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木島櫻谷-京都日本画の俊英-(泉屋博古館)

2013年11月04日 23時01分02秒 | 鑑賞記録(2011・2012年中断)

行って良かった。

久々に見た「寒月」は、やはり素晴らしかった。
しんっとした月夜の風景。
初めて見た時は、闇夜をあんな風に描いたことに衝撃を受けた。
銀と紺の世界。雪に反射する月明かり、幻想の風景。
振り返る狐に広がる想像。
惹き込まれる。

「咆哮」も良かった。
虎の鳴り響く声、飛び上がり逃げ惑う鹿。
その一瞬を、目の前に感じられる。

小品では「葡萄栗鼠」が気に入った。
あの空間の使い方は、巧いなあ。

同じ動物を描いていても、栖鳳とは全く違う。
朗らかで生命に満ちあふれた栖鳳の絵も大好きだけれど、
この、静かで力強い、櫻谷の絵もとても好きだ。

詩情という言葉がぴったりだと母が言っていた。
その通りだと思う。
煌びやかな「柳桜図」にすら、なにか穏やかさを感じる。
見る者を圧倒するのではなく、惹き込む絵だと思った。

図録を購入。これは買う価値のある図録だった。
本当は四季屏風連作を全て見たいところ。
しかし、全部行くのは無理だなあ。
せめて第4期は見に行きたい。



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