地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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リトアニアの森

2008年09月05日 16時18分18秒 | バルト三国

自民党総裁選で、マスコミは賑やかですね。
個人的には、上げ潮派でも、財政出動派でも、緊縮財政派でも
日本をよくしていただければ、方法は気になりません。
マスコミは、大いに議論を行って国民に聞くべきだというが、
どのチームにも経済の専門家ブレーンがいるのでしょう。
求めたいのは結果です。

聞いてみたい点があるとすれば2つ。
まず、人口問題。労働総人口を維持、または増加させつつ、戦後の大きな潮流のままで
日本を運営していくのか。または、ヨーロッパ的な高齢化社会を目指すのか。
前者であるならば、ピラミッド型の人口構造、都市集住、大都市の過密といったアジア型
人口構成の最前線にいた日本は、10年前にもう限界点に達していたと思います。
法改正や手当てなどでは人口増は無理。今後もこの線で行くのならば、中川元幹事長が
言っているような移民1000万人プラン※など、アメリカ型に移行させなければなりません。
しかしながら国土も文化も異なる日本で果たしてそれがマッチするのか。
一方、後者ならば、日本の平野部面積と英仏独あたりの人口を目安に考えれば、
人口7000万人くらいが、妥当なラインでしょうか。
そうとすれば少子化対策とは、いかに子供を増やすかではなく、
人口が減少していく中で、いかに社会を安定成長させていくかに知恵を絞っていくべき
となり、人口減に先んじて小さい政府が必要と考えるか、高福祉高負担型で
大きな政府が必要と考えるか、その最後のところは、国民の選択でしょう。
個人的にはどちらでもいいですが、明治維新や戦後改革のようにドラスティックには
できなくとも、泥縄・場当たり的な形でなく方向性は示して欲しいと思います。

もう一つは、外交。
親中国、親韓国だった福田さんから麻生さんに変わると、小泉さんのときのように
アメリカ一辺倒になり、いかがなものかというマスコミがありますが、
一体日本の外交ってその3カ国(+北朝鮮)しかないのですか。
貿易額を考えれば当たり前だとの意見もありますが、国交すらなくとも台湾とは
貿易もしているし友好関係にあります。
そもそも福田さんも親中国ではなく親中国共産党で、福田さんのことをよく思う
チベット人やウイグル人は少ないでしょう。
またマスコミが、「アメリカべったりではなく、多方面外交が必要だ」というときの
その多方面が、いつも中国・韓国だけを指しているのも疑問。
(私自身は国を憂う国士ではないし、一方、世界市民的な思想も嫌いなのですが・・・)

そこで、(きな臭い話もあるのかもしれませんが、)かつて
鈴木宗男さんのやってきたことは評価したいのです。
バルト3国や中央アジアなど旧ソ連諸国、アフリカの国々へのパイプ作り。
問題になったODAの件などもありますが、日本が孤立したときに助けてくれる国を
つくりたいという、その意見には全面賛成です。
この立場の立候補者がいるとうれしいですね。

バルト3国の一つ、リトアニアは1940年にソ連に併合されたのち、1980年代まで
ソ連赤軍とリトアニア独立軍は、リトアニアの森で内戦を続けていました。
(現在でもリトアニアの国土の3分の1は森です)
その事実が知られたのも1990年のリトアニア独立、1991年のソ連崩壊以降のことです。
リトアニア側は戦争と呼ぶが、レジスタンスのようなものでしょう。
それにしても40年以上の長きにわたる戦い・・・
気が遠くなります。
そんな国が小国として独立を果たすと、遠い東アジアの経済大国から
友好議員連盟を創りましょうと国会議員がやって来る。
(下心の詮索はマスコミに任せますが、)やはりうれしいことではないでしょうか。

余談ですが、ソ連時代80年代にバルト3国のツアーを手配すると、
ソ連国営旅行社インツーリストから、出発直前に
国内線がオーバーブッキングでリトアニアには行けないという連絡が
入ることが度々ありました。反政府的な行動は想像していましたが、内戦とは・・
シベリアの収容所で戦後、働かされた日本の方が、一緒にリトアニア人が働かされていた
という思い出話をよくするのも納得です。
そういえばグルジア軍用道路もソ連時代に、土砂崩れで通行できないと連絡が
よく入ってましたが、あれもあとで考えると民族紛争だったんですね。

閑話休題。孤立したときに助けてくれる国を創るよりも、孤立しないようにすることが大事。
わかります。当然ですね。
でもどうしてそれが、対米重視、対アジア重視(という名の対中・韓重視)なのかが
わかりません。
地政学上? ならば防衛を強化してください(予算増は賛成はしかねますが)。
どうしても大国になるほど自国の利害で動きます。
無罪論を説く者ではありませんが、戦前の日本が孤立したのは100%日本だけの
せいだったのか。
そもそもいったい何から孤立していたのか。

サンフランシスコ講和会議で、ソ連が日本の主権制限案を強く主張する中、
セイロン(現スリランカ)代表のスピーチが、
日本の完全独立への会議の流れをつくりました。
「我が国への日本軍の駐留による被害や、ゴムの大量採取による損害は
当然賠償されるべきであろう。しかし、我々にはその権利を行使する意思は無い。
我々は“憎悪は憎悪を持ってしては止まず、愛によってのみ止む”
という仏陀の言葉を信じるからである。
我々がソ連案に同意できない理由は、その制約が日本が宗主権と平等と、
そして尊厳を取り戻すことを不可能とするからである。」
セイロン代表は対日賠償請求権を放棄したのみならず、参加国に寛容の精神を求めた。
第二次大戦の中立国スイスまでもが日本に賠償請求していた時代にです。

助けてくれるのは大国とは限りません。
(照沼 一人)

※蛇足ですが、いわゆる「外国人参政権」には、カンボジア国籍で永住許可を持っている
私の妻は反対しています。納税もしていますが、未だ日本のパスポートを
持っていないからというのが理由です。だいたい私も同意見で、
確かに海外で豪華なホテルに泊まれば高額の付加価値税も払っているはずですが、
それは出国時に免税手続きなんかできません。
税は行政サービスの対価だからで、選挙権とは別次元の話と思われます。



1 コメント

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Unknown (通りすがり)
2011-07-19 16:11:50
はじめまして。

興味深いブログですが、セイロンのスピーチで日本軍駐留による被害とありますが、セイロンに日本軍が駐留したと聞いたことがありませんし、スピーチでもそのようなことは言っていないはずです。日本軍による爆撃はありました。日本を貶める捏造からの引用は危険かと。
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