事務所に来るように言われ、事務所に入ると、女性事務員の方が救急箱を持ってきてくれた。なんてありがたいこと。結局、アブ・ハチ系の虫刺されの薬はなかったが、本当に感謝感謝です。株式会社「兼由」の従業員の方、お世話をおかけしました。ありがとうございました。


 再び道道142通称北太平洋シーサイドラインを西に向けて走った。海岸段丘の上に上がると、それはそれは超絶景。ずっとずっと超絶景だ。美しい海岸線と、ふわふわした草原をずうーっと見続けながら走るのが道道142なのだ。
 次の目的地、霧多布岬に到着した。曇りなのに霧がない。霧のない霧多布岬を見るのは初めてだった。草原から眺める岬はとても美しく、いつまでも眺めていたいほどだった。そして、足元にはかわいらしい花がいっぱい咲いていて、雰囲気よすぎ~。




 時間はお昼を回っていた。ここでも、いざというときのセイコーマートだ。
 浜中市街のセイコーマートで昨日と同じようにサンドイッチを買って店先で食べた。ツーリングだからこそできることかもしれない。


 うまい具合に、セイコーマートの隣が薬局だったので、化膿止め系の塗り薬を買うことができた。薬ってすごいね、痛みがずいぶんやわらいだような気がしてきた。そして、浜中町と言えばルパンⅢ世の街。作者の故モンキーパンチ氏の出身地ということで、どこの店にもルパン・グッズが売られていた。薬局でも、ルパン・コーナーがあり、ついついルパンのステッカーと、不二子とルパンのキーホルダーを買ってしまった。なんだかとても高い薬代になった。
 塗り薬で痛みがやわらいだ僕は、さらにバイクを西へと進めた。
 浜中町霧多布の市街地から再び海岸段丘の上へと坂道を登るとすぐに琵琶瀬展望台がある。ここも外せない場所の一つだ。展望台から北側を眺めるとは霧多布湿原が一望でき、一面に広がる湿原の美しさに感動する。


 その後も、展望台じゃなくてもずっとずっと森と海と草原と湿原を交互に見ながら走る絶景続きの道が延々と続いているのです。道道142、すごすぎ。
 午後2時、あやめヶ原でカッパを着た。たま~にシールドに小さな雨粒が付くようになった。カッパが必要な振り方ではなかったが、夕方から雨というのは分かっていたので早めに着るのが得策ということだ。
 厚岸からR444に合流する。再び道道142北太平洋シーサイドラインと枝分かれするが、この後の天気を考え、そのまま国道を走って釧路へと向かった。雨雲が立ちこめてきたので、海岸線を走ってもたぶん絶景は期待できないだろう。それよりも本降りになり前に宿に着くことが最優先だ。市街地の雨なんて最悪だからね。
 幸い、釧路市街に入っても雨はほとんど降ってこなかった。
 キャンプを諦めた時点で予約したのは釧路の奥座敷、山花温泉。釧路市街をバイパスでワープすると、北側に釧路湿原が広がっているのが分かる。
 こうして、ちょうど4時に宿に着いた。駐車場にバイクを停めて荷物をおろしていると・・・ザーっと雨が降り出してきた。
セーーーフ


 こういう日は早めに宿に入り、あったか~い温泉に浸かり、おいしい晩ごはんを食べる。これが一番です。




 い~い気持ち
○本日の走行                230km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数        9回



<8月29日>
 この日の釧路は朝のうち雨、のち晴れ。目的地の襟裳町は曇り時々雨。そこで、雨が上がるのをしばらく待っていると、9時ころにはほとんど濡れないくらいの霧雨状態になってきた。そのタイミングでチェックアウトし、パッキングをすませるとすっかり雨は上がった。僕たち、完全に雨男、雨女返上となったようだ。
 山花温泉から釧路空港横の道路を走り、大楽毛からR38に入った。この地名は僕たち夫婦のお気に入りの地名だ。なんだか楽しそうでしょ、「オタノシケ」。
 道の駅「しらぬか恋問」でトイレ休憩。日が射してきてなんだか暑くなってきた。僕は「白い恋人ソフトクリーム」なんかを食べちゃったりして。で、この時の気温は20℃。20℃で暑いと言ってソフトクリームを食べてる僕。猛暑日の豊田に帰ったら即熱中症だよ。ちゃんと適応できるかなあ。


 R38を西に向かうと、次の町は釧路市音別町。かつておじ、おば、妻のいとこが住んでいた町だ。彼らはもうみんな天国にいってしまっているが、音別にはバイクつながりの知り合いの人がいる。10年近く前のこと。たまたま自販機で缶コーヒーを飲んでいた時に声をかけてくれたプロパン屋のSさんだ。ちょっと寄ってみると2匹の犬、リンゴとイチゴが、しっぽをふりふりお出迎え。30分ほどお邪魔させていただいた。
 音別からさらに西に向かうと、R38は林、牧場、畑、林、牧場、畑・・・ただただその連続で信号なんて一つもない。まさに北海道の雄大な景色が眺められる道で、ずっとずっと快走快走また快走で、浦幌までハイペースのままノンストップ。妻といっしょなので浦幌のおっぱい神社を通過して、さらに西へと走った。
 途中、広尾町方面R336に入ると、さらに60kmくらい家一軒ない一本道になった。さすがに腹は減るわトイレに行きたいわ、それでもただ走り続けるしかない道だ。時速60kmで走れば間違いなく1時間後には60km先にいる。それが北海道だ。
 1時間もトイレを我慢してようやく豊似防災ステーションを見つけた時のうれしかったこと。誰でも自由に使えるトイレがあり、ホントほっとした。妻はもう「林の中に入ってしちゃおうかと思った」なんて言ってたほど限界だったようだった。とにかくよかったよかった。それにしてもすごい道だよ、R336は。見渡す限り森、見渡す限り牧草地と牧場、見渡す限り広大なスケールのとうもろこし畑、そんな景色が60kmも続くのだから。
 広尾町で燃料補給。道の駅も無さそうなので、今日のお昼もコンビニのパン。ただし、今日はセイコーマートではなくセブンイレブン。それにしても、まったく食にこだわらない二人。北海道に来たら北海道らしいものを食べなくちゃ、と普通は思うわな。


 お昼のパンを買うついでに、今晩と明日の朝の食料の調達もした。北海道最後の夜はキャンプと決めていたからだ。
 買い物を終えて外に出て店先でパンをかじっていると雨がパラつき始めまた。この先の襟裳町の天気をチェックすると降水確率40パーセント。キャンプ、大丈夫かなあ。
 このまま走れば襟裳岬に3時頃、そうすると、キャンプをするとしたらその先のアポイ山麓か。そうだ、バンガローにしよう。バンガローなら雨が降っても大丈夫じゃん。
 電話をしたら空いているとのことだったので、即予約した。妻は、「バンガロー、初めての経験」なんて言って大喜びしてる。
 カッパを着て、襟裳に向かった。雨はすぐに上がったが、空はどんよりと曇っていたのでカッパを着たまま走った。
 間もなく黄金道路に入った。この日の太平洋は波が高く、白い波しぶきが道路にも打ち寄せている所もあった。所々新しいトンネルができ、かつてのような風情は減ってしまったが、やっぱり楽しい道だ。海岸に添ってここも快走快走。




 襟裳岬に着いてびっくりしたのは、「風が無い~」。
 岬には資料館「風の館」があるように、いつも強い風が吹いているイメージがあった。波は荒いのに風が吹いてない。暖かくて穏やかな襟裳岬は初めてだった。




 灯台と岬を眺めて駐車場に戻ると、室蘭ナンバーの真新しいZ400に乗る若い女性ライダーがぎこちない動きで駐車場を出ていった。ビギナーライダーが一人でツーリング。妻は「きっと 彼女にとっては大冒険なんだろうな」とつぶやいていた。僕はICOSを1本吸って、アボイ山麓キャンプ場へと向かった。
 しばらくすると、真新しいZ400を先頭に数台のクルマが連なって走っていた。大冒険の女性ライダーだ。がんばれーと心の中で応援しながらゆっくりペースで走った。それにしても、チョイ乗りで襟裳岬だなんて、うらやましすぎる~。
 岬から30分ほどでアボイ山麓キャンプ場に着いた。妻にとって初めてのバンガロー。テンションが上げ上げがびんびん伝わってくる。




 晩ごはんは、レトルトのカレーとインスタントのオニオンスープ、そして北海道初日に買っておいた南富良野のバターじゃが。アポイ岳の麓の自然の中で食べるとこんなに質素なメニューでもものすごくうまい。


 何かかさかさと音がしたかと思ったら、キタキツネが食卓の横を普通に歩いて通り過ぎていった。人に寄りつくわけでもなく、人を怖がるわけでもなく。


 空には星が一つも見えなかった。それでも、北海道最後の夜は、なんだかとても楽しい気分のバンガローの中だった。

○本日の走行                228km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数      12回



 次回は静内、新冠から苫小牧港へ、そして1週間の旅を終え、太平洋フェリーで帰ります。

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北海道ツーリング Vol.3 2019

2019-09-10 23:21:03 | 2019北海道ツーリング道東
8/22~9/1の北海道ツーリングのレポートの3回目です。

 前回は狩勝高原でキャンプ、帯広で「ばんえい競馬」を初めて観戦しました。今回はサクラマスが跳ぶ「さくらの滝」を見て、知床ウトロへ行き、知床半島から根室へと走ります。

北海道ツーリング Vol.3 ~サクラマスが跳ぶさくらの滝、知床半島から根室へ~

<8月26日>
 9時頃「ホテル帯広」のバイク専用駐車場で荷物をパッキング。僕たちの2台以外に5台ほどバイクがあったが、いなくなっていたのは1台だけで、ほとんどのバイク客はまだ出発していない。ツーリングの朝はみんな早くて、のんびり派の僕たちはいつも最後なんだけどなあ。


 家を出て5日目。まずは、向かいのセイコーマートでアリナミンVドリンクでパワー注入。歳を取るとヤクに頼りがちになる。今日はこのツーリングで初めての300km越えのコースだ。気合いを入れて出発した。
 音更帯広ICから足寄ICまでは道東道でワープ。足寄の道の駅でトイレ休憩をした。ここは元々本物の駅があった場所で、かすかにその名残が垣間見られる。ちょっとだけレールが残されていたりして。




 足寄からはR241で阿寒湖方面へと向かった。十勝平野を離れると、周りの景色は大農場から牧場へと変わる。見渡す限りの牧場に時々牛たちがのんびりと草を食べている風景を見ながらのツーリング。広~い広い牧場で育つ牛たちの肉も牛乳もおいしいだろうなあと思えてくる。なによりも、こ~んな空気のいい環境でのびのびと育つ牛たちは幸せかも。幸せな環境で育った牛から作られる乳製品です。乳製品はやっぱり北海道産だね。
 阿寒湖の手前でオンネトーに寄り道をした。外せないんだよね、ここは。なんとも神秘的な湖です。エメラルドグリーンの水に雌阿寒岳、雄阿寒岳の勇姿が映っていて、それはそれは美しい湖なのです。




 オンネトーを出て、阿寒湖の近くのセイコーマートでお昼ごはんを買った。いい天気でなんとも清々しい雰囲気の景色なので、外でお昼ごはんを食べようということになった。
 弟子屈に向かう国道のパーキングにバイクを停め、キャンプ用の小さなテーブルを出し、僕は助六で、妻はおにぎりでお昼ごはんにした。緑の木々と青い空がおかずだ。安上がりな上に気持ちがいい。


 この先のR241は北海道には珍しいくねくねの峠道だ。天気予報では晴れの予報だったが、雨粒がポツポツとシールドに当たるようになってきた。こういう時はすぐにカッパを着ることにしている。今までの北海道ツーリングで学習しているのだ。早めにカッパを着た方がいいことと、晴れていても峠だけ天気が悪いことがあることを。
 パンケトー(湖)が北海道の形に見えるという双湖台パーキングにピットインしてカッパを着、すぐにピットアウト。やっぱり峠はどしゃ降りだった。こういうことはよくあること。ただ、怖がりの僕は土砂降りの時の下りのヘアピンは超怖い。超怖いから超安全運転で坂を下る。後ろになにもいなくてよかった。
 峠の麓はまたまた晴れ。そして気温が低い。だから防寒の意味でカッパを着たまま走り続けることにした。気温が低いと指先が冷たくなってくる。妻がインカムで「私、グリップヒーター使ってるよ」と言ってきた。なるほど、そこで真夏の8月だけどグリップヒーターのスイッチをオンにした。こういう使い方もあるんだなあ。
 弟子屈を過ぎ、国道を外れ道道885に入り、養老牛から北に向かった。景色は牧場から針葉樹の森の中へと変わる。まるでクリスマスツリーのような円錐の木ばかりの森に入ると裏摩周展望台がある。霧の摩周湖と言われている湖だが、僕は8回訪れて全勝。一度も霧の摩周湖を見たことがない。一度でいいから霧の摩周湖を見てみたいものだ。な~んてね。


 さらに北に向かうと、森の中の一本道。森また森の一本道。走っているだけで森林浴だ。マイナスイオンをたっぷり浴びて走ることのできる道だった。
 そのまま進むと、今回の目的地の一つ、さくらの滝がある。昨日のばんえい競馬と同じように、さくらの滝は初めてだ。サクラマスが滝を登るのが見られる場所としてテレビで紹介されていた。
 そんなうまい具合に見られるものかなあなんて思いながら駐車場から1分ほど歩くと、おおお~っ、跳んでる!!!。






 案外でかい。「あっ、跳んだ」「わっ、また跳んだ」
 僕も妻も大はしゃぎしてしまった。すげえよ、これ。ほんと、超感動。
 さくらの滝から清里町を抜け、斜里に向かった。何度も道東を走っていますが、裏摩周から斜里に抜ける道道は初めての道だ。清里から先はまたまた畑しか見えない直線路になり、空がすごく広く見えた。
 斜里からはウトロまで知床半島オホーツク海側のR334をひたすら東に進むことになる。途中で「天まで続く道」に寄り道をして、予約しておいたウトロの旅館「酋長の家」に来た。


 酋長の家は、35年前に初めて訪れて以来、道東に来たら必ず泊まることにしている。アイヌの酋長の娘さんが経営していて、泊まるといつもアイヌの話を聞かせてくれる。僕たち夫婦にとっては定宿のようなもので、おかみさんはいつも温かく迎えてくれる。



 晩ごはんにはアイヌ料理のほかに鹿肉や毛がになどおいしい食事をいただき、ぬるぬるとキュッキュがちょうどいい気持ちのいい温泉に浸かり、満足感に浸りながら北海道3日目の夜を過ごした。


○本日の走行                301km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数      31回


<8月27日>
 今年の北海道ツーリングは天気に恵まれている。ただ、暑いと寒いが大きい。
 ウトロの宿「酋長の家」を出てバイクに荷物をパッキングしていたら暑くて暑くて・・・ここ、知床なんだけどなあ。
 「こりゃたまらん」ということで近くのセイコーマートへ行って今日もアリナミンVドリンクでパワー注入。熱中症対策?
 9時を少し過ぎて、まずは知床横断道路で知床峠へ。空は真っ青、澄みきった青い空。暑さも高度が上がるにしたがって解消され、気持ちよくコーナーをクリアして快走快走。そして・・・知床横断道路と知床峠の素晴らしいこと。もう、帰りたくないね。


 知床峠に着いて景色を眺めると、国後は海の霞の彼方に見え、まるで雲海の上に浮かんでいるように見えた。国後島にそびえる美しい羅臼岳まで確認できるほどだった。山側に目を移すと、目の前にそびえる斜里岳。手が届きそうなほどはっきりくっきり、空の青さに映えていた。もう7、8回くらい来ているが、こんなにきれいに見えたのは初めてかもしれない。






 そのすばらしい景色を目に焼き付けた後、峠を慎重に下って羅臼の街に出た。そして、どこにもつながってない東に進路をとった。道の先っぽはどうなっているのだろう。そこで、知床半島最東端の行ける所まで行ってみようということにした。地図によるとそこには相泊温泉という海岸に湧き出す温泉があるはず。知床の荒海を眺めながら温泉に浸かる。気持ちいいだろうなあ。
 知床半島南側の道道87はずうっと漁村がつながっていた。何もない最果ての道と思っていただけに意外だった。途中からは昆布漁の番屋も見られるようになった。
 最後の集落の相泊に入った所に、確かに温泉はあった。あるにはあったけど、海岸の岩場に湯船があるだけ。そこに、すっぽんぽんのおじさんが一人、体を伸ばしてお湯に浸かっているのが見えた。つまり、道道から丸見え~。僕、そんな勇気も、お見せできるモノも持ち合わせていない・・・。


 おじさんの丸裸を見て、さらに東にバイクを進めると、1kmほど先の「この先行き止まり」の看板で道路は途絶えていた。




満足感を覚えたね。バイク乗りは先っぽが好きという定説があるようで、どの岬にも必ずツーリングライダーたちが集まっている。
 再び羅臼に戻り、道の駅「知床らうす」でお土産を買い、レストランで・・・ダメだ~、満席だよ。
 待つのが嫌いな僕たちわがまま夫婦は、いざという時のセイコーマートでサンドイッチを買い、駐車場の隅で食べることにした。同じことを考えたハーレー氏もいて、恥ずかしさは半減。よかった~。それに、セイコーマートのパン類はうまい。


 そこからはひたすら左手に国後を眺めながらR335を心地よいペースで草原の中を、林の中を走り続けた。飽きるほど走り続けたが、飽きることはない。なんと言っても、常に左手に見えている島は国後島なのだから。こんなに非日常はありえない。
 別海町で左に折れ、今度は野付半島へ行ってみた。道道950は20km近い長さの砂州の中を走る道だ。狭い砂州の半島だから道路の右側も左側も海が見える道を走り続けることになる。右も左も海!なんて道、他にあるのかなあ。


 午前中は暑かったのに、なんたか寒くなってきた。寒いとトイレが近くなる。野付半島先端の駐車場の、タンクローリーのタンクを改造した不思議なトイレでしっこして再び別海に戻ろうとしたが、やっぱり寒い。


感覚的には11月の気温だわ、これは。妻が今の別海町の気温を検索すると、なんと18℃。寒いはずだ。で、明日朝の最低気温は・・・うそっ、11℃だと!。豊田では晩秋か初等の気温じゃん。
 これはキャンプは無理でしょう。僕たちが持っているのはバイク用の薄いシュラフ。これでは寒さに対応できるわけがない。寒さで震えながらキャンプをするほどの根性もない。ということで、根室のビジネスホテルを予約した。
 で、再び別海に戻り、またまた国後を左に見ながら根室を目指した。手がかじかんできたので、今日もまたグリップヒーターをオンにして走った。
 さぶ~っ、と思いながら5時半くらいに根室駅近くの「ホテルニュー根室」に到着。


 しばらく部屋でだらだらし、6時半にホテルを出て晩ごはんを食べに人けのない根室の街を歩いた。
 20分くらい歩いて見つけたのは蕎麦屋と焼肉屋と居酒屋。迷わず焼肉屋に入り、漁業の町で牛と豚。まあ、これもありだね。




 今日もいっぱい走った。遊んでいるときの僕はなぜかいつも絶好調。
 明日の夕方から天気が崩れるとのこと。まあ、1週間も走ればたまには雨も降るでしょ。ここまでは天気に恵まれているのだから。

○本日の走行                256km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数      23回


 次回は納沙布岬から北太平洋シーサイドライン(霧多布・厚岸)を走って釧路市郊外の温泉へ、さらに襟裳岬からアポイ山麓のキャンプ場へとバイクを進めます。

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北海道ツーリング Vol.2

2019-09-06 23:50:26 | 2019北海道ツーリング道東
前回は出発の日から太平洋フェリー「いしかり」の中、そして北海道へと向かいました。今回はいよいよ上陸です。

北海道ツーリング Vol.2 ~狩勝高原でキャンプ、帯広で「ばんえい競馬」初体験~

<8月24日>
 フェリーの中で2度目の朝を迎えた。昨日に続いて、朝ごはんは名古屋コーチンたまごかけごはん。これがまたおいしくて、毎日でも食べたいくらいの味。妻はやっぱり昨日と同じモーニングセット。太平洋フェリーのモーニングセットもおいしいんだな、これが。


 9時半からロビーでピアノ演奏があった。上手なんだけどなんか雑。フェリー客をなめてるかもと思えてしまう。コンサートかコンクールだったら絶対にもっと丁寧なタッチで弾いているはずだよ、きっと。この演奏だったら、僕の大学の音楽の先生の方が上手な感じがしたね。僕の大学の先生は教育系の先生なのでピアノタッチが丁寧なんです。僕は弾けないけど。
 部屋に戻って窓から外を見ると苫小牧港が見えていた。なんだかドキドキしてきた。毎年北海道ツーリングをしているけど、上陸が間近に迫るとやっぱり緊張する。
 フェリーは定刻の11時に着き、そのまますぐにバイクで船の外に出た。おおお~、いいねえ、北海道だよ~。
 まずは北に向かってR234を走った。苫小牧市街は混んでいたものの、早来町まで来るとすいすい走れるようになった。やっぱり北海道はいいなあなんて思ってたいら雨粒がポツポツ。さっそくカッパを着て走っているうちに雨は本降りになってきた。


 安平町追分の道の駅「あびらD51ステーション」でピットイン。雨は小雨になっていた。とりあえずお昼ごはんだ。いつものようにカレーが食べたくなり、僕は安平の野菜カレー、パン好きの妻は手作りパンでお腹を満たした。




 いつの間にか雨は上がり、晴れ間も見えてきた。この天気ならキャンプができそうだ。展示してあるD51と旧特急列車を見て、道の駅を出た。




 追分ICから占冠ICまでは道東道をビュ~ン。占冠から金山、金山からかなやま湖へと気持ちよ~く走った。途中でキタキツネがひょこんとこっちを向いていた。大自然にキタキツネ、北海道だね。
 かなやま湖キャンプ場の駐車場でトイレ休憩。かなやま湖が一望できる素敵なキャンプ場だ。でもまだ2時。目安にしていた狩勝高原キャンプ場まで行くことにした。


 湖畔の道は信州の白樺湖を思いっきりスケールアップしたような雰囲気の道だ。
 R38に入る手前の道の駅「南ふらの」で晩ごはんと朝ごはんの食料の買い出しをした。そして、僕の大好きな狩勝峠を目指した。峠といっても、ただまっすぐな道を登っていく。それが北海道の峠道。30年前、初めて北海道を走った時はそれがとても衝撃的だった。峠道と言えば、くねくねのヘアピンカーブが連続した登り坂だとばかり思っていたからだ。そして、狩勝峠から見た十勝平野の雄大さに圧倒されてしまった。それ以来、道東方面に行く時はできるだけR38を走るようにしている。


 狩勝高原キャンプ場は狩勝峠を下った5合目辺りのサホロ・リゾートの近くにあった。町営のキャンプ場で、無料。


 テントを立てたら、まずは温かいスープで乾杯。


そして晩ごはんの準備。献立は、僕がエゾシカ冒険カレー、妻は富良野トマトののチキンカレー。それにじゃがバターまるごと1つずつ。これを北海道の林の中で食べると特別にうまいんだなあ。




 食後のコーヒーを飲んで後片付けをすると、もうやることがない。
 テントの中でごろごろしているうちに眠くなってきた。

○本日の走行                165km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数      13回


<8月25日>
 昨日の夜空にはびっくりしたね。満天の星、どころか超満天の星。夜中に目を覚ましトイレに行こうとテントから出て空を見上げると、星ってこんなにたくさんあったの?、小さな星が密集してる!、天の川がくっきりと見える!。夜空一面に大小の光の点々が散りばめられている。周辺に灯りらしい灯りがないと、こんなにも夜空ってきれいなんだ。真っ暗な夜のキャンプ場から見た夜空にド感動だった。北海道なら夜中のトイレもいいもんだね。頻尿じゃないけど。
 そして、朝のキャンプ場の清々しい空気。北海道上陸初日から素晴らしい一夜を過ごしました。いいツーリングになりそうだ。




 今日の予定は帯広でばんえい競馬を観ること。ばんえい競馬はテレビでしか見たことがなく、とにかく一度この目で見てみたいとずっと思っていた。いよいよ長年の願いが叶う日がやってきた。
 ばんえい競馬が行われている帯広競馬場までは狩勝高原キャンプ場からわずかR38でわずか60kmあまりの距離だ。時間に余裕があるのでのんびりと白樺林の朝を過ごし、キャンプ場の朝を十分味わってから出発した。ばんえい競馬場午前中からやっているわけではないので、帯広界隈で行ったことのない所へ行ってみようということにした。
 まずは新嵐山スカイパークに向かった。芽室町に入って南に折れ、スマホのナビに従って畑、また畑のまっすぐな道を10数kmほど走ると新嵐山スキー場の駐車場があった。そこから山側に入り、狭いくねくね道を1kmほど「対向車、来るなよ」とつぶやきながら登ると・・・おおお~っ、すごすぎる~。十勝平野が一望できる展望台だ。駐車場にバイクを停めて眼下を眺めると、縱と横の直線路、正しく四角形に区切られた広大な畑、それを仕切るように一列に並んで立っている木々。視界に見えるのはただそれだけ。墨から墨までその景色が広がっていた。近くにいた人が、「遠くに見えるのがナイタイ高原だよ」と教えてくれた。雄大すぎる~。






 展望台を下って次に向かったのが八千代牧場。ツーリングマップル(地図)ではおいしいソフトクリームがあると記されている。牧場のソフトクリームならおいしいに決まっている。絶対に行かなくちゃ。ということで、またまた畑しかない景色の中の一本道を約9km、ナビに従って右に折れて約5km、そんな感じで走るとあったあった八千代牧場が。だけど、搾乳の工場しかない。しかも部外者は入ってはいけないようなオーラがでている。まいったなあ。妻が、
「近くに店みたいなところがあったじゃん。人、いっぱいいたよ。」
とインカムで伝えてきた。確かにあったけど、老人しかいなかったような・・・。とにかく、そこかもしれないから行ってみようということで少し引き返すことにした。
 近くのにぎわっている所。とりあえずクルマが並んでいるバイクを停めて、少し歩いてみた。でも、そこにはゲートボール場しかない。人が集まって見えたのは日陰で休んでいる地元の人たちのようだ。ソフトクリームの売店なんてどこにも見当たらない。
 それにしても暑い。しかたがないから、元気な高齢者たちでにぎわう中を僕はTシャツ一枚になって自販機に向かって走った。ソフトクリームがなければコーラでいい。元気な高齢者?バイクで走っているオレもか?。
 お昼になったので新しい道の駅なかさつないで地の食材を使ったカレーでも食べようと妻と相談し、またまた畑しか見えない直線路を国道に出るまで走った。バイクで走ると言っても、ただ座っているだけで何んの操作もしていない。十勝平野はそんな道ばかりで、北海道を思いっきり味わえる。
 R236との交差点にあった道の駅「なかさつない」は何かのイベントが催されていて大賑わいだった。「わ~、久しぶり~」の声が飛び交っていた。僕たちはわずかなスペースを見つけ、何とかお昼ごはんにありつくことができた。僕は予定どおり中札内ファミリーカレー、妻は枝豆コロッケカレーを選んだ。




 中札内ファミリーってどうやら豚と鶏なのかなあ。チキンカレーに小さな豚カツが乗ったカツカレーだった。
 早くばんえい競馬を観に行こうという妻のリクエストに答え、ちらっと愛国と幸福の旧駅舎に寄っていこうかなあと思っていたのを忘れ、R236を北にひた走り、帯広駅近くのホテル「アパホテル帯広」に向かった。
 2時半という早いチェックインを済ませ、帯広駅西のバスターミナルから十勝バスに乗って競馬場に行った。




 賭け事を一切しない僕にとって、自分の意思で入る競馬場は初体験だ。入場料100円ずつを払って中に入ると、思わず二人揃って「デカっ」。


 でかいよ、ばん馬は。木曽馬の2倍はあるわ、どの馬も。
 最初に見たレースは第4レースだった。驚いたのなんのって、競馬なのに走らないんだね、ばんえい競馬は。力強く歩いて1つ目の障害を越えると、その先のストレートで、止まったり、ゆっくりにしたり。さらに2つ目の 障害の手前でも止まり、パワーを蓄えて一気に登り、障害を越えると・・・ダッシユかと思いきや、またまた一歩一歩力強く歩いてゴールを目指す。これには、作戦や駆け引きなど、なかなかおもしろいものがあるように思えた。相撲と似ているかも。でかくて強い体だけでなく、相手の出方をうかがったり、先に勝負を仕掛けたり。




 これはおもしろいと思った僕は、人生初の馬券というものを買っちゃったよ。まっ、200円というお遊び価格だけどね。
 第6レース、討ち死に。第7レース、またまた討ち死に。第8レースなんて、8頭中、7位と8位を当てたもんね、僕が買った馬券。僕も妻もギャンブルの才能ゼロってことだろうね、きっと。


 それにしても寒い。昼間暑かったのでTシャツ1枚で競馬場に来たが、寒すぎた。とてもTシャツ1枚ではいられなかったので「BANBA」のロゴ入りのウィンドブレーカーなんかを買っちゃったりして、寒さをしのいだ。このクソ暑い夏に「寒い」だなんて贅沢言ってるね、僕。
 で、馬券全滅。あぶく銭を期待しちゃダメなんです。人間、こつこつと働いてお金を得らなくては。特に僕のような人間は。
 それにしてもあの迫力、また観に来たいものだ。
 バスで帯広駅西に戻り、ホテルのレストランで晩ごはん。馬券当ててたらリッチな食事になったはずなのになあ。
 バイクツーリングなのに昨日も今日も半日しか走っていません。明日からは本格的に走る予定だ。目指すは知床半島だ。

○本日の走行                123km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数      16回


 次回はサクラマスが跳ぶ「さくらの滝」を見て、知床ウトロへ行きます。そして根室へとバイクを進めます。

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2019 北海道ツーリング Vol.1

2019-09-03 23:40:54 | 2019北海道ツーリング道東
 ご無沙汰していました。北海道に行っていました。北海道ツーリングは僕たち夫婦の夏の恒例行事なのです。少しずつツーレポを書き始めました。Face bookで毎日下書きをUPしていたので、書き加えながら推考するだけなのですが、これがまた結構時間がかかってしまっています。
 今回は、出発の日からフェリーの中、そして北海道へ。もしよかったら、ぜひ読んでいただければと思います。


北海道ツーリング Vol.1 ~太平洋フェリーで苫小牧に向かいます~
<8月22日>
 今年もまた北海道ツーリングの日がやってきた。これが僕たち夫婦の夏の恒例行事だ。
 今回は名古屋港発の太平洋フェリーで北海道へ行くので、今日のツーリングは家からわずか1時間足らずの超ミニミニツーリング。


 3時に家を出て、4時前には名古屋港フェリーターミナルに着いた。それにしても暑い。Tシャツが汗でべったべた。


 乗船手続きを済ませてバイクを指定の場所に停めると「8/22~9/29北海道一周」と書かれた板を掲げたバイクを妻が見つけた。ちょうどそこにやってきた若者に話を聞くと、9月いっぱいまで休みだから1か月以上の北海道ツーリングに出かけることにしたという大学院生の二人組だった。僕も、大学院生時代に妻と二人で1か月かけて南は九州佐多岬(本土最南端)から北海道宗谷岬(本土最北端)まで、バイクで東西南北端の旅をしたので、気持ちはよく分かる。思い出いっぱいのいい旅になるよ、きっと。


 6時頃乗船した。妻はバイクをフェリーに載せるのを不安がっていたが、案ずるより生むが易し・・・で、すんなりと車両甲板へ。不安そうな顔を見せても、妻は十分ベテランライダーなんだよね。
 出航5分前に最上階の甲板に出てみた。
 ドラの音と「美しき青きドナウ」の音楽とともに、太平洋フェリー「いしかり」が港を離れた。港の灯りと名港トリトンの光の列がいい感じだ。久しぶりに妻と手をつないでデッキを歩いた。ハズカシー😅。


 晩ごはんは部屋でカップ麺とおにぎり。ホテル並にくつろぐことのできる部屋なので、わざわざ値段の高いレストランに行くこともない。
 出航から3時間ほど経ったら揺れが大きくなってきた。たぶん伊勢湾から太平洋に出たと思う。これからしばらく遠州灘を東に航行するが、ふわ~~~とした揺れが揺りかごみたいでよく眠れそう。
 いいね、船旅は。旅情を誘うね。


<8月23日>
 今日は一日船の中。退屈だが愉快なんだな、これが。
 朝食のバイキングは高いから、カフェ「ヨットクラブ」でモーニング。太平洋フェリーのモーニングセットは僕のお気に入りだが、今回は限定メニューで「名古屋コーチンたまごかけごはんセット」が気にかかった。う~ん、どうしよう。で、限定に弱い僕は名古屋コーチンにした。妻のモーニングセットも気になったけど、名古屋コーチンのたまごかけごはんウマイ。


 味噌煮込みうどんなどで名古屋コーチンを食べることはあっても、生で食べることなどなかった。黄身が濃い感じでごはんがうまい。明日の朝も名古屋コーチンのたまごかけごはんにしそう。
 9時からは映画。「四月の永い夢」の上映があった。主演は朝倉あき。相手は三浦貴大。なかなかいい映画だった。三浦貴大って、百恵ちゃんの息子じゃん。家に帰ると山口百恵がいるってこと?いいなあ。




 お昼もまたまたカフェ「ヨットクラブ」。うどんでも・・・と思ったら「乗組員一押しの船員まかないカレー」なんていうのがあるものだから、カレー好きの僕は迷わずカレー。お肉たっぷりでうまかったね、これも。


 それにしても暇!!!
 4時過ぎに仙台港に入港した。デッキに出て、車やバイクの出入りを見て時間を潰した。晩ごはんの営業は6時半からだが、何もしていないのだから腹も減らない。7時半くらいでいいかなあなんて妻と相談していたが、ツアー旅行の団体がぞろぞろと二組も入って来たのが見えた。マズイ、レストランが満席になる。妻は「1時間でお腹が急にお腹が減るわけじゃないじゃん」と言う。まったくそのとおりた。それで、すぐにオープン待ちの列の後ろについた。正解だったね、レストランはあっという間にツアー客で満席になった。


 バイキングってやつはお腹がいっぱいになっても食べちゃうんだよね。結局、食って寝るだけの生活。これじゃあデブは治らないよなあ。


 食後はまたまたカフェ「ヨットクラブ」でコーヒータイム。夜の海を眺めて飲むコーヒーのおいしいこと。こういう時間はフェリーでないと味わえないものだ。至福のひとときって感じがした。




 明日はいよいよ北海道ツーリングのスタートだ。ワクワクとドキドキの両方を感じながら眠りに就いた。




 次回はいよいよ北海道に上陸します。北海道1日目は狩勝高原でキャンプ、翌日は帯広に行って、生まれて初めてばんえい競馬を見ます。
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