生活保護問題対策全国会議blog

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愛知派遣切り抗議大集会のご案内

2009-01-30 10:16:31 | 集会・シンポジウムのお知らせ
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集会名 愛知派遣切り抗議大集会
日 時 2009年2月22日 午後1時から午後4時まで
場 所 東海テレビ・テレピアホール(名古屋市東区東桜1-14-27)
会場収用人数 504名まで 電話:052-954-1165

入場無料 

主 催 愛知派遣切り抗議大集会
実行委員長:弁護士・宇都宮健児(反貧困ネットワーク代表)

終了後、名古屋駅前までデモ(2・8キロ)を行います。

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内容(案)

2009年3月に大量に解雇される派遣労働者、期間工は40万
人と予想されているが、中でもトヨタ、マツダ、日産、キャノンな
どの大企業およびその下請企業で多く発生することが判明している。

労働者派遣法はいかにあるべきか。派遣会社の責任、さらには派
遣従業員を使用する大企業には責任はないのか?製造業派遣法禁止
など、今後の派遣法のあるべき姿は?。
 
また、労働者の生活、雇用をどのように守っていくのか、派遣切
りされた労働者に対する、セーフティネットはどうなっているのか。
雇用相談、生活保護、住居相談、多重債務相談のワンストップサー
ビスは?

一、集会内容

1、派遣切り、雇用止め当事者の報告
2、派遣法についての緊急特別立法対策について
3、緊急融資制度の紹介、議員からの報告、意見表明等
4、日弁連、年越派遣村実行委員会等からの報告
5、全国の派遣村の状況、ワンストップ相談会について

二、集会後、東海テレビから名駅ミッドランドまでデモ(2.8キロ)

などなど、中身の濃い内容を予定しています。なお、内容につい
ては、一部変更する場合もありますので、あらかじめご了承くださ
い。

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(現地実行委員会連絡先)

〒462-0810
 愛知県名古屋市北区山田1-1-40
すずやマンション大曽根2階 水谷司法書士事務所

司法書士 水谷英二

電 話  052-916-5080
FAX  052-911-3129
メールアドレス gfh03002あっとnifty.com
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定額給付金に関する公開質問状

2009-01-28 08:54:35 | Weblog
定額給付金に関する公開質問状
(住民登録地に居住しない者に対する支給方法の確立を求める!)

2009年1月28日

内閣総理大臣 麻生 太郎 殿
総務 大 臣  鳩山 邦夫 殿


生活保護問題対策全国会議     
代表幹事 尾藤 廣喜
(連絡先)〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16 西天満パークビル3号館7階あかり法律事務所
弁護士 小久保 哲郎(事務局長)
電話 06-6363-3310 FAX 06-6363-3320

ホームレス法的支援者交流会    
共同代表 後閑 一博
同上   木原万樹子


昨日、総額2兆円規模の「定額給付金」の予算を含む、平成20年度第二次補正予算が成立しました。

 私たちは、この「定額給付金」は、真に生活に困窮している者は受け取ることができないのではないかと懸念から、2008年11月17日、内閣総理大臣麻生太郎殿に対して公開質問状を提出しましたが、未だに回答をいただけていません。


問題の本質を理解しない法務省「要綱案」

報道によると、総務省が20日まとめた「要綱案」は、2月1日を基準日として、住民基本台帳か外国人登録原票に記された人を支給対象としているとのことです。

しかし、これでは、「派遣切り」によって寮を追い出された労働者、いわゆる「ネットカフェ難民」、路上や公園などで生活するホームレスの人々、DVにあって加害者から逃げているDV被害者、サラ金等の取り立てを恐れて住民登録を異動させていない人々など、最も生活に困っている人々が「定額給付金」を受給できないという私たちの懸念は何ら解決されていません。


要綱案は、「路上生活者などで本来の住所地での不在期間が長く、住基台帳から消されている場合は、知人宅などに身を寄せるなどして住基台帳に記載してもらう。ドメスティックバイオレンス(DV)被害者などで本来の住所地から離れて暮らす人は、世帯主にならないと申請書が送られてこないため、加害者が住民票を見られないようにする措置を受けた上で、転居の届け出を済ませるよう呼びかける」など「暮らしている市町村の台帳に記載のない人に記載を促す方策」を明らかにしたということです。

しかし、かかる要綱案は、現場の実態や問題の本質を全く理解しない「机上の空論」をもって、あたかも真に困窮する者が定額給付金を受給できるかに「偽装」するものであって無責任極まりないというほかありません。

仮に、登録の基準時期を若干遅らせたとしても、こうした人々が住民登録地に居住できない原因を解消しない限り、何の問題解決にもならないのです。


路上生活者と住民登録

まず、ホームレスの人々は、「身を寄せる知人宅」がないからこそ、やむを得ず路上等で生活しているのであり、頼んですぐに住ませてくれる友人がいればホームレス状態になっていません。

また、法は「生活の本拠」の住民登録を認めているのであり(民法22条、住民基本台帳法4条、地方自治法10条1項)、「居住実態がないのに知人の了承を得て形式上住民登録だけをする」ということはもちろん許されませんし、「一時的寄宿」であっても住民登録することはできません。

それでは、現に生活している公園等での住民登録が許されるのかというと、公園でのテント生活には「健全な社会通念」に照らして「生活の本拠としての実質がない」とした最高裁の08年10月3日付不当判決が確定しているため、それもできません。

結局、ホームレスの人々に対して、生活保護を適正に適用して居宅を確保するなどの支援を行うことなく、ただ「住民登録せよ」と迫ることは不可能を強いることに他ならないのです。


DV被害者と住民登録

次に、DV被害者からの申し出があり「被害者」に該当すると認められれば、「加害者本人」に対する住民票の写しの交付は制限されますが、親族や弁護士等の「第三者」に対する交付は制限されません。その意味で住民票写しの交付制限は万全ではありません。

過去に受けた暴力や虐待の再来を恐れて生活しているDV被害者に対する「心のケア」を含めた相談支援体制を構築することなく、安易に住民登録の異動のみを奨励することは、新たな被害を惹起するリスクさえあるのです。


真の生活困窮者に定額給付金を行き渡らせるためには、住民登録の阻害要因を解消するための相談窓口とセットになった簡易な受給手続きが必要

私たちは、2兆円もの予算があれば、貧困に苦しむ市民のために、より有効な施策があるはずであり、「定額給付金」そのものが「天下の愚策」であると考えています。しかし、施策が現に実施されるのであれば、その本来の趣旨どおり、ホームレス状態にあるなどのため、本当に生活に困っている人々に漏れなく支給が行き渡るように制度が構築されなければなりません。


 そこで、私たちは、たとえば、

1.各地方自治体に住民登録を妨げている個々の要因を解消するための適切な支援(ホームレスであれば生活保護の適用による居宅の確保、多重債務であれば法的整理等)につなげるための相談窓口を設置し、
2.最寄りの役所に本籍地、住所(住民登録地のない場合には居所)、氏名、生年月日、住民登録によっては定額給付金を受給できない旨を届け出て「登録」するなどの簡易な方法を採用することによって

住民登録地に居住していない上記のような人々が現実に定額給付金を受給できる制度を構築するよう、改めて求めます。


ついては、本書面到達後10日以内に、住民登録地に居住していない上記のような人々がもれなく定額給付金を受給できる制度を構築する予定があるのか、また、そのために具体的にどのような制度を構築するのかについて、回答をいただきますよう、お願いいたします。


以  上

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

2009-01-15 11:43:32 | Weblog
2009年1月15日

「派遣村」での生活保護活用こそ、法律本来の姿

生活保護問題対策全国会議        代表幹事 尾藤 廣喜
ホームレス法的支援者交流会       共同代表 後閑 一博
                    同 上  木原万樹子
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク  共同代表 釜井 英法
                    同 上  猪股  正
生活保護支援ネットワーク静岡      代 表  布川日佐史
東海生活保護利用支援ネットワーク    代 表  内河 恵一
近畿生活保護支援法律家ネットワーク   共同代表 辰巳 裕規
生活保護支援九州ネットワーク      代 表  永尾 廣久
東北生活保護利用支援ネットワーク    代 表  新里 宏二
全大阪労働組合総連合(大阪労連)    議 長  川辺 和宏
しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西   理事長  神原 文子
派遣労働ネットワーク・関西       代 表  脇田  滋
自立生活サポートセンターこんぱす    代 表  國師 洋典

「派遣切り」などで住まいや仕事を失った人たちを支援するため、昨年末から東京・日比谷公園において「年越し派遣村」が取り組まれた。派遣村の「入村」者約500名のうち250名を超える人々が生活保護の申請をし、数日のうちにアパートでの生活保護開始決定を得たことについて、「超法規的な特別扱い」であるとの誤解が一部にあるようである。
しかし、以下述べるとおり、派遣村村民に対してなされた生活保護の運用は、生活保護法が本来予定する当然の内容であって「特別扱い」などではない。現に全国の多くの自治体では同様の運用がなされている。
私たちは、労働者派遣法の抜本改正によって「派遣切り」そのものを規制し、脆弱な失業保険などのセーフティネットを充実させるべきと考えている。しかし、今、現に住まいを失った人々の生存を守る制度は現行法上、生活保護法しかない以上、同法の適正かつ積極的な活用によって生存を確保することが切実に求められている。今こそ、生活保護の出番なのである。

「住所」がなくても生活保護は利用できる

「住所」がないと生活保護が利用できないという誤解があるが、そのようなことはない。
生活保護法19条1項は、居住地のない者については、その「現在地」を所管する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことを定めている。
したがって、住居を失い、やむを得ず日比谷公園で寝泊まりしていた村民らについて、同公園がある千代田区の福祉事務所が生活保護を実施したのは法律上当然のことである。

生活保護費でアパートや家財道具を確保することができる

 住居のない者は、自らアパートを用意しなければ「居宅保護」(アパートでの生活保護)を受けることはできないという誤解があるが、そのようなことはない。
生活保護法30条1項は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする」と「居宅保護の原則」を宣明し、施設などでの保護適用は例外であると規定している。そして、住居のない者に対しても、生活保護費からアパート等の敷金(保証金)、家具什器費、布団代、被服費などを支給して新住居を確保することができる。

即日でも保護決定はできる

 生活保護法24条3項は、申請から原則として14日以内に決定しなければならないとし、同法25条1項は、急迫状況にあるときは、すみやかに職権で保護を決定しなければならないとしている。
この点については、厚生労働省も2008年3月4日の生活保護関係全国係長会議において、「原則14日以内に保護の決定を行う必要があり速やかに審査を行う必要があるが、その中でも、申請者の手持ち金が限られているなど急迫している状況にあるときは、迅速な保護の決定が求められることに留意願いたい」と注意喚起している。
したがって、派遣村村民のように住居も収入もなく所持金もないか僅少な者から保護申請があった場合には、迅速に保護決定をすることが法の求める本来の姿である。

失業者やワーキングプアも生活保護が利用できる

 「働く能力がある者は生活保護が受けられない」という誤解があるが、そのようなことはない。
働く能力があり、それを活用しようとしても働く場が得られない者は生活保護を利用することができる。したがって、派遣切りなどで職を失った失業者や低収入しか得られないワーキングプアも当然に生活保護を利用することができる。

厚生労働省は、生活保護制度の本来の運用に関し、通知を行うべきである

 以上のとおり、派遣村村民に対する生活保護の運用は「特別扱い」ではなく、法が本来予定する「あるべき姿」である。
しかし、トヨタ関連の「派遣切り」被害者が多数生じている名古屋市では、住居のない者に対しては施設入所を前提とし直接の居宅保護を行っていない。しかも、同市は、一昨日からその施設も満床であるとして、救いを求めて集まっている多くの住居のない者を寒空に放逐しようとしている。また、キャノン関連の「派遣切り」被害者が生じている大分市は、「まずは安定した住居を確保しない限り保護開始しない」と述べており、滋賀県大津市も、入所枠の限られた施設入所を居宅保護開始の前提としている。
3月までに8万5000人もの非正規労働者が職を失うと言われている現下の緊急事態の下、とりわけ大規模な「派遣切り」が行われている上記自治体が生活保護の窓口を閉ざせば、自殺や餓死などの悲劇が生じかねない。
そうした悲劇を生まないために、厚生労働省は、派遣村村民に対して実施された生活保護の運用こそ法が予定するスタンダードであることを全国の福祉事務所に通知して周知徹底すべきである。また、各地の福祉事務所は、厚労省の通知を待つことなく、適正かつ積極的な生活保護行政を実施すべきである。
そのためにも、報道関係や市民の皆さまが生活保護制度に対する誤解や偏見を解き制度を正しく理解していただくよう、心からお願いしたい。