仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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大学生の収入が減少しています

2012-02-22 15:44:01 | 記事
苦しい大学生、2010年度生活費は66万円

 大学生の2010年度の生活費の平均が66万500円だったこが、日本学生支援機構の調査で分かった。
 ピーク時の00年度と比べると、3割近く減少。同機構は「厳しい経済情勢の影響で学生の収入も大きく減り、苦しい状況で暮らしている」と分析する。
 調査は隔年実施。今回は10年11月に、全国の大学生など約3万7000人から回答を得た。
 学生の生活費と学費を足した支出合計は183万500円。一方、仕送りなどの収入総額は198万8500円で、08年度から21万300円(9・6%)も減った。奨学金を受ける学生が50・7%で、調査開始以来、初めて半数を超えた。
 学生の生活費は00年度(93万6800円)をピークに5回の調査連続で減少。08年度と比べても、1万5800円減った。66万500円の内訳は、食費や住居・光熱費が37万9500円、娯楽・日常費などが28万1000円。


2012年1月13日 読売新聞


 今回はあえてこの記事の中の「奨学金を受ける学生が50・7%で、調査開始以来、初めて半数を超えた。」という部分についてコメントしてみたい。この部分からも現在の日本が抱える教育費の問題が読み取れる。
「奨学金」といえば、海外では返済が不要な給付型奨学金のことを指す。日本の学生支援機構の奨学金のように返済が必要なものは「ローン」と呼ばれる。
「ローン」や「借金」と聞くと抵抗を感じる人も多い。しかし、「奨学金」というオブラートに包まれた言葉を使うことによって、多くの大学生が気軽に借金を背負ってしまっているのではないか。
 なぜ日本ではこのような言葉の使い方がされているのか。一つの理由として教育にかかる本人もしくは親の負担の重さをかくすという国の思惑があるのではないか。
 日本の大学の学費は海外と比べ極端に高い。海外であれば税金で賄われるものを、本人や親に負担させる形になっている。
 そのことに対する反発を避けるため、「やる気さえあれば奨学金を借りて大学に通えるすばらしい制度がある」と見せかけているということだ。
 近年、奨学金の返済を滞納するケースが増えていることから、「借りた金は返すのが当たり前だ」「奨学金があるおかげで大学に通えているのだから感謝しなければならない」といった意見が出ている。素朴な感情としてはよく理解できる意見だ。しかしこういう意見が多く出ていることこそが、上記の思惑がうまくいっている証拠ともいえる。
 自殺の理由として経済的なものが多くあることを考えると、借金というものはときに人の命さえも奪う危険なものだ。そのような借金をむやみやたらに背負わせる制度になっていることに強く疑問を感じる。学費の値下げや給付型奨学金の拡充など、本人や親の負担が少ない制度にしていくことが必要だ。

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