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生活保護問題対策全国会議blog

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厚労省通知「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」

2009-03-18 00:00:00 | Weblog
3月18日、厚生労働省社会・援護局保護課長が各自治体に対して新たな通知を出しました。
 ポイントは以下の点にあります。

・生活困窮者の増加に対応するため、ケースワーカーなどの人員増加を図ること
・都道府県等によるシェルター等の整備を求めたこと。
・「住まい」のない者については、現在地での保護を徹底すること。
・社会保険・水道などの部局と連携して、生活困窮者の早期発見に努めること。
・住居を確保するまでの間にカプセルホテル等で宿泊した場合、宿泊料を住宅扶助費として支給してもよいとしたこと。
・不動産関係団体と連携してアパートの情報を提供するなどして住居の確保を支援すること

特に、この間各地で問題になっている生活保護開始申請後の待機場所と
住居確保の支援については、以下のように述べています。

「1 今後の生活困窮者の増加に対応するために実施すべき事項
(3)都道府県等によるホームレス自立支援センターやホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター)の実施の強化
 ホームレスに対して地域の実情に応じ、ホームレス自立支援センターやホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター)の実施などの対策がとられており、直ちに借家等で自活する事が困難であるが就労意欲と能力のある者については、ホームレス自立支援センター等において支援を行う必要がある。
 これらの施設は既存建築物等を活用し、又は借り上げて設置することについてもセーフティネット支援対策事業費補助金の補助対象としたところである。各自治体においては、今後の生活困窮者の増加に備えて、早急にこれらの施設の整備に取り組まれたい。」

「2 保護の申請から保護の適用までの対応
(2)住居の確保等についての情報提供及び関係機関との連携
 居宅生活が可能と認められる者による住居の確保を支援するため、各自治体においては、例えば、不動産関係団体と連携し、住居を喪失した者や保証人が得られない者に対してアパート等をあっせんする不動産業者の情報を収集するなど、必要に応じて、住居に関する情報を提供できるよう、その仕組みづくりに努められたい。
 また、「直ちに居宅生活を送ることが困難である」と判断された者や、居宅生活が可能か否かの判断ができない者については、施設等における支援が、一定の期間、必要である。このため、各自治体においては、ホームレス自立支援センターやホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター)等の必要な施設の確保を図るとともに、関係部局と連携を図られたい。」

PDFファイル

福井県・坂井市に連名で要望書を提出しました

2009-02-02 11:52:24 | Weblog
貴県・貴市の生活保護行政に関する要望書
2009(平成21)年2月2日
福井県知事 西川一誠 殿
坂井市長  坂本憲男 殿
生活保護問題対策全国会議  
代 表  尾 藤 廣 喜  
生活保護支援ネットワーク静岡
代 表  布 川 日 佐 史

 「生活保護問題対策全国会議」は、すべての人の健康で文化的な生活を保障するため、貧困の実態を明らかにし、福祉事務所の窓口規制を始めとする生活保護制度の違法な運用を是正するとともに、生活保護費の削減を至上命題とした制度の改悪を許さず、生活保護法をはじめとする社会保障制度の整備・充実を図ることを目的として活動している任意団体です。
 「生活保護支援ネットワーク静岡」は、学者、弁護士、司法書士、ボランティア活動家等により構成され、生活困窮者が尊厳ある生活を確保するために、生活保護の申請や受給に関する支援活動をするボランティア団体です。

 平成21年1月19日午後、生活保護支援ネットワーク静岡(以下、静岡ネット)に福井県坂井市在住のWさん(男性・45才)から相談電話がありました。
以下、経過は下記のとおりです。
(1) Wさんは派遣会社に登録して、フォークリフトの作業などしていたが、体調を崩し(下痢、頭痛など。本人は精神的なものだと思うとおっしゃっている )、
運転などに集中できないため、事故や迷惑をかけるのが怖く、体力的にもとても仕事ができる状態ではなかった。
軽トラックと貨物トラックを保有しているが、ともに車検が切れている。他に見るべき資産はなく、所持金もほとんどない。
(2) 19日時点では、仕事をしていなかったが派遣会社の寮で生活しており、住居は確保できていた。静岡ネットから、居住地の生活保護申請窓口である、坂井市丸岡総合支所に申請するよう伝え、本人が出向いたが「住まいがあるから申請できない」、「車があるから申請できない」、「派遣で仕事をもらえばよい」などを理由に申請させてもらえなかった。
(3) 翌日、静岡ネットから丸岡総合支所に電話して、Wさんの困窮状態を説明し、適正な対応をするよう抗議し、Wさんに再度申請をするように伝えたが、その後数日、前回申請を断られたことから申請にも行かなかった。
(4) Wさんは寮を出て行けなどと言ってくる派遣会社の社員を恐れて携帯電話の電源を切っていたが 、結局、22日までにその寮も追い出され、その後は車検が切れた車で寝起きしなければならなくなった。
(5) 23日夜、Wさんから静岡ネットに電話があったため、月曜日に再度申請するよう伝えた。
(6) 26日、Wさんは、再度丸岡総合支所に申請したが、今度は窓口で、「住所がないから申請できない」と申請を受け付けられなかった。すぐに静岡ネットから、丸岡総合支所に対し、住所がないという理由で申請をさせないのは違法である旨を強く抗議したところ、担当者も住所がないという理由で申請を受け付けないことは違法であることは認めたため、本人にはとにかく申請書を提出するようアドバイスし、同日中に再々度申請をした。
 (7)しかし、丸岡総合支所の職員(N氏)は、またもや「住所がないと申請できない。 これは福井県内どこでも同じだから、どこへ行っても無理。」と発言し、
「静岡の司法書士に相談しているのなら、静岡に行ったらどうだ」とWさんに告げ、申請を拒否した。
 (8)27日静岡ネットから、貴庁に電話し、地域福祉課のF氏に問い合わせしたところ、F氏は、「住所がなければ申請できないのは福井に限らず、全国どこでもそうです」 と答えた。野宿者の方はどうするのかと尋ねると、「急迫状態なら保護します」とのことであった。そこで、福井県の急迫保護件数はどのぐらいかと尋ねると、「私にはわからない」との回答であったため、それでは統計の担当者と電話を替わってくれと言うと、担当はF氏本人であると述べた。
更に急迫保護につき、「職権で保護するのか」と尋ねたところ、「それでも本人の申請意思を確認してからだ」とのことであった。

生活保護法第2条は、「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を無差別平等に受けることができる」と規定しています。
また、行政手続法第7条は「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければなら」ないとしています。
静岡ネットは、Wさんが相談の当初から要保護状態であると判断し、生活保護申請につき助言をしてきました。生活保護は、すべての国民に無差別平等に保障された権利であり、その申請を行政庁が恣意的に拒否することは絶対に認められません。
生活保護法第19条1項では、居住地のない者が保護の対象者として想定されています。近年の厚生労働省の通知「ホームレスに対する生活保護の適用について」(2003(平成15)年7月31日社援保発第0731001号)においても、「ホームレスに対する生活保護の適用に当たっては、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないことに留意し、生活保護を適性に実施する」とされています。
さらに、生活保護法第30条1項では、保護は原則的に被保護者の居宅において行うものとされています。したがって、居宅のない要保護者に対しては、保護を決定したうえで、その者が居宅生活を送るために必要な支援を行うべきです。例えば、入居に要する敷金等の支給は、その一つであり、昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知「生活保護法による保護の実施要領について」第7-4-(1)-キには、「保護開始時において、安定した住居のない要保護者」に対する敷金等支給について記されています(『生活保護手帳 2008年度版』217-218頁)。
なお、厚生労働省は2008(平成20)年3月4日の「生活保護関係全国係長会議資料」において、先述の通知「ホームレスに対する生活保護の適用について」の上記箇所に言及しつつ、「実際の運用において、これらの留意事項が徹底されていない事例も見られるところである」との認識を示したうえで、あらためてホームレスに対する居宅保護や敷金等支給についての方針を強調しています(12-13頁)。
次に、国のホームレス対策に関連させていえば、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(2002(平成14)年8月7日)においては、第3条3項で、生活保護法による保護の実施等によってホームレスに関する問題の解決を図ることが施策の目標として規定されているとともに、第6条では地方公共団体の責務について定められています。
また、「ホームレスの自立の支援に関する基本方針(2003(平成15)年7月31日厚生労働省・国土交通省告示第1号、2008(平成20)年7月31日改正)」第3-2(7)イ「生活保護法による保護の実施に関する事項について」では、「ホームレスに対する生活保護の適用については、一般の者と同様であり、単にホームレスであることをもって当然に保護の対象となるものではなく、また、居住の場所がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるということはない。こうした点を踏まえ、資産、稼働能力や他の諸施策等あらゆるものを活用してもなお最低限度の生活が維持できない者について、最低限度の生活を保障するとともに、自立に向けて必要な保護を実施する」とされています。
舛添要一厚生労働相も1月26日の参議院予算委員会の締めくくり総括質疑における仁比聡平参議院議員の質疑の中で、昨年12月22日付の「当然のことながら、福祉事務所は、路上生活者からの相談に対し、社会資源の不足(施設のキャパシティ不足)、福祉事務所の実施体制の不備等を理由とした相談拒否や援助を必要とする者への援助拒否は行い得ない」、「保護開始時に安定した居宅がない要保護者に対しては、居宅生活が可能な場合は敷金等の支給の対象となることを示」す、「経過的居所の確保」のために「必要とされた臨時の宿泊料等については、その後に移った一般居宅や民間宿泊所の住宅扶助費とは別に…住宅扶助の計上が可能」などとする東京都福祉保健局生活福祉部保護課長通知について、「厚労省の基本的な方針に基づいて東京都もそういう決定をした」と答弁した上で、「都の通知に書いてあることを国としても行っていく」と答えています。
更に舛添厚生労働相は、「生活保護というのは国庫が四分の三を負担すると、基本的に国の責任において、そういう憲法二十五条で定められたこの国民の文化的で最低の生活を守っていくということでありますから、それは周知徹底したい」と表明しています。
貴県の生活保護行政は、かかる政府の方針に真っ向から反するものであり、生活保護問題対策全国会議および静岡ネットは、かかる事態を到底看過することはできず、強く抗議するとともに、その改善を求めるものです。

 ついては、上記の点についての貴県・貴市のご見解を本書面到達後2週間以内に下記事務局までご連絡くださいますようお願いいたします。
以上、宜しくお願い申し上げます。

〒426-0061
静岡県藤枝市田沼1丁目14番23号
生活保護支援ネットワーク静岡 事務局
司法書士 羽根田龍彦
電話 054-634-1507
FAX  054-634-1508


定額給付金に関する公開質問状

2009-01-28 08:54:35 | Weblog
定額給付金に関する公開質問状
(住民登録地に居住しない者に対する支給方法の確立を求める!)

2009年1月28日

内閣総理大臣 麻生 太郎 殿
総務 大 臣  鳩山 邦夫 殿


生活保護問題対策全国会議     
代表幹事 尾藤 廣喜
(連絡先)〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16 西天満パークビル3号館7階あかり法律事務所
弁護士 小久保 哲郎(事務局長)
電話 06-6363-3310 FAX 06-6363-3320

ホームレス法的支援者交流会    
共同代表 後閑 一博
同上   木原万樹子


昨日、総額2兆円規模の「定額給付金」の予算を含む、平成20年度第二次補正予算が成立しました。

 私たちは、この「定額給付金」は、真に生活に困窮している者は受け取ることができないのではないかと懸念から、2008年11月17日、内閣総理大臣麻生太郎殿に対して公開質問状を提出しましたが、未だに回答をいただけていません。


問題の本質を理解しない法務省「要綱案」

報道によると、総務省が20日まとめた「要綱案」は、2月1日を基準日として、住民基本台帳か外国人登録原票に記された人を支給対象としているとのことです。

しかし、これでは、「派遣切り」によって寮を追い出された労働者、いわゆる「ネットカフェ難民」、路上や公園などで生活するホームレスの人々、DVにあって加害者から逃げているDV被害者、サラ金等の取り立てを恐れて住民登録を異動させていない人々など、最も生活に困っている人々が「定額給付金」を受給できないという私たちの懸念は何ら解決されていません。


要綱案は、「路上生活者などで本来の住所地での不在期間が長く、住基台帳から消されている場合は、知人宅などに身を寄せるなどして住基台帳に記載してもらう。ドメスティックバイオレンス(DV)被害者などで本来の住所地から離れて暮らす人は、世帯主にならないと申請書が送られてこないため、加害者が住民票を見られないようにする措置を受けた上で、転居の届け出を済ませるよう呼びかける」など「暮らしている市町村の台帳に記載のない人に記載を促す方策」を明らかにしたということです。

しかし、かかる要綱案は、現場の実態や問題の本質を全く理解しない「机上の空論」をもって、あたかも真に困窮する者が定額給付金を受給できるかに「偽装」するものであって無責任極まりないというほかありません。

仮に、登録の基準時期を若干遅らせたとしても、こうした人々が住民登録地に居住できない原因を解消しない限り、何の問題解決にもならないのです。


路上生活者と住民登録

まず、ホームレスの人々は、「身を寄せる知人宅」がないからこそ、やむを得ず路上等で生活しているのであり、頼んですぐに住ませてくれる友人がいればホームレス状態になっていません。

また、法は「生活の本拠」の住民登録を認めているのであり(民法22条、住民基本台帳法4条、地方自治法10条1項)、「居住実態がないのに知人の了承を得て形式上住民登録だけをする」ということはもちろん許されませんし、「一時的寄宿」であっても住民登録することはできません。

それでは、現に生活している公園等での住民登録が許されるのかというと、公園でのテント生活には「健全な社会通念」に照らして「生活の本拠としての実質がない」とした最高裁の08年10月3日付不当判決が確定しているため、それもできません。

結局、ホームレスの人々に対して、生活保護を適正に適用して居宅を確保するなどの支援を行うことなく、ただ「住民登録せよ」と迫ることは不可能を強いることに他ならないのです。


DV被害者と住民登録

次に、DV被害者からの申し出があり「被害者」に該当すると認められれば、「加害者本人」に対する住民票の写しの交付は制限されますが、親族や弁護士等の「第三者」に対する交付は制限されません。その意味で住民票写しの交付制限は万全ではありません。

過去に受けた暴力や虐待の再来を恐れて生活しているDV被害者に対する「心のケア」を含めた相談支援体制を構築することなく、安易に住民登録の異動のみを奨励することは、新たな被害を惹起するリスクさえあるのです。


真の生活困窮者に定額給付金を行き渡らせるためには、住民登録の阻害要因を解消するための相談窓口とセットになった簡易な受給手続きが必要

私たちは、2兆円もの予算があれば、貧困に苦しむ市民のために、より有効な施策があるはずであり、「定額給付金」そのものが「天下の愚策」であると考えています。しかし、施策が現に実施されるのであれば、その本来の趣旨どおり、ホームレス状態にあるなどのため、本当に生活に困っている人々に漏れなく支給が行き渡るように制度が構築されなければなりません。


 そこで、私たちは、たとえば、

1.各地方自治体に住民登録を妨げている個々の要因を解消するための適切な支援(ホームレスであれば生活保護の適用による居宅の確保、多重債務であれば法的整理等)につなげるための相談窓口を設置し、
2.最寄りの役所に本籍地、住所(住民登録地のない場合には居所)、氏名、生年月日、住民登録によっては定額給付金を受給できない旨を届け出て「登録」するなどの簡易な方法を採用することによって

住民登録地に居住していない上記のような人々が現実に定額給付金を受給できる制度を構築するよう、改めて求めます。


ついては、本書面到達後10日以内に、住民登録地に居住していない上記のような人々がもれなく定額給付金を受給できる制度を構築する予定があるのか、また、そのために具体的にどのような制度を構築するのかについて、回答をいただきますよう、お願いいたします。


以  上

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

2009-01-15 11:43:32 | Weblog
2009年1月15日

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

生活保護問題対策全国会議        代表幹事 尾藤 廣喜
ホームレス法的支援者交流会       共同代表 後閑 一博
                    同 上  木原万樹子
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク  共同代表 釜井 英法
                    同 上  猪股  正
生活保護支援ネットワーク静岡      代 表  布川日佐史
東海生活保護利用支援ネットワーク    代 表  内河 恵一
近畿生活保護支援法律家ネットワーク   共同代表 辰巳 裕規
生活保護支援九州ネットワーク      代 表  永尾 廣久
東北生活保護利用支援ネットワーク    代 表  新里 宏二
全大阪労働組合総連合(大阪労連)    議 長  川辺 和宏
しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西   理事長  神原 文子
派遣労働ネットワーク・関西       代 表  脇田  滋
自立生活サポートセンターこんぱす    代 表  國師 洋典

「派遣切り」などで住まいや仕事を失った人たちを支援するため、昨年末から東京・日比谷公園において「年越し派遣村」が取り組まれた。派遣村の「入村」者約500名のうち250名を超える人々が生活保護の申請をし、数日のうちにアパートでの生活保護開始決定を得たことについて、「超法規的な特別扱い」であるとの誤解が一部にあるようである。
しかし、以下述べるとおり、派遣村村民に対してなされた生活保護の運用は、生活保護法が本来予定する当然の内容であって「特別扱い」などではない。現に全国の多くの自治体では同様の運用がなされている。
私たちは、労働者派遣法の抜本改正によって「派遣切り」そのものを規制し、脆弱な失業保険などのセーフティネットを充実させるべきと考えている。しかし、今、現に住まいを失った人々の生存を守る制度は現行法上、生活保護法しかない以上、同法の適正かつ積極的な活用によって生存を確保することが切実に求められている。今こそ、生活保護の出番なのである。

「住所」がなくても生活保護は利用できる

「住所」がないと生活保護が利用できないという誤解があるが、そのようなことはない。
生活保護法19条1項は、居住地のない者については、その「現在地」を所管する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことを定めている。
したがって、住居を失い、やむを得ず日比谷公園で寝泊まりしていた村民らについて、同公園がある千代田区の福祉事務所が生活保護を実施したのは法律上当然のことである。

生活保護費でアパートや家財道具を確保することができる

 住居のない者は、自らアパートを用意しなければ「居宅保護」(アパートでの生活保護)を受けることはできないという誤解があるが、そのようなことはない。
生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」と「居宅保護の原則」を宣明し、施設などでの保護適用は例外であると規定している。そして、住居のない者に対しても、生活保護費からアパート等の敷金(保証金)、家具什器費、布団代、被服費などを支給して新住居を確保することができる。

即日でも保護決定はできる

 生活保護法24条3項は、申請から原則として14日以内に決定しなければならないとし、同法25条1項は、急迫状況にあるときは、すみやかに職権で保護を決定しなければならないとしている。
この点については、厚生労働省も2008年3月4日の生活保護関係全国係長会議において、「原則14日以内に保護の決定を行う必要があり速やかに審査を行う必要があるが、その中でも、申請者の手持ち金が限られているなど急迫している状況にあるときは、迅速な保護の決定が求められることに留意願いたい」と注意喚起している。
したがって、派遣村村民のように住居も収入もなく所持金もないか僅少な者から保護申請があった場合には、迅速に保護決定をすることが法の求める本来の姿である。

失業者やワーキングプアも生活保護が利用できる

 「働く能力がある者は生活保護が受けられない」という誤解があるが、そのようなことはない。
働く能力があり、それを活用しようとしても働く場が得られない者は生活保護を利用することができる。したがって、派遣切りなどで職を失った失業者や低収入しか得られないワーキングプアも当然に生活保護を利用することができる。

厚生労働省は、生活保護制度の本来の運用に関し、通知を行うべきである

 以上のとおり、派遣村村民に対する生活保護の運用は「特別扱い」ではなく、法が本来予定する「あるべき姿」である。
しかし、トヨタ関連の「派遣切り」被害者が多数生じている名古屋市では、住居のない者に対しては施設入所を前提とし直接の居宅保護を行っていない。しかも、同市は、一昨日からその施設も満床であるとして、救いを求めて集まっている多くの住居のない者を寒空に放逐しようとしている。また、キャノン関連の「派遣切り」被害者が生じている大分市は、「まずは安定した住居を確保しない限り保護開始しない」と述べており、滋賀県大津市も、入所枠の限られた施設入所を居宅保護開始の前提としている。
3月までに8万5000人もの非正規労働者が職を失うと言われている現下の緊急事態の下、とりわけ大規模な「派遣切り」が行われている上記自治体が生活保護の窓口を閉ざせば、自殺や餓死などの悲劇が生じかねない。
そうした悲劇を生まないために、厚生労働省は、派遣村村民に対して実施された生活保護の運用こそ法が予定するスタンダードであることを全国の福祉事務所に通知して周知徹底すべきである。また、各地の福祉事務所は、厚労省の通知を待つことなく、適正かつ積極的な生活保護行政を実施すべきである。
そのためにも、報道関係や市民の皆さまが生活保護制度に対する誤解や偏見を解き制度を正しく理解していただくよう、心からお願いしたい。

08年度の実施要領等改正

2008-04-01 00:00:00 | Weblog
生活保護法による保護の実施要領(厚労大臣が定める処理基準)や
別冊問答集(厚労大臣から自治体への技術的助言)
が4月から一部改正されます。

改正点の主なポイント

・過疎地の通勤用や保育所送迎用の自動車の保有要件が緩和されます。

・これまで住宅扶助の対象外だった火災保険料と保証料が支給されるようになります。

・保険の解約返戻金の収入認定されない部分が拡大されます。

・相談時に申請権を侵害しないことや、
稼働能力の判定について、年齢や検診結果のみで機械的に判断することなく
申請者の生活歴等を踏まえて総合的に判断すべきこと
(つまり、検診の結果が「就労可」であってもそれのみをもって却下することはできない)
などが明記されました。明らかにこの間の運動の成果です。
(逆にいえば、こんな当たり前のことをわざわざ明文化しなければいけないほど
現場は酷いということの現れでもあります。)

詳しくは以下を参照してください。

実施要領等改正の概要(P29から)

実施要領等改正案(改正部分は下線が引かれています)
その1
その2
その3
その4
その5

生活保護に関する相談窓口

1049-12-27 18:48:55 | Weblog
【東北地方の方】
東北生活保護利用支援ネットワーク 022-721-7011(電話受付:平日13時~16時)

【関東甲信越地方の方】
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク 048-866-5040(電話受付:平日10時~17時)

【静岡県の方】
生活保護支援ネットワーク静岡 054-636-8611(電話受付:平日10時~17時)

【愛知県・岐阜県・三重県の方】
東海生活保護利用支援ネットワーク 052-911-9290(電話受付:火・木13時~16時)

【大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の方】
近畿生活保護支援法律家ネットワーク 078-371-5118(電話受付:平日10時~12時、13時~16時)

【福井県の方】
北陸生活保護支援ネットワーク福井 0776-25-5339(電話受付:火曜18時~20時)

【石川県の方】
北陸生活保護支援ネットワーク石川 076-231-2110(電話受付:火曜18時~20時)

【中国地方の方】
生活保護支援中国ネットワーク 0120-968-905(電話受付:平日9時30分~12時、13時~17時30分)

【四国地方の方】
四国生活保護支援法律家ネットワーク 050-3473-7973(電話受付:平日10時~17時)

【九州・沖縄地方の方】
生活保護支援九州ネットワーク 097-534-7260(電話受付:平日10時~17時)

【上記以外の地方(北海道・富山県)の方】
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク 048-866-5040(電話受付:平日10時~17時)