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皆さん、こんにちは。川崎です。
今回ご紹介するのは、スペイン北部に位置する街ブルゴスです。
巡礼のツアーで訪れる機会の多いブルゴスは、中世のカスティーヤ王国の首都として栄えました。
街の見どころは何と言っても『宝石のように洗練された大聖堂』と賞賛されたブルゴス大聖堂をおいて他には無いかと思います。この大聖堂はセビーヤ、トレドに次ぐスペイン三大大聖堂の一つで、スペイン・ゴシック建築では最大規模を誇り、その建築物自体が単独でユネスコの世界遺産に指定されているスペインで唯一の大聖堂です。
聖母マリアに捧げられたこの大聖堂の建設は1221年にフランスのゴシック様式で始まり、ラテンクロスに基づいています。完成までにおよそ300年という途方もなく長い時間を費やしているため、ゴシックをメインとしつつも、ルネサンス、バロックの要素が見事に融合しています。
さて、イスラム世界では一つの建築に数百年も費やすという話はほとんど聞いたことがありませんが、キリスト教世界では頻繁に耳にします。
その理由は様々ですが、天候不順や戦乱、ペストなどが挙げられます。
天候不順になると建築作業を進められなくなる、戦乱やペストにおいては、作業員がいなくなってしまうということが考えられます。
なにより上記等の理由により、雇い主である教会側にお金が無くなってしまうことも多かったようなのです。それでも雇い主側が自分の代で建てるにはどうしたらよいのか。
答えはお金を借りる、です。
当時、忌み嫌われていた金貸しをしていた人たちといえば、主にユダヤ人でした。
嫌々ながらも彼らに頭を下げて、お金を貸してもらうことで建築を進めることができたのですが、なかにはユダヤ人側が雇い主に交渉を持ちかけることもあったようです(お金を返してもらえないこともあったので)。
例えば、お金を貸す代わりに自分たちの象徴を教会に残すというものです。
キリスト教以外の異教の象徴を「神の家」に大々的に加えるなど、受け入れられるはずもありませんが、どうしても自分の代で建てたい(歴史に名が残るので)ですし、もともとキリスト教自体もユダヤ教が基になっているということもあり、仕方なく受け入れるのですが、そのユダヤの象徴が残されているのがこのブルゴス大聖堂です。
上記の写真は大聖堂のファサード部分です。
バラ窓にユダヤのシンボルであるダビデの星があります。
またそのすぐ下、中央扉の上の尖塔型の三角形部分(タンパン)にも同じくダビデの星のレリーフが施されています。
上下で並んで造られているのは非常に珍しいように思います。
巡礼のツアーが復活した際には、このブルゴス大聖堂も訪ねますので、是非お楽しみに!
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