親父殿久しぶりです、お酒を供えて墓参です

・　　【親父は早く亡くなりましたが、三番目の孫の顔も見たと思います】

思い出したくないが親父の思い出です、親父は東京生まれでしたが、戦後焼け跡の実家を見て戦友を頼って北海道旭川にやってきました

（そこで結婚して僕が生まれました）

享年昭和５６年７月２６日、東京で生まれて満州で徴兵されてました、戦争に行って引き上げてきて北海道に渡り、

最後は栃木の地で逝ってしまいました、６０歳という早死にでした、戦争で戦ったのですが戦争の話は一切しませんでした

・　　　　　　　　　【本当は勇でなく奮でイサムと呼びました】

旭川で勤めた会社が倒産して、運よく電気メーカーに就職が決まったのは良い事でしたが、流転の転校生活が始まりました

（親父は戦争に行ったことで飲酒が始まったと思います、それで人生を棒に振ったと思います、基本的には裏表のない人で

　飲む量を間違えなければ明るく陽気な良いお酒だったと思います）

わが兄弟で弟は母親によく似ていますし、僕が良くも悪くも父に似ています、年取ってくると鏡を見るのが嫌になるくらい似てきました

・　　　　　　【電機メーカーの営業は特約店を増やすことでした】

今のように量販店や通販のない時代でした、電化製品を増やすには自社の看板を掲げて製品を売ってくれるお店を増やすことが肝心でした

地区を回って１年で成果を上げると次の地区へ行くのです、旭川・札幌・函館（北洋漁業最後の年でした）・旭川・釧路・札幌・北見と

毎年の引越を繰り返しました、コンテナや引越便のない時代でした、１年で道内を転々と家族ぐるみで歩きました

現地に着くと引っ越し荷物が家に入らず１日で再び引っ越しというのもありました、母はいつも引越貧乏で親戚もない

異国のような所へ連れていかれたのでした、長年の飲酒が祟って度々の喀血、とうとう胃潰瘍になってしまいました

（胃は半分、十二指腸はすべて取ってしまったのです、釧路の市民病院では母も心細かったように思います

　一緒に歩いていてバイクにはねられ文句も言えずに途方に暮れていた姿が焼き付いております）

今なら家族の為に中心地札幌でさえ、札チョン族の言葉がある位の単身赴任が常識なのです

・　　　　　　【多感な高校生時代は酒に弱い親父をみて軽蔑していました】

北海道から埼玉へと赴任してきました、中学３年次ですから北海道と埼玉では教科書の進み方だって違ってます、半分はまるでわかりませんでした

（初めて転校生活で友達も出来ずに悪い仲間に誘われて補導もされました、家出の真似事もしたようです）

長年勤めた会社も退職の憂き目に合いました、母は天引きされて会社に預金していたお金が親父が無断で引き出していたので愕然としたようです

その後も友達を頼って函館に行ったりしましたが、すべて上手くいかなかったようです、川口で鋳物工場に勤めたり

プレハブ会社の営業マンになったりしましたが、今度は脳梗塞を発症して働くことも出来なくなりました

（そこで母が獅子奮迅の働きをしてくれたので、母の小さな幸せがあると思います）

親父だって戦争がなければ別の人生があったはずです、お酒が人生を狂わした思ってます、今の僕は親父を許す気になっていますが

当時の僕は親父の気持ちを理解できませんでした、母も天国でまた一緒になりたいとも言います、夫婦の愛は余人には分からないものです

ロシアは兵隊不足になり徴兵年齢制限の引き上げと徴兵者の出国禁止措置を取ることにしたそうです、徴兵の案内が個人のアカウントに

届けば徴兵なのです、裏を返せばこんなことがすぐできるのは国民すべてがデジタル化されていることになります

為政者にとって生まれてすぐマイナンバーがつけられるとこんなことが簡単に行われるのですね、カードを請求しなくても

ナンバーは既に振られております、健康保険証がマイナンバーに置き換わることで不利益を生じるのではないかと思い

最近マイナンバーカードを取得しました、７４歳ですから兵役に取られることはないと思いますが、かねてから

危惧されていたことが本当になりそうです、マイナンバーは個人の収入、納税から一元的にとらえられて身動きが取れない状況になりそうです

（デジタル化というのは庶民にとって果たして良い事だったのでしょうか、法律に触れない一般市民にとって

　全てがガラス張りになるのは行政から見て良い事なのでしょう）

国によって色んなマイナンバーが叫ばれてます、こればかりは防ぎようがないのです