青天-seiten-

映画、書籍、展覧会、グルメ、日々のこと

鈴木其一展(細見美術館)

2017年02月07日 23時19分54秒 | 鑑賞記録(2011・2012年中断)

今回の一品はもう、はなんと言っても「萩月図襖」。
白い萩と薄紅の萩の絶妙なバランス。緑青と墨の豊かな葉。
月光に照らされ風に揺れる情景、空気感がしみじみと伝わってくる。
其一らしさが良い度合いで表出していて、良かった。

しかし、其一はやはりただ者ではない感性の持ち主だったのだなあ。
「稲荷山図」でぼかしてみたり、「桜・楓図屏風」で青楓にしたり、暁桜・夜桜図」でシルエットと靄を描いてしまったり、
描表装ではみ出してみたり、「秋草に月図」で月を背景にしてしまったり。
なんといってもモダンだ。近代いや現代日本画と言われても納得してしまうような発想。
そして、青(緑)に対する拘り。とその技術。

抱一の下で抑えても抑えきれなかったものが、最後はちょっと捻くれて爆発したって感じだ。
そこがなんとも興味をそそるのだなあ。

「四季歌意図巻」も良かった。
細なが~い画面を上手く使っている。
人麻呂の雄大な海、旅程を感じる西行の風景。
これ欲しい!って思わせる。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿